それではベンチマークテストの結果を見ていこう。まず、Windows エクスペリエンス インデックスのスコアは4.1。サブスコアは右に掲載した画像のとおりだ。グラフィックスが弱めだが、日常的な用途では特に不安のない数字だろう。
PCMark05のスコアでもやはりGraphicsが少し見劣るが、大きな落ち込みではなく、総合スコアでも5000以上をマークしているようにバランスのとれたスコアといえる。PCMark05がリリースされた当時に想定されていたハイエンドPCの目安が「5500」だから、日常用途向けに十分な性能を持っているのは間違いない。
また、Vista環境でハイビジョンコンテンツの取り扱いを前提にした作業をシミュレートする内容のPCMark Vantageでも、総合のPCMark Suitesで3000強とまずまずのスコアを記録した。さすがに「ハイビジョンもバリバリ」というわけにはいかないが、Webブラウズやメール、ワープロといったライトユース中心の用途ならVista環境でも快適に使えるレベルにはあるといえる。
一方、3DMark06のスコアは、高い3D描画性能を要求されるゲームタイトルのプレイは厳しく、カジュアルなオンラインゲーム程度なら問題ないというレベルという結果になった。もっとも、DirectX 8.1世代のゲームがベースになっているFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3では、高解像度でも快適にプレイできるレベルのスコアをマークしている。
以上のように、ベンチマークテストの結果からWindows Vista環境で実用十分なパフォーマンスを持っていることが分かった。静音性については、暗騒音32dBの環境でフロントマスクから20センチの距離に騒音計を置いて計測したところ、アイドル時で38dB前後、通常負荷時で40dB前後、一時的に44dB前後まで上がることがあった。静かな部屋ではアイドル時でもはっきりと風切り音が聞こえ、特に静音性に優れているとまではいえないが、特にうるさいわけでもなく、標準的なレベルだろう。
HP Pavilion Desktop PC a6740jpの実売価格は5万円前後だが、これはかなり買い得だ。ディスプレイこそ付属しないものの、性能面ではNetbookやNettopとは別次元の域にある。標準状態でビジネスもホビーもひととおりこなせる性能を持ち、HDMI端子や着脱式ベイを装備するなど、さまざまな用途に対応できる拡張性も確保されている。シンプルなデザインのボディも好印象だ。特に決まった用途を持っていないユーザーが入門用として購入するPCとしては最適の1台と言えるだろう。
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