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» 2009年01月28日 11時00分 UPDATE

VAIO堅牢モバイルの進化型:より速く、より強くなった「VAIO type G」を検証する (1/3)

軽量、頑丈、長時間駆動をウリとしたソニーのビジネス向けモバイルノートPC「VAIO type G」は、フルモデルチェンジで何が変わったのか? その実力に迫る。

[鈴木雅暢,ITmedia]

初代機から受け継がれるシンプルでフラットなボディ

tm_0901gr_01.jpg 「VAIO type G VGN-G3KANB」

 ソニーの超軽量ビジネス向けモバイルノートPC「VAIO type G」から、3世代目となる新モデルが登場した。従来からのデザインイメージや軽量ボディを受け継ぎつつ、ボディデザインをリニューアル、システムもインテルの最新プラットフォームにアップデートされている。ここでは、HDDとDVDスーパーマルチドライブを搭載した2スピンドル構成の店頭販売モデル「VGN-G3KANB」を取り上げる。

 VAIO type Gの特徴といえば、小型軽量にもかかわらず堅牢性の高いボディだ。今回はフルモデルチェンジされているが、デザインイメージやサイズに大きな変更はなく、カバンにすっきりと収まるシンプルでフラットなフォルムにまとめられている。表面はマットな塗装でザラリとした感触に仕上げられ、また天板もエッジに多少丸み付けがされているため、先代機よりは若干柔らかみのある印象を受ける。

 店頭モデルのボディカラーはブラックのみだが、同社直販サイトのソニースタイルで購入できるVAIOオーナーメードモデルでは、このほかにシルバーとプレミアムブラウンも選べる。

 本体サイズは、276.7(幅)×216(奥行き)×25.2〜27.2(高さ)ミリだ。フットプリントは先代機とほとんど同じだが、高さのみが最薄部、最厚部ともに2ミリほど増している。ソニーによればこの厚みが放熱性の向上と静音性に貢献しているとのことで、同社のデータではパームレストと底面の発熱が従来より抑えられ、低負荷時に10.5dB、高負荷時に5.8dB、DVD再生時で12.8dBの騒音低減を実現しているという。

tm_0901gr_03.jpg 標準装備のバッテリーパックLの容量は56ワットアワー(10.8ボルト/5200mAh)。ACアダプタは非常にコンパクトだ

 重量は付属のバッテリーパックLとDVDスーパーマルチドライブを内蔵した状態で約1198グラム。同等構成の従来の店頭販売モデル(VGN-G2KBNA)よりも53グラム重くなり、直販サイトでオーダーできる最軽量構成(SSD搭載、光学ドライブなし、バッテリーパックS、メインメモリ1Gバイト、FeliCaポートなし、指紋センサー&セキュリティチップなし、無線LAN&Bluetoothなし)も約898グラムと38グラム増えている。

 一方、バッテリーの駆動時間は店頭販売モデルで公称12時間(直販モデルでは最大13時間)と、こちらは従来の店頭モデルより0.5時間増加した。バッテリーパックはLサイズでも背面や底面が飛び出すことなく、ボディ内にすっきりと収まる。付属のACアダプタは、実測でのサイズが36(幅)×83(奥行き)×26(高さ)ミリ、ケーブルを含む重量が約210グラムと超小型で、本体と一緒に携帯しても苦にならない。

新たな品質試験を加え、より進化した堅牢性

 堅牢性については従来からさらに強化された。天面の積層カーボンファイバーを5層から6層にアップして従来に比べて約1.5倍の強度を実現したほか、底面の4カ所のコーナーに強化部品を採用することで頑丈にした。堅牢性の目安としてアピールしてきた品質試験には「多面落下試験」が追加され、天面と底面の4側面だけでなくボディの角など合計26面から、非動作時で高さ40センチの落下試験をクリアしている。

 また、PC動作時落下試験72センチ(非動作時90センチ)、平面加圧振動試験150kgf、キーボード面の防滴試験200cc、ハードコーティング処理の液晶ディスプレイに対する鉛筆でのひっかき試験(硬度5H)といった従来の品質試験も引き続き行われている。

 これらの試験はあくまで社内試験であり、「ユーザーが同じことをしても壊れない」ことを保証するものではないが、堅牢性の目安としてこれだけの内容を実施し、その内容を公開している点はユーザーとしても心強いことだろう。

tm_0901gr_04.jpgtm_0901gr_05.jpgtm_0901gr_06.jpg 天板はカーボンファイバー層が1層増えて強度が向上した(写真=左)。新たに合計26面での落下試験が行われている(写真=中央)。ハードコーティング処理の液晶ディスプレイにより、画面には傷がつきにくい(写真=右)

順当に強化された基本スペック

 基本スペックは、45ナノプロセスルール世代の超低電圧版Core 2 Duoを中心としたシステムにパワーアップされている。開発コードネーム「Montevina-SFF」の名前で呼ばれていたSFFパッケージのシステムで、店頭販売モデルのVGN-G3KANBはCPUにCore 2 Duo SU9300(1.2GHz/2次キャッシュ3Mバイト/システムバス800MHz)、チップセットにはIntel GS45 Expressを採用している。ソニースタイルではCore 2 Duo SU9400(1.4GHz/2次キャッシュ3Mバイト/システムバス800MHz)、Celeron 723(1.2GHz/2次キャッシュ1Mバイト/システムバス800MHz)も選べる。

 従来の店頭販売モデルが採用していたCPUはCore 2 Duo U7600(1.2GHz)で、それと比べるとCore 2 Duo SU9300では2次キャッシュが1Mバイト増え、システムバスが533MHzから800MHzにスピードアップしている。さらに、拡張命令セットのSSE4.1に対応し、対応したアプリケーションでは高速化が見込める。

tm_0901gr_07.jpgtm_0901gr_08.jpgtm_0901gr_09.jpg CPU-Z 1.49で見たVGN-G3KANBのCPUとメモリ

tm_0901gr_10.jpg 背面のメモリスロット1基と1.8インチHDDのベイは、ネジで固定された底面のカバーを外すことでアクセスできる

 今回のアップデートでより価値があるのはCPUよりもチップセットのほうだろう。従来のIntel 945GMS Expressは2世代前のシリーズのため、内蔵グラフィックス機能で劣っていたうえ、メインメモリが最大2Gバイトまでという制限があり、パフォーマンス面で大きく足を引っ張っていた。今回は最新のGS45にアップデートされたことで、メインメモリ容量は最大4Gバイト搭載できるようになった。また、対応するメインメモリも従来のDDR2-667(PC2-5300)からDDR3-800(PC3-6400)に高性能化している。

 メモリスロットは2基用意されており、そのうちの1基は背面からすぐアクセスできる。店頭販売モデルのVGN-G3KANBは標準容量が2Gバイト(2Gバイト×1枚)となっているが、ソニースタイルでは1Gバイト(1Gバイト×1枚)から4Gバイト(2Gバイト×2枚)まで柔軟な構成でのオーダーが可能だ。

 なお、GS45はメインメモリを2組使うことでデュアルチャネルアクセスによりメモリ転送速度を高速化できる。2つのチャネル(スロット)に異なる容量のメモリが装着されている場合は一部シングルチャネルアクセスとなるので、最大のパフォーマンスが発揮できるのは、同容量のメモリモジュールを2枚1組で装着した状態のみである。

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