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» 2009年02月09日 14時01分 UPDATE

イマドキのイタモノ:早くも登場AM3──DDR3対応“Deneb”は自作PCユーザーの“本命”なのか? (1/3)

“DDR2”Phenom IIから1カ月。DDR3に対応したPhenom IIが登場する。しかも自作PC向けには「810」「720」「710」のみ。その微妙なパフォーマンスを検証しよう。

[長畑利博,ITmedia]

DDR3 SDRAMに対応したAM3プラットフォーム

 2009年1月に、AMDから45ナノメートルプロセスルールを導入したDenebコア「Phenom II X4」が登場したが、対応するハードウェア環境は従来のAM2+プラットフォームのままであったため、Denebコアを採用したPhenom II本来の性能を発揮しているとはいえなかった。しかし、2009年2月9日にようやくAM3プラットフォーム環境に対応したPhenom IIシリーズが発表された。今回発表されたAM3対応モデルのラインアップで、リテール市場に並ぶのは「Phenom II X4 810」、「Phenom II X3 720 Black Edition」、「Phenom II X3 710」の3種類が予定されている(なお、日本市場においてPhenom II X3 710は店頭販売を行わない)。今回はクロック変更が可能な「Phenom II X3 720 Black Edition」と「Phenom II X4 810」のサンプルとASUSのAM3プラットフォーム対応マザーボード「M4A78T-E」(AMD 790GX+SB750チップセット搭載)の環境を用意し、AM3プラットフォームとPhenom IIシリーズの実力を検証していく。

 今回発表されたAM3プラットフォーム対応CPUの最大の特徴は、DDR3 SDRAM(DDR3-1333MHz)に対応したことで、メモリ関連の性能が従来のAM2環境より向上した点にある。なお、AM3プラットフォーム対応CPUはコア内部にDDR2 SDRAMのメモリコントローラも内蔵しているため、マザーボード側のBIOSが対応していればAM2+プラットフォーム対応マザーボードでも利用できる下位互換性も特徴として挙げられる。

製品名 コアクロック HTバスクロック 1次キャッシュ 2次キャッシュ 3次キャッシュ メモリサポート
Phenom II X4 810 2.6GHz 4.0GT/s 128KB(64KB+64KB)×4 512KB×4(2MB) 4MB PC2-8500(DDR2-1066)〜PC3 (DDR3-1333MHz)
Phenom II X3 720 Black Edition 2.8GHz 4.0GT/s 128KB(64KB+64KB)×4 512KB×4(2MB) 6MB PC2-8500(DDR2-1066)〜PC3 (DDR3-1333MHz)
Phenom II X3 710 2.6GHz 4.0GT/s 128KB(64KB+64KB)×4 512KB×4(2MB) 6MB PC2-8500(DDR2-1066)〜PC3 (DDR3-1333MHz)

製品名 プロセスルール トランジスタ数 ダイサイズ TDP Max.TEMP コア電圧
Phenom II X4 810 45ナノ 7億5800万 258平方ミリ 95W 71度 0.875〜1.425ボルト
Phenom II X3 720 Black Edition 45ナノ 7億5800万 258平方ミリ 95W 73度 0.875〜1.425ボルト
Phenom II X3 710 45ナノ 7億5800万 258平方ミリ 95W 73度 0.875〜1.425ボルト

kn_phnm2am3_34.jpgkn_phnm2am3_33.jpgkn_phnm2am3_35.jpg 今回評価作業で使用したPhenom II X4 810(写真=左)とPhenom II X3 720 Black Edition(写真=中央)。AM2+とAM3とのピン数を比較する(写真=右)。左がPhenom II X4 920で右がPhenom II X4 810になるが、AM2+対応のPhenom II X4 920のほうがピン数が多くなっている

 クアッドコアモデルであるPhenom II X4 810は動作クロックが2.6GHz、3次キャッシュメモリの容量は4Mバイトになる。先日発表された同じクアッドコアのPhenom II X4 920、同 910と比べると、3次キャッシュメモリの容量が2Mバイトほど少ない。このほか、Phenom II X4 920と同 910のコア電圧が0.875〜1.50ボルトであったのに対し、Phenom II X4 810では0.875〜1.425ボルトとわずかに下げられているほか、TDPも95ワットに引き下げられている。最大周辺温度はPhenom II X4 920が62度であったのに対してPhenom II X4 810は71度に変更された。

 Phenom II X3 720 Black Edition、Phenom II X3 710は、Denebコアで初めてのトリプルコア対応モデルとなる。Phenom II X3 720 Black Editionはクロック倍率の変更に対応した上位モデルで、動作クロックは2.8GHz、3次キャッシュメモリの容量は6Mバイトになる。Phenom II X3 710は動作クロックが2.6GHz、3次キャッシュの容量は6Mバイト。コア電圧とTDPについては95ワットでPhenom II X4 810と同じだが、最大周辺温度については73度に設定されている。

kn_phnm2am3_36.jpgkn_phnm2am3_37.jpgkn_phnm2am3_38.jpg CPU-Z(1.49)で取得したCPUの情報。左からPhenom II X4 810、Phenom II X3 720 Black Edition、Phenom II X3 710相当。CPU-Zが未対応であることから、表記はSocket AM2+となっているが、データの取得はAM3に対応したM4A78T-Eで行っている

kn_phnm2am3_39.jpgkn_phnm2am3_40.jpg 評価作業にはASUSのAM3プラットフォーム対応となる最新製品「M4A78T-E」を用いた(写真=左)。また、チップセットなどほぼ同一のAM2+プラットフォーム対応の「M3A78T」も用意した(写真=右)。外観は似ているが、M4A78T-EではSerial ATAコネクタが3個から5個に増えるなど細かな仕様変更が行われている

メモリの違いによる性能の変化は?

 では、実際にベンチマークテストを使ってPhenom II X4 810とPhenom II X3 720 Black Editionの性能を見ていこう。なお、Phenom II X3 710については、Phenom II X3 720 Black EditionのCPUのクロック倍率を変更して2.6GHzにしたものを用いているので参考データとして扱っていただきたい。今回の比較構成としては、AM2+プラットフォーム対応モデルのPhenom II X4 920とCore 2 Quad Q9450(2.83GHz)、Core i7 920(2.66GHz)のデータを併記している。

 ただし、Core i7のシステム構成はDDR3 SDRAM(DDR3-1066)1Gバイト×3の3Gバイト構成、AM2+プラットフォーム版のPhenom IIがDDR2 SDRAM(DDR2-800)2Gバイト×2であるのに対し、AM3プラットフォームではDDR3 SDRAM(DDR3-1333)の2Gバイト×2の構成で測定を行っている。また、ベンチマークテスト内容については、前述のマザーボードなどの環境が異なる以外は前回のPhenom IIレビューと同じ内容にした。

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