G-13ならではの特徴が筐体上部に備えられた160×43ピクセルのLCDディスプレイだ。以前紹介したキーボード「MX5500」にも「ダイナミックキーボードディスプレイ」と呼ばれるLCDが搭載されていたが、この2つはまったくの別物である。G-13の場合は先行製品であるゲーミングキーボードG15に搭載されていたものと同じく、ゲームパネルと名付けられている。
ゲームパネルはPC側でプログラムを実行し、その結果を表示するサブディスプレイとして動作する。初期状態ではクロックやメディアプレーヤーなどが登録済みだが、ほかのアプリケーションを追加することもでき、ゲームパネル対応ゲームではゲーム中にさまざまな情報の表示が可能になる。
とはいえ、キーボードに目を落とすことすらまれな、タッチタイピングが基本のゲームプレイにおいて、ディスプレイから目を離してゲームパネルを見るかというとやや疑問は残る。特にディスプレイとゲームパネルの目からの距離の差が大きければ大きいほど、肉眼の焦点合わせのロスタイムも大きくなり、操作ミスの原因にもなる。
だが、ゲームパネルにはSDK(開発キット)が公開されており、個人でも対応アプリを開発することができるという大きな強みがある。SDKは製品添付CDにも収録されており、VisualC++ 6.0用のプロジェクトファイルが同梱されている。ドキュメントは英語のみだが、ローカライズのサンプルも含まれているようだ。
メディアプレーヤーやシステムの情報表示ディスプレイとして表示内容、デザインをカスタマイズしたいのであればプログラミングは必要ない。サードパーティ製だが、LCD Studioを利用すれば画面を見ながら直感的にデザインすることができる。
また、VistaではG-13はWindows SideShowデバイスとして認識されるため、SideShowガジェットを表示することもできる。Windows SideShowはVista登場時にサイドバーガジェットと並ぶ新機能の1つとして登場した、ガジェットを表示するための小さなサブディスプレイだ。ただし、マイクロソフトの思惑をよそに普及は進んでおらず、2009年2月時点でも日本語対応SideShowガジェットはわずか15件にとどまっている。また、画像や表示情報の多いものは仕様的に厳しい表示結果となるようだ。
メディアプレーヤーの情報表示やRSSリーダーといったアプリは(MX5500のときからの)解像度の向上によってかなり実用的になってきた。特にRSSリーダーは気になる記事が表示されているときに機能ボタンを押すとPC側でブラウザが起動し、本文を表示することができる。見ても見なくてもいいがだらだらと表示させておき、目に留まったときにアクションを起こす、という使い方を想定したアプリにはよいかもしれない。ちょうどディスプレイの外に情報を追いだした形だ。
その一方でポップアップのように注意を引く必要があるアプリは見落としが発生しがちになり、あまり向いていないのではないかと思う。バックライトをフラッシュさせるなどの方法も考えられるが、バックライトの制御はスクリプトからは可能だが、LCD SDKでは不可能なようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.