「OC」メニューは、オーバークロック関連の設定を行う。従来のBIOSでは「Cell Menu」に含まれていたところだ。FSBの設定はもちろん、倍率やメモリクロック比、PCIクロック比の変更、各種電圧の調整、メモリのタイミングなど、オーバークロックで必要になる設定はすべて行うことができる。
「ECO」メニューは、従来の「Hardware Monitor」で用意されていた項目を増やして、システムの状態をより分かりやすく把握できるようになった。ここでは、安定動作と消費電力に影響する「電源供給回路のフェーズ数」を設定できる。多くの場合は自動で良いだろうが、オーバークロックの限界を試すときなどは、5フェーズに固定しておくと効果があるだろう
「Utility」メニューでは、「Live Update」、「BIOSのフラッシュ」、「HDDバックアップ」、「ブート画面」の項目が用意されているが、このうちLive UpdateとHDDバックアップはUEFIのCDを必要とするため、実行はできなかった(BIOS 3.0へのアップデートはオンラインで行ったため)。BIOSフラッシュでは、USBメモリに収録されたBIOSイメージをユーザーが選んでアップデートできる。ブート画面の項目は、ブート時に表示される画像をユーザーが好きなデータに変更できるツールだ。BMPとJPEGに対応しているそうだが、実際に試してみると、BMP画像には変更することができたものの、JPEG画像は表示できなかった。
なお、「GAME」メニューをクリックすると、こちらもUEFIのCDを挿入するように指示がでるため、今回の評価作業では内容を確認することはできなかった。
さて、P45-8Dの存在意義ともいえるメモリ4枚差しの構成で動作状況をチェックしてみよう。今回の評価作業で使用したDDR3メモリは、OCZ TechnologyのPC3-12800 Platinum Edition 2Gバイトを4枚用いている。定格の動作クロックは1600MHzだ。定格の電圧もDDRメモリとしては高い1.9ボルトであるが、BIOS ver.3.0では正しく1.9ボルトに自動で設定された。
BIOSのデフォルト値でセットされるメモリクロック1066MHzで、2Gバイトメモリを4枚差して動作確認を行ったところ、Windows Vistaのインストールから環境設定、ベンチマークテストの実行までトラブルもなく終了。次いで、FSB比率を「1:1.67」に設定してメモリクロックを1333MHzにアップして、Windows Vistaのインストールからベンチマークテストのの実行までトラブルなしで終了している。
CORSAIRのPC2-6400 1Gバイトを4枚使用したDDR2メモリの動作でも、デフォルトのメモリクロック800MHz動作でWindows Vistaのインストールから環境設定、ベンチマークテストの実行まで、トラブルなく進み、FSB比を「1:1.20」にセットした960MHz設定でも、Windows Vistaインストールからベンチマークテストの実行までノントラブルの安定動作が可能だった。
これまでのレビューでP45-8D Memory Loverを動かしていたときには、たまに不安定になるなど、メモリ関連の動作がかなりシビアな感じを受けたが、今回のBIOS ver.3.0では、非常に安定した動作をしていたのが印象的だった。新BIOSの登場で、8本あるメモリスロットというP45-8Dの大きなメリットが、より魅力となったといえるだろう。
最後にTipsを1つ。今回のテストでは、DDR3メモリからDDR2メモリに変更するときやその逆で、起動してくれない場合があった。CMOSクリアを行ってもすぐには状況が改善されないケースも確認されている。もし、ユーザーが搭載するメモリを変更したときにP45-8D Memory Loverが起動しなくても、あわてることなく、何度かCMOSクリアを行って再起動を試みてほしい。
PCMark05 | DDR2-800 | DDR2-960 | DDR3-1066 | DDR3-1333 |
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CPU | 10261.0 | 10263.0 | 10271.0 | 10245.0 |
Memory | 6869.0 | 6996.0 | 6935.0 | 7041.0 |
Memory Latency - Random 16 MB | 11.3 | 11.8 | 11.3 | 11.9 |
Memory Read - 16 MB | 7158.6 | 7786.0 | 7683.2 | 7968.2 |
Memory Read - 8 MB | 9499.2 | 10122.3 | 10010.4 | 10394.5 |
Memory Write - 16 MB | 8032.0 | 8026.0 | 8032.0 | 8032.2 |
Memory Write - 8 MB | 8045.9 | 8048.0 | 8049.6 | 8050.7 |
Memory Copy - 16 MB | 6490.8 | 6901.3 | 6681.9 | 6965.6 |
Memory Copy - 8 MB | 6587.0 | 6805.6 | 6856.0 | 7004.7 |
Memory Latency - Random 16 MB | 11.4 | 12.0 | 11.4 | 12.0 |
Memory Latency - Random 8 MB | 14.2 | 14.3 | 13.7 | 14.5 |
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