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» 2009年03月05日 12時00分 公開

5分で分かった気になるアキバ事情:AM3の注目度が乱高下した2月のアキバ (1/2)

2月はSocket AM3対応のCPUやマザーボードが登場し、AMDらしい事情で週ごとに注目度が大きく変動した。中央通りに久しぶりのPC系ショップがオープンしたのも印象的だ。

[古田雄介,ITmedia]

「人の関心と無関心を自在に操る魔術師ですね」――Socket AM3対応のPhenom IIがデビュー

Socket AM3ソケット。ピンの配置が若干変更されており、AM2+版Phenom IIは搭載できない

 1月早々にSocket AM2+版のPhenom IIを投入したAMDが、間髪入れずにSocket AM3版もデビューさせた。まずは2月9日に、Socket AM3対応のマザーボード「GA-MA790FXT-UD5P」と「GA-MA790XT-UD4P」が2万円前後と1万7000円弱で登場。その後、2月20日に初のAM3版Phenom IIである「Phenom II X3 720 Black Edition」が1万5000円前後で、複数のショップの店頭に並んだ。

 Phenom II X3 720 Black Editionは、動作クロック2.8GHzでL3キャッシュを6Mバイト搭載するトリプルコアCPU。発売当初、クアッドコアの上位シリーズ「Phenom II X4 9xx」を期待していたユーザーが多いこともあり、売れ行きはそれほど良くなかった。当時のショップからも「新規格はフラッグシップモデルから投入してほしいですよ。即Socket AM2+から乗り換えたくなるような最上位のモデルがいいのに……。Black Editionであることが救いですが、ちょっと煮え切らないっすね」(TSUKUMO eX.)などのコメントが多く聞かれた。

 しかし、2月末には状況が一変し、売り切れる店舗が続出するほどのヒットを記録した。パソコンショップ・アークが「Phenom II X3は4コア内蔵しているうちの1つを無効にしているだけなので、マザーボードによってはBIOS設定を少し変更するだけでトリプルコアをクアッドコア化できるようです。そのウワサが飛び出してからは飛ぶように売れていますね」と語るように、お得な裏技がユーザーの関心を引きつけた様子だ。

 同じタイミングで、初のAM3版クアッドコアとなる「Phenom II X4 810」が1万8000円弱で登場したものの、人気はPhenom II X3 720 Black Editionに集中している。ソフマップ秋葉原本館は「Phenom II X4 810はクアッドコアといってもL3キャッシュが4Mバイトしかありません。上位の9xxシリーズが登場するまでは、Phenom II X3で遊ぶといった人が主流になりそうですね」と語る。

 こうしたPhenom II関連の特殊な動きを評して、ある店員さんは「なんともAMDらしい売れ方ですよね。スルーされるか大注目かの2択ってすごいですよ。これが計算だったらAMDはちょっとした魔術師ですよ」と話している。なお、Phenom II X4 9xxシリーズの発売時期はまだ未定だ。

AMD 790FXを搭載したSocket AM3対応のギガバイト「GA-MA790GP-UD4H」(写真=左)。AMD「Phenom II X3 720 Black Edition」(写真=中央)。AMD「Phenom II X4 810」(写真=右)

省電力の“カエル版”Core 2 Quadが登場――SLC型SSDも投入したインテル

Sシリーズにプリントされたカエルのイラスト

 一方のインテルも新型CPUを2月に投入している。登場したのは「Core 2 Quad Q9550S/Q9400S/Q8200S」の3モデル。価格は3万6000円〜4万円、3万2000円前後、2万4000円前後で、クロック数とL2キャッシュは順に2.83GHz/12Mバイト、2.66GHz/6Mバイト、2.33GHz/4Mバイトとなる。通常のCore 2 QuadがTDP 95ワットなのに対して、Sシリーズは65ワットに抑えているのが特徴だ。

 フェイス本店は「消費電力を気にされる方に需要があると思います。ただ、パフォーマンスでみると通常のCore 2 Quadよりも割高になるので、万人受けはしにくいでしょうね」と語っていた。なお、パッケージにはカエルのイラストが添えられており、密かに注目を集めていた。

 Core 2 Quadの上位となるCore i7対応のX58マザーも徐々に買いやすくなっている。2月20日に、MSIから2万3000円前後のX58マザー「X58 PRO」が登場し、複数のショップで好調に売れているという声を聞いた。

 X58マザーの最安値はギガバイトの「GA-EX58-UD3R」で2万2000円前後となるが、メモリスロットを4基しか搭載しないなど、機能制限が見られる。それに対してX58 PROは「一般的なX58マザーと同じように6基のDDR3メモリスロットを備えているので、将来の拡張を考えて購入できますね。Core i7の人気はハイエンド志向のユーザーだけに留まらず一般化しつつあるので、こうした割安なモデルはロングヒットすると思います」(T-ZONE.PC DIY SHOP)。

 また、CPU回りだけでなく、SSDでもインテル陣営の注目アイテムが登場している。2月第4週にSSD「X25-E SSDSA2SH064G1C5」を投入。8万円弱から8万5000円前後という価格ながら好調に売れていた。T-ZONE.PC DIY SHOPは「他社のSSDもどんどん高速化されているので、さすがに個人ユーザーは購入をためらう方が多いですね。しかし、インテルはブランドの信頼性が圧倒的に高いので、法人需要が高いんですよ。いま現在、この価格で普通に売れるとは正直思いませんでした。すごいです」と語っていた。

インテル「Core 2 Quad Q9550S/Q9400S/Q8200S」(写真=左)。MSI「X58 PRO」(写真=中央)。インテル「X25-E SSDSA2SH064G1C5」(写真=右)

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