見た目は旧式、中身はCoolな新型Mac miniをチェックしたMac mini Trilogy I(1/2 ページ)

» 2009年03月09日 17時17分 公開
[王深紅,ITmedia]

従来モデルから大幅なスペックアップを実現

内部システムを一新した新型Mac mini

 プロシューマー向けの「Mac Pro」を筆頭に、コンシューマー向けでは液晶一体型の「iMac」、超小型の「Mac mini」と、デスクトップ型のラインアップを一新したアップル。中でも注目は、ほぼ1年半ぶりにフルモデルチェンジして3代目に生まれ変わったMac miniだ。ここでは「Mac mini Trilogy」と題して、Mac OS X Leopard、Windows XP、Windows Vista環境でテストしたリポートをお届けする。まずはMac OS X編だ。

 サイズが165.1(幅)×165.1(奥行き)×50.8(高さ)ミリというスクエアボディ、重量も約1.31キロと小型軽量な形状は従来機を継承しつつ、内部システムを最新世代に改めたのがポイントだ。具体的には、これまでのインテルマザーボード(Intel 945GT Expressチップセット)から、NVIDIAのGeForce 9400M(ユニボディを採用したMacBookなどと同じ)に変更することで、同じ統合型チップセットでありながら、3D描画性能の飛躍的な向上を実現した。

 新モデルの特徴はこちらの記事(システムを一新してFireWire 800とMini DisplayPortを備えた新型Mac miniが登場)で触れたが、2008年8月に発売された従来モデルとの比較を下記の表にまとめた。ちなみに、2代目Mac miniと初代Mac miniとの比較はこちらの記事(新Mac miniを分解して、見た!)を参照してほしい。


新旧Mac miniの主なスペック
型番 MB464J/A MB463J/A MB138J/A
CPU 2.0GHz Core 2 Duo 1.83GHz Core 2 Duo
2次キャッシュ 3Mバイト(共有) 2Mバイト(共有)
FSB 1066MHz 667MHz
チップセット GeForce 9400M Intel 945GT Express
メモリ 2Gバイト(PC3-8500) 1Gバイト(PC3-8500) 1Gバイト(PC2-5300)
メモリースロット 204ピンSO-DIMM×2 200ピンSO-DIMM×2
最大搭載メモリ 4Gバイト 2Gバイト
HDD 320Gバイト(5400rpm) 120Gバイト(5400rpm) 80Gバイト(5400rpm)
光学ドライブ DVD±R DL対応最大8倍速SuperDrive ComboDrive
グラフィックス GeForce 9400M Intel GMA 950
グラフィックスメモリ 256Mバイト(共有) 128Mバイト(共有) 64Mバイト(共有)
外部ディスプレイ端子 Mini DisplayPort+Mini DVI DVI
USB USB 2.0×5 USB 2.0×4
FireWire FireWire 800×1 FireWire 400×1
有線LAN ギガビット対応
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト) IEEE802.11b/g
Bluetooth Bluetooth 2.1+EDR Bluetooth 2.0+EDR
本体サイズ 165.1(幅)×165.1(奥行き)×50.8(高さ)ミリ
重量 約1.31キロ
Apple Remote 別売 付属
Apple Store価格 8万9800円 6万9800円 7万9800円

標準でデュアルディスプレイ出力に対応

新型MacBookシリーズと同じGeForce 9400Mが新型Mac miniにも採用された

 チップセット一新に伴って、CPUがFSB 1066MHz対応のCore 2 Duoになり、メモリがDDR2から高速かつ省電力なDDR3となって最大搭載容量が4Gバイトまで拡張された。2.5インチSerial ATA HDDの増量や光学ドライブがSuperDriveになり、無線LANもIEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト準拠)になるなど順当なアップグレードが施されたほか、標準でデュアルディスプレイ出力をサポートしたのも見逃せない。

 新型Mac miniでは背面にMini DisplayPortとMini DVIが用意され、Mini-DVI→DVIアダプタが付属する。別途Mini DisplayPortアダプタ(新型MacBookシリーズと共用可能)を使えば、アナログRGBDVI出力ができ、さらにApple Mini DisplayPort Dual-Link DVI アダプタを経由すれば30インチApple Cinema HD Display(2560×1600ドット表示)も接続が可能だ。テレビサイドPCとしての利用を考えているユーザーにはHDMI端子を備えてほしかったところだが、試しに手持ちの42型テレビ(東芝 REGZA 42Z2000)にMini-DVI→DVIアダプタ+DVI→HDMI変換ケーブルで接続したところ、ドットバイドット(1920×1080ドット)で表示が行えた。また、ナナオの24型ワイド液晶ディスプレイ「FlexScan HD2452W」(1920×1200ドット)と22型ワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2242W-H」(1920×1200ドット)を同時に接続したところ、問題なく表示できた。ただし、Mini-DVI→DVIアダプタとMini DisplayPortアダプタともに本体の端子が外れやすく、設置には注意が必要だ。

前面はSuperDriveの挿入口とApple Remoteの受光部、状態表示LEDランプ(白色)があるだけだ
アルミニウム製の高級感あるボディは健在。ボディサイズや重量は従来機と共通だ
背面のコネクタは一新され、FireWire 800とMini DisplayPortおよびMini DVIポートが加わった

下が初代Mac mini、上が新型Mac miniの背面
左が初代Mac mini、右が新型Mac miniの天面
標準でMini-DVI→DVIアダプタが付属(写真=左)する。右のはMini DisplayPort→VGAアダプタだ

ナナオの24型ワイド液晶ディスプレイと22型ワイド液晶ディスプレイを同時に出力したところ
出力110ワットのACアダプタが付属。3ピンタイプの電源ケーブルを含め、従来モデルを踏襲している
新モデルでもキーボードとマウスは別売だ。写真は別売のApple Keyboard(JIS)とMighty Mouseの組み合わせ

インストールされているMac OS Xのバージョンは10.5.6だ
上位モデルのグラフィックスメモリはメインメモリと共有で256Mバイトとなる
デュアルティスプレイの位置表示はドラッグ操作で調整可能だ

 次のページでは、実際の使用感とベンチマークテストの結果を見ていこう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  7. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  8. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  9. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  10. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー