インタビュー
» 2009年03月17日 11時11分 UPDATE

担当者が語るiPod shuffle誕生の背景:アップルは低価格音楽プレーヤーでもイノベーションを生み続ける (1/3)

第3世代iPod shuffleでは、5つのボタンで構成される従来のインタフェースをやめ、新たに本体をボタンレスにしてしまった。このデザインの裏にはどのような狙いがあるのか。アップルのiPod担当ワールドワイドプロダクトマーケティング、ショーン・エリス氏に話を聞いた。

[林信行,ITmedia]

新iPod shuffleのヒントはiPhoneから

og_ipod_001.jpg 新iPod shuffle

――今度のiPod shuffleは、これまでのiPod shuffleと比べても大きく変わりましたね。

エリス そうですね。まずは一度、iPod shuffleの歴史を振り返らせてください。iPod shuffleは、もともとiPodの魅力を100ドル以下の価格帯で実現するために誕生しました。その際、1つめの大きな特徴となったのが、シャッフル再生機能です。多くの人々がこの機能を心から愛しました。

 その後に登場した第2世代のiPod shuffleは、このコンセプトを引き継ぎつつ、さらに小型化を図り、着用のしやすさを目玉にしました。初代iPod shuffleのコントローラ部に近いサイズまで小型化を進め、その裏にクリップをつけることで、これを洋服の好きな場所、あるいはカバンの好きな場所にクリップできるようにしたわけです。

 この2つの世代のiPod shuffleで分かったのは、iPod shuffleを買う人は2種類に大別できるということです。

 1つめは、iPod shuffleを「初めてのiPod」として購入する人々です。iPod shuffleの価格の手ごろさが、同製品をiPod体験の魅力的な入り口にしています。そしてもう1つは、「2台目以降のiPod」としてiPod shuffleを購入する人々です。iPod shuffleは、そうした人にとっても魅力的なiPodに仕上がっています。

 このどちらのニーズにも応えつつ、iPod shuffleをさらに進化させるためにはどうしたらいいか? それが第3世代iPod shuffleの大きな課題でした。我々はそのヒントをiPhoneに見出したのです。

――iPhoneのヘッドフォンですね?

エリス そうです。iPhoneでは、ヘッドフォンにボタンがついており、これを使って電話を受けたり、切ったりすることもできますし、曲の再生や停止、曲送りなどの操作もできます。多くのiPhoneユーザーが、その便利さを大変気に入っています。我々はこれと同じことがiPod shuffleでもできるのではないかと考えました。

og_ipod_003.jpg

 そこでiPod shuffle本体から、すべての操作ボタンを取り除いて、それをヘッドフォンに埋め込んでしまいました。そうすることによって、iPod shuffle本体の大きさも、これまでと比べて劇的に小さくすることが可能になりました。

 容積的にみても、新しいiPod shuffleは、これまでのiPod shuffleの約半分ほどの容積に収まっています。これだけ小さくなったiPod shuffleですが、一方で大きくなった部分もあります。それは(記憶)容量です。新iPod shuffleは、容量が4Gバイトになっています。つまり、容積は半分でも容量は倍になったわけです。

――小さ過ぎてなくしてしまいそうですよね。

エリス ええ、でも、以前のiPod shuffle同様のクリップを備えているので、これを使って衣服の一部などにも装着することができます。

 それに本体は、美しいアナダイズ加工のアルミでできているので、隠し持つ必要はありません。

――ちょっと見たところネクタイピンのようです。

エリス そうですね(笑)。本体を表にして止めるのもいいですが、一方でアップルロゴが印字されているクリップ側を外に向けて装着したい、という人も大勢いるようです。

――ただ、外観の話でいうと、カラーバリエーションが少なくなったことで、特に若い女性層が残念がりそうですよね。

エリス そうでしょうか。実は今回リリースした2色は、最も人気がある2色を選んだものなので、多くの方に喜んでいただけるのではないかと自負しています。また、1Gバイトのものは5色とも継続販売するので、色のバリエーションが欲しい方はそちらを選んでもらうこともできます。

og_ipod_004.jpgog_ipod_005.jpg 第2世代同様、背面にクリップを備える(写真=左)。カラーバリエーションは、ブラックとシルバーの2色だ(写真=右)

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