10型液晶のNetbookも投入予定──マイケル・デル氏が語るスマートフォンだけでなく

» 2009年03月24日 20時02分 公開
[ITmedia]

次世代の製品はイノベーティブでなければならない

マイケル・デル会長兼CEO

 デルが3月24日、東京都内のホテルで「TOKYO PRESS BRIEFING」を開催した。マイケル・デル会長兼最高経営責任者(CEO)の来日に伴うプレス向けの懇親会で、同社の近況や今後の方針などについて語った。

 マイケル氏は昨今の状況について、「確かに今、経済が非常に厳しい状況にある。このような出来事が発生している中で、法人だけでなく、コンシューマー市場も大きな影響を受けており、製品の買い控えも目立ち、貯蓄に走る傾向が高まっている」と分析。「日本に来るようになってから25年ほどたつ。直近では大きなリストラや再編が目立ったが、おおむね正しい方向に進んでいると思う。ただし、正常化には時間がかかるだろう」と概観した。

 また、同社は事業戦略をノートPC、コンシューマー市場、エンタープライズ、中小企業(SMB)、新興市場(BRIC)の5つに絞り込んでいるが、より迅速な対応を行うべくグローバルで新たに4つの組織を編成した。具体的には、大企業(ラージエンタープライズ:売上げ規模は170億ドル)、公共部門(パブリック:同150億ドル)、中小企業(SMB:同150億ドル)、コンシューマー(同120億ドル)に分け、「それぞれの市場でテクノロジーの標準化を進め、ITインフラを継続的に提供していくこと、グリーンなテクノロジーで省エネ化を進めていくことが重要なテーマだ」とした。

経済状況の分析
業界で勝ち抜いていくためのカギ
4つのグローバル組織を編成

10型液晶ディスプレイ搭載のNetbookやスマートフォンも投入予定

 続いて2009年度(会計年度)の業績を振り返り、「売上高は前年とほぼ同じ611億ドル、営業利益は7%減の31.9億ドル、純利益は16%減の24.8億ドルとなったが、日本・アジア太平洋地域では出荷台数ベースで21%増、グローバルコンシューマーでは同35%増と好調だった。ただ、デルにとってコンシューマー分野はシェアが低く、逆をいえば成長の余地が大いにある」とし、「Windows 7をはじめ、3Dや3G、タッチスクリーンといったフィーチャーの提供、さらには薄くて軽いモデルなど、差別化された製品を提供していかなければならない。小売店については、日本では過去18カ月で1000店舗を突破し今後も拡大していく予定であり、同分野での成功は今年も続くだろう」と述べた。

 つい先日発表された“世界最薄”ノートPC「Adamo」については、「スタイリッシュでデザインに優れたイノベーティブな今までにない製品に仕上がっていると思う。MacBook Airなどの他社製品が市場に出る前から企画・開発がスタートしており、ファッションへの意識が高く、デザイン重視の製品を求めるユーザー、あらゆる製品でベストなものを買う人々をターゲットと考えている」と触れた。

 市場でシェアが増加しているNetbookは、「Netbookは今後も成長していくし、薄型軽量化が今後のトレンドになっていく。3Gや無線との統合により接続性が高まるとともに機動性が増す。そしてオンラインサービスも普及していくだろうが、現状では画面サイズが8インチクラスだと狭くて情報量が少ないので、その点には注意をする必要がある。日本では10インチモデルも投入予定であり、キャリアと協力して3Gサービスの統合で提供していきたいと考えている。また、スマートフォンや小型のインターネット端末も出していくつもりだ」とまとめた。

アルミ削りだしボディを採用したプレミアムノートPC「Adamo」
2009年度(会計年度)のハイライト
日本ではコンシューマーとエンタープライズの両分野で成長を遂げている

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