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» 2009年04月10日 11時00分 UPDATE

イマドキのイタモノ:まさに“がっぷり四つ”!──Radeon HD 4890とGeForce GTX 275 (1/2)

AMDがRadeon HD 4890を発表した日に、NVIDIAは「GeForce GTX 275」を発表した。実売3万円前後という同じ価格帯でGPU市場を制するのはどちらだ。

[石川ひさよし,ITmedia]

おっとり刀か、周到な待ち伏せか

 Radeon HD 4890と実売価格がまともにぶつかる新しいGPU「GeForce GTX 275」がNVIDIAから発表された。Radeon HD 4890はシングルGPUの最上位モデルという位置づけになるが、GeForce GTX 275はNVIDIAのシングルGPUラインアップにおいて、「285」と「260」に挟まれた非常に微妙な立ち位置になっている。しかし、すでに掲載しているRadeon HD 4890のレビューで示したように、GeForce GTX 285は実売価格もベンチマークテストの結果もRadeon HD 4890の上を行く。このように、AMDとNVIDIAとでは、同じシングルGPUの新モデルでありながらRadeon HD 4890とGeForce GTX 275の位置付けを微妙に変えている。まずは、NVIDIAの示すポジショニングチャートを見てみよう。

kn_gtx275_01.jpgkn_gtx275_02.jpg どちらのGPUも空白地帯だった3万円前後のポジションを狙う製品。しかしGeForce GTX 275はあくまでも285の直下というポジション

 このようにポジショニングされているGeForce GTX 275をスペックで比較してみるとその位置付けがさらによく分かる。以下にGeForce GTX 275と同 285、同 260とスペックを並べてみる。

GPU GeForce GTX 275 GeForce GTX 285 GeForce GTX 260
プロセスルール 55ナノメートル 55ナノメートル 55ナノメートル
統合型シェーダユニット 240 240 216
コアクロック 633MHz 648MHz 576MHz
シェーダークロック 1404MHz 1476MHz 1242MHz
グラフィックスメモリ GDDR3:896MB GDDR3:1GB GDDR3:896MB
メモリバス幅 448ビット 512ビット 448ビット
メモリクロック 1134MHz 1242MHz 999MHz
メモリ帯域幅 127GB/秒 159GB/秒 111.9GB/秒
ROPs 28 32 28
テクスチャユニット 80 80 72
補助電源コネクタ構成 6ピン+6ピン 6ピン+6ピン 6ピン+6ピン
最大消費電力 219ワット 183ワット 182ワット以下

 GeForce GTX 275は、同 285や同 260と同様の55ナノメートルプロセスを採用する。ただし、統合型シェーダユニットの数は285と同じ、ROPsやメモリバス関連スペックは260と同じというように、上位モデルと下位モデルの仕様を折衷している。シングルGPUの最上位モデルを新たに作るわけではないため、新規開発というよりはラインアップをそろえるためのスペック調整に近い。GeForce GTX 275のスペックで注意しておきたいのが消費電力だ。プロセスルール、構成トランジスタ数が同じ、動作クロックは下がっているのに、上位のGeForce GTX 285より36ワットも増えている。

kn_gtx275_03.jpgkn_gtx275_04.jpgkn_gtx275_05.jpg GeForce GTX 275を搭載したリファレンスカードのクーラーユニットは2スロット分の厚みがあり、形状的はほかのGTXシリーズと同様に見える(写真=左)。裏面はGeForce GTX 285と同じくヒートシンクを持たないが、よく見るとクーラーユニットフードの側面が樹脂製パーツで、ここがヒートシンクだったGeForce GTX 285と異なる(写真=中央)。上がGeForce GTX 275、中央がGeForce GTX 285、一番下がGeForce GTX 280。重ねると、裏面とヒートシンク形状の違いがよく分かる

 なお、GeForce GTX 275とともにリリースされたグラフィックスドライバ「GeForce Driver 185」シリーズでは、3D表現手法の「Ambient Occlusion」が利用可能となっている。これによりゲーム内での陰影に関するディティールがより自然なものになるとNVIDIAでは説明している。

kn_gtx275_06.jpgkn_gtx275_07.jpg NVIDIAの資料からAmbient Occlusionの効果を示したサンプル画像。環境光の演算手法の1つで、リアルな陰影を作り出す

Core i7の最上位モデルで動くGeForce GXT 275のパフォーマンス

 今回の評価作業で用いたシステム構成は、Radeon HD 4890のレビューと同じにしている。マザーボードはMSIのIntel X58 Expressチップセット搭載製品の「X58 Pro」、これにGeILの「GV33GB1333C9TC」を組み合わせた環境だ。ただし、比較に用いたGeForce GTX 285ではGeForce Driverのバージョンは182.08を用いていたが、GeForce GTX 275に関しては、評価用として配布されている最新の「185.66」を適用した。

kn_gtx275_08.jpgkn_gtx275_09.jpg MSIのIntel X58 Express搭載マザーボード「X58 Pro」は、2万円台と比較的低価格でCore i7に移行できる製品として人気がある(写真=左)。GeILのDDR3-1333メモリ「GV33GB1333C9TC」は、1Gバイトモジュール3枚をセットにしたCore i7導入キットだ(写真=右)

テストシステム構成
CPU Core i7 965 Extreme Edition(3.20GHz)
マザーボード MSI X58 Pro
チップセット Intel X58 Express
メモリ DDR3-1333(GeIL GV33GB1333C9TC 1GB×3/9-9-9-24)
HDD WD3200AAJS-B4A(320GB/7200rpm/8MB)
OS Windows Vista Ultimate(SP1) 32ビット版

 評価に用いたベンチマークテストも、Radeon HD 4890のレビューと共通にした。具体的にはFeaturemarkの3DMark06、3DMark Vantage、Crysis War Head、Far Cry2、Unreal Tournament 3。3DMark VantageとUnreal Tournament 3はPhysXに対応したタイトルだが、今回もこの機能をオフにして計測を行った。ただし、ゲームをプレイする上で十分なパフォーマンスを持つGPUとPhysX対応タイトルの組合せであれば、PhysXを有効とすることでよりリアルな描画が楽しめることを付記しておく。

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