ゴールデンウィーク商戦を前に各ショップがキャンペーンの準備を着々と進めている。そこで今回は、新製品情報を収集するとともに連休まで待つべきパーツとそうでないパーツを聞いて回った。
まずは“待つべきパーツ”から。複数の店舗から指名されたのはGeForce GTX 260カードだった。ツートップ秋葉原本店は「4月末をめどに、1つ上のGeForce GTX 275搭載カードが潤沢に出回るようになります。現状ではGTX 275とGTX 260カードの価格差はそれほどないので、差別化するためにGTX 260を値下げするショップが出てくる可能性が高いと思います」と語る。
また、「1TバイトHDDの特価販売を行うショップは多いでしょう。あとはBDドライブ。内緒ですけど、ウチも6倍速書き込みタイプを思い切った価格で放出すると思います」(某ショップ)など、ドライブ関連も期待できそうだ。
一方、複雑なのは液晶ディスプレイだ。最近はアスペクト比16:9で1920×1080ドットの解像度を持つフルHD液晶が急激に値を下げている。T-ZONE.PC DIY SHOPは「キャンペーン品を含めると2万円を切るモデルも登場しています。低価格化にともなってかなりのハイペースで売れていますが、エイサーやBenQ、LG電子などの海外メーカーが勢いに乗って大量に製造しているので、ゴールデンウィーク中も潤沢な在庫が確保できると思います」と話している。
ただしフルHD液晶でも、当初主流だった1920×1200ドットタイプは生産ペースが落ち込み、価格の動きもほとんどない状況だとか。「1920×1200ドットタイプは安くても3万円前後といった状態です。多くのメーカーが1920×1080ドットパネルの製造にシフトしていることもあって在庫が少なく、ゴールデンウィークまでに在庫切れするモデルが多いと予想されますね。このように品薄で割高な状況ですが、AV用途以外で広い画面を求める人には根強い人気があるので、欲しい人は在庫を確認した時点で購入したほうがいいかもしれません。今後は、プロ仕様の高級モデルを除いて、ほとんどが1920×1080ドットタイプになるでしょうから」(同店)とのことだ。
そして“待つべきではないパーツ”だが、取材した約半数のショップが口をそろえて「SSDです」と語っていた。某ショップは「春前からある大手メーカーがフラッシュメモリ関連の部品を大量に買い占めているようで、SSDの入荷が突然厳しくなったんですよ。現在でも品薄な状況ですが、売り切れてしまったら次はいつ入るか分からないくらいです。しかも、ゴールデンウィークに間に合ったとしても、値上がりは必至。現在4万円前後で売られている某社の64Gバイトモデルは5万円前後になるという話も聞きました」と語る。
別のショップも「まずメモリカードの価格が高騰しました。次はメインメモリですが、DDR2は値上がりが始まっています。DDR3は生産量の増大もあってプラスマイナスゼロの状態ですね。そして、ゴールデンウィーク前後にはSSDの高騰が予想されます。値上がり後の価格は一過性のものではなく、生産量が十分になっても続くと思います。何しろ、今までが安すぎましたから。メーカー間で過当競争してみな疲れていたという側面もありそうです」と話していた。
ただし、すべてのSSDが高騰するわけではないとの意見もある。「インテル製SSDみたいにもとから高価なモデルは値動きしないでしょうし、工場に大量のストックがある場合はあまり影響しないはずです。そういう意味で、ゴールデンウィークはこれまでと違う価格バランスで各社のモデルがそろういい機会になると思います。そこで割安なモデルがあれば、数カ月後にもう1台買ってRAIDするにも安価で済みますからね」(あるベテラン店員氏)とのことだ。
これらの傾向を踏まえたうえで、TSUKUMO eX.が最後の秘策を伝授してくれた。「パーツ全体の動向を把握することに加えて重要なのが、アキバに来る前に各店舗のブログをチェックすることです。公式サイトのトップでは紹介できないような激安商品を掲載していたり、ひとりの店員が勢いで始めるキャンペーンの情報が拾えますからね。特に今年は際だった注目パーツがあるわけではないので、そのぶん独自の特価セールに力を注ぐショップが多いと思います」という。
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