富士通の「FMV-DESKPOWER F」シリーズは、19型ワイド液晶ディスプレイもしくは16型ワイド液晶ディスプレイを搭載した一体型デスクトップPCだ。薄型のPC本体にステンレス製の円形フットとパイプ状のアームを組み合わせたボディデザインを採用し、省スペースとデザインに注力している。
4月23日に発売予定の夏モデルは、店頭販売向けの製品ラインアップが拡充され、19型ワイド液晶搭載機が従来の1モデルから3モデルに増えた。2009年春モデル「F/C70D」の後継となるテレビ機能搭載の中堅機「F/D70D」に加えて、Blu-ray Discドライブとテレビ機能を備えた上位機「F/D90D」と、テレビ機能を省いた下位機「F/D60」が用意されている。価格はオープンで、実売価格はF/D90Dが22万円前後、F/D70Dが20万円前後、F/D60が17万円強の見込みだ。3モデルともホワイトのボディカラーを採用している。
なお、16型ワイド液晶搭載の下位機については、ボディーカラーがホワイトの「F/C50T (FMVFC50TW)」とブラックの「F/C50T (FMVFC50TB)」が継続販売されるため、店頭販売向けのラインアップは合計5モデル(2モデルはカラーの違いのみ)だ。
F/D70Dは2009年春モデルと比べて、CPUのCore 2 Duo(FSB 1066MHz/2次キャッシュ3Mバイト)をP8400(2.26GHz)からP8700(2.53GHz)に、PC3-8500対応DDR3 SDRAMのメインメモリを2Gバイト(1Gバイト×2)から4Gバイト(2Gバイト×2)に、回転数7200rpmのSerial ATA HDDを500Gバイトから1Tバイトに強化した。グラフィックス機能のIntel GMA 4500MHDを統合したIntel GM45 Expressチップセットと、スロットイン式のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブに変更はない。
テレビ機能も従来通りで、地上デジタル放送用のテレビチューナー1基とテレビ視聴・録画ソフト「DigitalTVbox」を搭載している。ダビング10に対応するが、「FMV-TEO」や「FMV-DESKPOWER LX」が装備するハイビジョン映像の長時間録画機能は備えていない。
F/D90Dは、F/D70Dの光学ドライブをスロットイン式のBlu-ray Discドライブに変更したハイスペックモデルだ。シリーズ初のBDドライブ搭載機で、1層BD-Rに最大4倍速、2層BD-Rと1層/2層BD-REに最大2倍速で記録できるほか、DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブとしても扱える。これにより、録画したダビング10対応のテレビ番組をハイビジョンのままBDメディアに書き出せるようになった。BD-REやDVD-RAM/DVD-RWに保存した番組は、付属のオーサリングソフト「DVD MovieWriter」でオンディスク編集が行える(F/D70DはDVD-RAM/DVD-RWに保存した番組のオンディスク編集のみに対応)。
F/D60は、F/D70Dからテレビチューナーを省き、HDD容量を500Gバイトに抑えた19型ワイド液晶搭載のエントリーモデルだ。光学ドライブはスロットイン式のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブを内蔵している。
ボディのデザインは従来機を引き継いでおり、3モデルとも本体サイズは465(幅)×211(奥行き)×391(高さ)ミリ、重量は約11キロだ。1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/n(11nはドラフト2.0準拠)の無線LAN、有効約130万画素のWebカメラ、5基のUSB 2.0、4ピンのIEEE1394、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO対応スロット、音声入出力を備えている。付属のワンタッチボタン付きキーボードと横スクロール機能付き光学式マウスは無線方式だ。
いずれもプリインストールOSは32ビット版のWindows Vista Home Premium(SP1)、オフィススイートはOffice Personal 2007(SP1)を採用する。そのほか、HDD内にあるAVCHD形式のハイビジョン映像をフォルダ/日付/評価から検索して再生できるプレーヤーソフト「CyberLink AVCHD Player」、高音質化技術の「MaxxAudio」が追加された。また、写真管理・再生ソフト「マイフォト」が写真の縦位置自動判別機能に対応している。
なお、同社直販の「WEB MART」では、購入時に仕様を選べるカスタムメイドモデルも販売する。春モデルに用意されていた交換用のスピーカーパネルは省かれたが、2Gバイト(1Gバイト×2)のメインメモリや750GバイトのHDD、無線LANモジュールの排除、Office Personal 2007 with PowerPoint 2007(SP1)の搭載といった店頭モデルにないスペックを選択可能だ。
FMV-DESKPOWER F店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
FMV-DESKPOWER F | F/D90D | 液晶一体型 | BDドライブ搭載の追加モデル | Core 2 Duo P8700(2.53GHz) | 4096MB(DDR3) | 1TB | Home Premium(SP1) | 22万円前後 |
F/D70D | 液晶一体型 | マイナーチェンジ | Core 2 Duo P8700(2.53GHz) | 4096MB(DDR3) | 1TB | Home Premium(SP1) | 20万円前後 | |
F/D60 | 液晶一体型 | テレビを省いた追加モデル | Core 2 Duo P8700(2.53GHz) | 4096MB(DDR3) | 500GB | Home Premium(SP1) | 17万円強 | |
F/C50T (FMVFC50TW) | 液晶一体型 | 継続販売 | Core 2 Duo P8400(2.26GHz) | 2048MB(DDR2) | 320GB | Home Premium(SP1) | 14万円前後 | |
F/C50T (FMVFC50TB) | 液晶一体型 | 継続販売 | Core 2 Duo P8400(2.26GHz) | 2048MB(DDR2) | 320GB | Home Premium(SP1) | 14万円前後 | |
FMV-DESKPOWER F店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
FMV-DESKPOWER F | F/D90D | 19型ワイド | 1440×900 | Intel GM45 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | チップセット内蔵 | 地デジ | 約11キロ |
F/D70D | 19型ワイド | 1440×900 | Intel GM45 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | 地デジ | 約11キロ | |
F/D60 | 19型ワイド | 1440×900 | Intel GM45 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | − | 約11キロ | |
F/C50T (FMVFC50TW) | 16型ワイド | 1366×768 | Intel GM45 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | 地デジ(WMC) | 約5.5キロ | |
F/C50T (FMVFC50TB) | 16型ワイド | 1366×768 | Intel GM45 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | 地デジ(WMC) | 約5.5キロ | |
※F/C50T(FMVFC50TW)はホワイト、F/C50T(FMVFC50TB)はブラックのカラーを採用 |
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