PC USER Pro

ナナオ、“人感センサー”で省電力化した20/23型ワイド液晶ディスプレイ離席と着席に画面のオン/オフが連動

» 2009年04月21日 15時00分 公開
[ITmedia]

環境と作業者への負担軽減を追求した2つの新モデル

 ナナオは4月21日、20型ワイド液晶ディスプレイ「FlexScan EV2023W-H」と23型ワイド液晶ディスプレイ「FlexScan EV2303W-T」を発表した。これらは環境と作業者への負担を軽減する設計コンセプト「EcoView」を追求した製品で、人感センサーなどの省電力機能をはじめ、可動範囲が広い新スタンドと薄型軽量の新デザイン、アスペクト比16:9の液晶パネルを同社としては初めて採用し、最新の環境規格にも適合している。

 発売日はどちらも5月21日の予定。価格はオープンで、同社直販サイト「EIZOダイレクト」での価格はEV2023W-Hが3万7800円、EV2303W-Tが4万4800円だ。製造は国内で行い、ガンマ特性と人感センサーの精度を1台ずつ調整して出荷する。保証期間は5年間だ。

左が20型ワイド画面の「FlexScan EV2023W-H」、右が23型ワイド画面の「FlexScan EV2303W-T」。写真のカラーはどちらもセレーングレーで、ブラックのカラーも用意される。画面下のフレーム中央にあるのが、人感センサーだ

離席と着席をパワーセーブに連動させる人感センサー「EcoView Sense」

 最大の特徴は、ユーザーの離席時に自動でパワーセーブへ移行し、席に戻ると自動で復帰する赤外線の人感センサー「EcoView Sense」を新たに開発して実装したことだ。「距離判定」「ゆらぎ判定」「静物判定」という独自の3つのアルゴリズムを用いて、離席と着席の検知精度を高めた。これにより、スムーズな電源オフ/オンを実行し、消費電力の低減とバックライトの劣化抑制を図る。

「距離判定」のアルゴリズムにより、ユーザーがディスプレイから120センチ(90センチの設定も可)離れると、自動でパワーセーブに移行し、近づくと復帰する(写真=左)。測定距離が限界値を超える動きには反応しないため、電源オンの誤動作が防げる。距離判定が効かない狭いオフィスなどでは、「ゆらぎ判定」のアルゴリズムが有効で、ユーザーが一定のゆらぎ範囲を超えた場合、自動でパワーセーブモードに移行する(写真=中央)。ユーザーの位置とゆらぎ範囲は、電源オン時やセンサーオン時、設置方向の設定変更時に自動検出して設定する仕組みだ。「静物判定」のアルゴリズムはご認識を防止するための機能で、1分間動きがない場合は静物と判定されて自動でパワーセーブモードに移行する(写真=右)。動きの少ないユーザーを静物判定で誤認識しないように、電源オフの前には画面に警告アイコンが表示され、アイコン表示中はコントラストが少し下がる

 また従来機と同様に、内蔵の外光センサーを利用し、周囲の明るさに応じて画面輝度が最適になるように自動調整する「Auto EcoView」や、ボタン1つで画面輝度に応じた消費電力の度合いをグラフ表示する「EcoView Index」といった消費電力の低減機能も備えている。

スタンドの可動域と省スペース、省エネに注力

 スタンドは2つのモデルで異なる。EV2023W-Hは業界最大級となる225ミリの昇降に対応したFlexStand(フレックススタンド)を用いており、上30度のチルト、左右で各172度のスイベル、右回り90度の縦回転に対応する。スタンドを含む本体サイズは476(幅)×219〜236(奥行き)×315.4〜498(高さ)ミリ、重量は約6.7キロだ。

 EV2303W-Tは3つの動きに対応したTriStand(トライスタンド)を搭載。上25度のチルト、左右で各172度のスイベル、60ミリの昇降が可能だ。スタンドを含む本体サイズは547(幅)×200(奥行き)×382〜442(高さ)ミリ、重量は約5.3キロとなっている。

左がEV2023W-HのFlexStand、右がEV2303W-TのTriStand。FlexStandは設置面ギリギリまで画面を下げられる

 ボディのデザインについては、いずれも筐体内部の板金などを省きつつ強度を保つ工夫により、大幅な薄型化と軽量化を実現した。梱包(こんぽう)箱もコンパクト化している。また、2009年3月に発表されたオフィス機器の安全性、エルゴノミクス、電磁界放射、省エネ、環境に関する国際規格の「TCO Display 5.0」に世界で最も早く適合したほか、ナナオの液晶ディスプレイでは初めて環境ラベルの「EPEAT GOLD」に適合する。

新設計により薄型化と軽量化、パッケージのコンパクト化も進めた

アスペクト比16:9の高解像度ワイドパネルを採用

電源と入力端子は液晶パネル部の背面に配置されている。背面には「EIZO」ロゴが多数刻印され、デザインのアクセントになっている

 EV2023W-Hは、1600×900ドット表示/アスペクト比16:9の20型ワイド液晶パネル(VA方式)を搭載する。輝度は250カンデラ/平方メートル、コントラスト比は3000:1、応答速度は黒→白→黒で25ms、視野角は水平/垂直ともに178度だ。

 EV2303W-Tは、1920×1080ドット表示/アスペクト比16:9の23型ワイド液晶パネル(TN方式)を装備。輝度は250カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1、応答速度は黒→白→黒で5ms、視野角は水平/垂直ともに160度だ。

 どちらも最大表示色は約1677万色(8ビット対応)で、色再現性を高める10ビット内部演算処理と10ビットルックアップテーブルを内蔵するほか、ユーザーに向けて斜めに音を出力する450ミリワットのモノラルスピーカー、DVI-DとアナログD-Subによる2系統の映像入力、ステレオミニの音声入力とヘッドフォン出力を備えている。

 消費電力については、EV2023W-Hが最大で40ワット、標準で25ワット、EV2303W-Tが最大で33ワット、標準で18ワットだ。節電時の消費電力は変わらず、パワーセーブ時で0.7ワット以下、待機時で0.25ワット以下、1次スイッチオフで0ワットとなっている。画面サイズが小さいEV2023W-Hのほうが消費電力が大きいのは、液晶パネルの特性による。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  5. QualcommがPC向けSoC「Snapdragon X Plus」を発表 CPUコアを削減しつつも圧倒的なAI処理性能は維持 搭載PCは2024年中盤に登場予定 (2024年04月25日)
  6. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  7. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  8. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  9. AI PC時代の製品選び 展示会「第33回 Japan IT Week 春」で目にしたもの AI活用やDX化を推進したい企業は要注目! (2024年04月25日)
  10. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー