コーレルは4月21日、デジタルペインティングソフトの最新版「Corel Painter 11」を発表した。Painterがメジャーバージョンアップするのは、2007年4月に発売された「Corel Painter X」以来で、約2年ぶりとなる。主なターゲットは、アマチュアおよびプロフェッショナルのアーティストやデザイナー、フォトグラファー、漫画家、イラストレーター、デザイン学校関係者などだ。
製品ラインアップは下表の通りで、5月22日に発売する。Windows PCの動作条件は、OSがWindows XP/Vista、CPUがPentium 4以上、Macの動作条件は、OSがMac OS X 10.4〜10.5、CPUがPowerPC G5以上だ。いずれも、メモリは1Gバイト以上、HDD空き容量は500Mバイト以上、ディスプレイは解像度が1024×768ドット以上とされている。
Painter 11の製品ラインアップ | ||
---|---|---|
配布形態 | バリエーション | 価格(税込み) |
パッケージ | 通常版 | 6万2790円 |
アップグレード版 | 3万1290円 | |
特別優待版 | 5万2290円 | |
アカデミック版 | 3万3390円 | |
ダウンロード | 通常版 | 5万2290円 |
アップグレード版 | 3万1290円 | |
Painter 11ではユーザーからのフィードバックを基に、再現性に注力した新ブラシの追加をはじめ、カラーマネジメント、カラー/ミキサーパレット、選択ツールなどの機能強化、パフォーマンスや互換性の向上などを行った。
ブラシは鉛筆、チョーク、マーカーなどを新たに40種類追加し、合計で873種類となった。鉛筆とチョークではタブレットの傾き検知に対応し、ペンの角度を変えることで、ペンの先端で描いたような細い線や、斜めに倒して描いたような陰影のある線が表現できる。マーカーは実際のマーカーと同じように、1回ペン先を離してから再度ペンで描くことで色を重ね塗りすることが可能だ。ペンには、動きを速くするとストロークが細くなり、遅くするとストロークが太くなる、移動速度による制御機能も備わっている。
また、ブラシコントロールに追加されたハードメディアパレットから、独自のハードメディアバリアントを作成可能になった。これにより、傾きや描点のサイズ、傾き角度などをプレビューして微調整しながら、独自のブラシにカスタマイズできる。
カラーマネジメント機能は見直され、Photoshopなどで作成したファイルの読み込み時にカラープロファイルを認識したり、個別のカラープロファイルをRIF、PSD、TIFの各形式で埋め込むことが可能になった。これにより、アプリケーション間でのカラーマッチングがしやすくなっている。
インタフェースでは、カラーパレットとミキサーパレットの拡張機能が追加された。各パレットは自由に拡大できるため、微妙な階調の色を選択しやすい。ミキサーパレットは拡大すると上部に表示されるカラータイルが増える。選択ツールも強化され、領域選択の精度や操作性、レスポンスを高めたという。また、移動、拡大/縮小、回転、傾斜などの変更モードを1つのツールに一体化して使いやすくしたほか、レイヤーの全コンテンツを変形するか、レイヤー内で選択したコンテンツのみを変形するか選べるようになった。
パフォーマンスの最適化や互換性の向上も行われた。インテル製CPU搭載Macではブラシの速度が最大30%向上するとしている。また、PainterとPhotoshop間でファイルをやり取りする場合、カラーとレイヤーが保持される。ワコムのペンタブレット製品の全モデルをサポートし、最新モデル「Intuos4」利用時には強化された筆圧レベルを生かした繊細な描画も行えるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.