大型連休はミニノートPCで中国人と親密になる山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/2 ページ)

» 2009年04月27日 17時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

 中国におけるデジタル一眼レフカメラのステータスは、少し昔の日本における外車に等しかったりする。この辺りの事情はこちらの「中国人が「携帯電話で撮影しない」理由」で紹介したとおりだが、それじゃ、中国でデジタル一眼レフカメラを首から下げている日本人が「この人は偉い人なんだ」と思われることはあっても、「おおぉ、すごいっ! これ、なに?なに!」と語りかけられることはない。

 新しい物好きで好奇心旺盛の中国人と、日本が誇る“デジモノ”で「これ、なに?なに!」をきっかけに親密になるのはそう難しいことではない。ただ、中国人の好奇心をピンポイントで刺激する“デジモノ”の選択が難しいかもしれない。この大型連休に中国へ向かう日本人に、「まず間違いなく中国人が思わず声をかけてしまう“デジモノ”」を紹介しよう。

スタイルがいいソニーやアップルなどの“ブランドモノ”ノートPCは、「中国国内でまだ出荷されていない」のに、ガジェットショップで販売されていたりする

“デジカメでコミュニケーション”は過去の話。友達を作るならミニノートPCだ

aigoが開発したAtom Z500シリーズ搭載のMID「MID P8888」など、中国のPCメーカーも小さいデバイスを開発しているが、その実機を店頭で見ることはない

 ミニノートPCを見た中国人はまず例外なく驚く。街歩きに疲れてベンチで一息つくなら、ぜひ、ミニノートPCを取り出して使ってみるといいだろう。すぐさま、通りがかった“多くの”中国人が興味深げに集まってきて、きっと「あなたを以前から知っていました」という感じで声をかけてくるはずだ。

 このとき、「カッコイイね! どこの?いくら?」というのが定番の質問だ(とはいえ、よくて英語、たいていの場合は中国語。渡航する前に、定番質問の回答を用意しておくと、その後の会話も盛り上がる、かも)。筆者が中国を訪れたばかりのころに、集まってきた子供たちが、筆者のVAIO type Uを見ると「ゲームしているの?」と聞きながら本業(悲しいかな、観光客に物を乞うことを生業とする子どもが、たくさんいたのだ)を忘れて画面に見入っていたのを、今でも強烈に覚えている。

 もちろん、VAIO type PやVAIO type U以外にも、中国企業の方正(Founder。そのラインアップはこちらの“飛越”して“天瀑”──中国第2位PCメーカー「方正」ラインアップも面白いを参照のこと)や、愛国者(aigo)などからミニノートPCが発売されているが、中国のメディアで紹介される頻度こそ日本の製品と中国の製品はほぼ等しいものの、ほとんどの中国人PCユーザーはミニノートPC現物を見たことがない。

 日本なら、ミニノートPCの発売当日には家電量販店で新製品が大量に展示されて、多くの来場者が実機を見て触れて確かめることができるのに、中国の大型家電量販店では新製品の発売日であってもまず実機を展示することはない。せいぜい、数少ないメーカー代理店で目立つことなくひっそりと売られている程度なのだ。低価格で注目されたVAIO type Pでさえも、中国国内での発売がソニーから発表されているのに、大都市にある電脳街のソニー専門店を奥の奥まで探さない限り、実機を見ることはできない。

 デスクトップPCでいえばタワー型PC、ノートPCでいえばサブノートPC以上のサイズのPCが、中国人が認識しているPCの姿であって、薄型軽量でスタイルのいいミニノートPCは、よほど労力をかけて捜さない限り実物を見ることができない。そういうわけで、多くの中国人には、海外から来た観光客が使っているミニノートPCが「見たこともない未来の機械」に見えるのだ。

 そういう「未知なる機械」は、高級なモノを所有することで自分をよく見せようと思う中国人に羨望の的で、なんとしてでも自分も購入したいと熱望することになる。だからこそ、自分の目の前で使っている海外の観光客に製品名以上に、売っている場所と価格を聞き出すことが重要であったりする。

“小さいガジェット”という意味では、PSPやニンテンドーDSで遊んでいれば、中国人の子どもが「ぴーえすぴー!」「えぬでぃーえす!」(これは、中国でも発音そのまま)と連呼しながら集まってくる。ここで、中国でも人気のある「クレヨンしんちゃん」関連のゲームタイトルを取り出すのも一興だが、通信対戦で盛り上がるも効果的だ。「おいおい、線でつながっていないのに対戦してるいるヨ! どうなってんだヨ? すげーヨ!」と歓声があがるのは間違いない。

このように、中国でも積極的にプロモーションを展開しているVAIO type Pだが、その実物を目にする中国人は、ごくごく限られていたりするのだ

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