Netbookよりいいかもしれない――「Eee Top」をいじり倒すAtom搭載の低価格ボードPC(2/3 ページ)

» 2009年04月29日 16時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

快適なタッチスクリーン操作

タッチスクリーン機能は指でもスタイラスでも操作できる

 液晶ディスプレイはタッチスクリーンに対応しており、指や付属のスタイラスで直接画面に触れて操作できる。「Easy Mode」という大きなアイコン表示のシェルソフトも付属しており、指でのタッチでも誤操作の心配なく扱える。スタイラスは、使わないときはキーボード内にスマートに収納できるようになっている。これはあくまでも指での操作をフォローするためのもので、手のひらを画面につけてスタイラスでじっくりと絵を描くようなことはできない(手のひらでのタッチにも反応してしまう)。

 タッチ操作に対応したアプリケーションも豊富にプリインストールされており、手書きのメモを覚え書きのように残しておける「Eee Memo」、タッチ操作で写真や動画などを再生できる「Eee Cinema」、日本語/英語の手書き認識のほかソフトウェアキーボードにも対応する入力ツールの「Soft Stylus」、タッチ操作に対応したWebブラウザの「Opera Touch」、Webカメラの映像に手書きの文字や図形を合成できる「Eee Cam」などがある。

 入力ツールのSoft Stylusは認識精度、操作性ともになかなか良好で、Windows Vistaの「Tablet PC入力パネル」の洗練度には及ばない印象を受けるものの、操作に慣れれば十分実用的に使えると感じた。ランチャーツールの「Eee Bar」を常駐させておけば、起動も楽に行なえて、使わないときは画面の左右に隠れてくれる。

アイコン表示が大きく、太い指でも余裕をもって操作できる「Easy Mode」。アプリケーションはカテゴリー別に登録されており、画面上部のタブを切り替えて表示させる仕組みだ

手書き入力ツールの「Soft Stylus」は日本語入力の認識にも対応している(写真=左)。Windows Vista標準の「Tablet PC入力パネル」に慣れていると、メインの入力スペースが一文字分しかない点が窮屈に感じるが、ちょっとした検索ワードの入力程度なら十分実用的に使える。ソフトウェアキーボードのサイズは自由に変更することができる(写真=中央)。「Eee Memo」を使えば、手書きの文字を家族で使う伝言板のように残しておける(写真=右)

ランチャーツールの「Eee Bar」は、Windows Vistaの「Tablet PC入力パネル」のように使わないときは画面の左右に隠れる(写真=左/中央)。表示が消えるまでの時間など、表示の仕方はカスタマイズできる(写真=右)

Eee Managerからアクセスできるタッチスクリーンの設定画面(写真=左)。デフォルトでは画面に一定時間触れていると右クリックメニューが開くようになっている。タッチ機能を無効にすることもできる。メニューの背景は変更可能だ(写真=中央)。タッチスクリーン機能を活用したオリジナルのミニゲームなども収録されている(写真=右)

パフォーマンスは平凡も静音性は特筆できる

 PC USERで定番のベンチマークテストも行った。実施したのは、PCMark05 1.2.0、3DMark06 1.1.0、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3といった3つのテスト。低価格ミニノートPCの標準的なシステムを採用しているだけに、パフォーマンス面はごく平凡だ。動作のレスポンスなどはAtom N270搭載Netbookとほぼ変わらない。

左からPCMark05、3DMark06、FFベンチ3の結果

 一方、動作音の静粛さは特筆できる。アイドル時、負荷時ともに天面の排気口に耳を近づけるとかすかに音が聞こえる程度の動作音しかしない。液晶ディスプレイ正面から20センチの距離に騒音計を置いて測定したところ、暗騒音に対して1dB上昇するかしないかといったあたりで、ほとんど無音といっていい使用感だった。Netbook用のシステムをそれより大きいボディに収めているので、放熱や静音の設計には余裕がある。

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