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» 2009年05月03日 13時18分 UPDATE

5分で分かった気になるアキバ事情:ハイスペックと“エコ”のあいだでトレンドが揺れた4月のアキバ (1/2)

「Phenom II X4 955 Black Edition」や「Radeon HD 4890」などのハイエンドパーツが注目を集めた4月。一方で省電力版GeForce 9600 GTカードが人気を集めるなど、エコ仕様のモデルが好調に売れていた。

[古田雄介,ITmedia]

「Phenom II X4 955 Black Edition」&「Core i7 920」新リビジョン登場

og_akibam_001.jpg AMD「Phenom II X4 955 Black Edition」

 CPUはハイエンドクラスで新製品が登場した。4月24日、Phenom IIの最上位であるPhenom II X4 955 Black Editionがデビューし、大型連休を前に順調な滑り出しを見せている。

 Phenom II X4 955 Black Editionは、6Mバイトの3次キャッシュを搭載する3.2GHzのクアッドコアCPUで、価格は2万7000円前後。ソフマップ秋葉原本店は「Phenom II全体でトップのパフォーマンスを誇るうえ、シングルスレッド単位でもPhenom II X3 720 Black Editionを上回っています。Socket AM3モデルが登場して以来、待たれていた正真正銘の最強モデルといえますね」と語る。

 AMDは“最強CPU”の登場を受けて、4月29日にユーザーイベント「AMDグリーンの真髄」を実施。イベント内で、日本AMDの土居憲太郎氏は「単に性能が高いだけでなく、アイドル時の消費電力が低いのもポイントです」と、ほかのBlack Editionとの動作クロック別の消費電力を紹介した。「Phenom II X4 955 Black EditionはTDP68.9ワットで2.1GHz動作しました。対するPhenom II X3 720は2.1GHz時に72.6ワットあります。また、アイドル時の消費電力も、これまでのBlack Editionに比べて10%以上低く抑えているなど、エコな仕様でもあるんです」という。

 一方、インテル陣営では4月初旬から新ステッピングの「Core i7 920」が人気を集めている。従来のC0ステッピングからD0ステッピングへと移行し、表向きの主な仕様変更はないが、オーバークロック耐性が向上したと評判だ。ドスパラ秋葉原本店は「D0ステッピングを指名される方がたくさん来られました。ただ、ウチはすでにC0の在庫はなくなっているので、モデル指定だけでD0が買えますよ」とのこと。

 なお、好調に売れる背景には、2万円前後で6基のDDR3メモリスロットを備えたMSI「X58M」といった安価なX58マザーが登場したこともあるようだ。「Core i7の性能の高さは広く知れ渡っています。発熱量をあまり気にしない一般ユーザーにも人気があるので、2万5000円以下のX58マザーとセットで購入される人は多いですよ」(T-ZONE.PC DIY SHOP)。

og_akibam_002.jpgog_akibam_003.jpgog_akibam_004.jpg 「AMDグリーンの真髄」で軽妙なトークを繰り広げた土居氏と司会の佐藤氏(写真=左)。インテル「Core i7 920」のD0ステッピング版(写真=中央)。MSI「X58M」(写真=右)

「Radeon HD 4890」&「GeForce GTX 275」の3万円グラボ対決

og_akibam_005.jpg 4月2日、複数メーカーのRadeon HD 4890カードが各ショップに並んだ

 4月初旬に注目を集めたのは、RADEONのシングルコア最上位となる「Radeon HD 4890」搭載カードだ。リファレンスモデルはコアクロック850MHzで、GDDR5メモリを1Gバイト搭載し、6ピンの補助電源コネクタを2個搭載している。消費電力は60〜190ワットと、旧最上位のHD 4870よりも上下に30ワットずつ広がっているのも特徴だ。

 複数のショップからは「最上位モデルということである程度人気がありますが、HD 4870のオーバークロック仕様といった側面があり、大ヒットとはいかないようです」との評価を聞いた。しかし、先述の「AMDグリーンの真髄」で、土居氏は「アイドル時の消費電力が抑えられており、高性能ながらゲームをしない普段使いのときには意外と省電力です。だから、単なるクロックアップモデルではないんですよ」と語っている。価格は3万円前後が中心となる。

 ライバルのNVIDIA陣営からも、やや遅れて3万円前後のグラフィックスカードが登場。搭載するGPUは「GeForce GTX 275」で、シングルコア最上位となるGTX 285のひとつ下の位置づけとなる。「ゲームによってはGTX 285を上回るか匹敵するパフォーマンスが得られるようです。それでいて3万円前後と手を出しやすい価格なので、前評判は高いですね」(ツートップ秋葉原本店)と4月初旬からヒットが期待されていたが、「消費電力が最大219ワットと高めなのがネック。これから暑くなるので、敬遠するユーザーも出てくると思います」(パソコンショップ・アーク)との声も同時に聞かれた。

 ライバル社による近い価格帯のグラフィックスカードが同時期に登場するとあって、正面対決で盛り上がる期待も大きかったが、5月初旬現在、どちらもブレイクには至っていない様子だ。某ショップは「どちらもぼちぼちの売れ行きということで、引き分けです。ともに既存のラインアップとの差が出にくいところがあり、あえて購入したいというユーザーが増えなかったのが原因でしょう。ただ、新規にゲームマシンを組みたいという人には評判がいいです。電力を気にするならRadeon HD 4890、決められた予算で少しでも高い性能を目指すならGeForce GTX 275といった選び方がベターでしょう」と話していた。

og_akibam_006.jpgog_akibam_007.jpgog_akibam_008.jpg ドスパラ秋葉原本店で販売していたRadeon HD 4890カードの茶箱。2万5000円台という破格のため、こちらは発売早々にヒットしていた(写真=左)。GeForce GTX 275搭載のオーバークロックモデルInnoVISION「Inno3D N275-1DDD-H3IYX」(写真=中央)。リファレンスデザインを採用したInnoVISION「Inno3D N275-1DDD-H3IY」は約2000円安く出回っている(写真=右)

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