システムの構成はBTOで柔軟にカスタマイズできる。CPUについては前のページで触れた通りで、メモリはPC2-6400 DIMMに対応し、最大容量は4Gバイトだ。BTOでは2Gバイト(1Gバイト×2)、4Gバイト(1Gバイト×4)、4Gバイト(2Gバイト×2)の3種類の構成が用意されている。HDDはSerial ATAインタフェースの7200rpm製品を採用しており、320Gバイト/640Gバイト/1Tバイトの3種類から選べる。2.5インチ/3.5インチの外付けHDD(USB 2.0接続)を追加することも可能だ。
グラフィックス機能は、GeForce 9300 GE搭載カード(グラフィックスメモリ256Mバイト)とRadeon HD 4350搭載カード(グラフィックスメモリ512Mバイト)の2種類が用意されており、チップセット内蔵のグラフィックス機能は選択できない。どちらもMPEG-4 AVC/H.264のハードウェアデコードを含むHD動画再生支援機能をサポートしており、Blu-ray DiscなどのHDコンテンツを低いCPU負荷で再生できる。
また、両者ともにDVI-IとHDMI端子を標準で備え、DVI-IからアナログD-Subへの変換アダプタも付属するが、9300 GEのほうはDVI出力がシングルリンクのため、表示可能な画面解像度は1920×1200ドット(60Hz)が上限となる。
光学ドライブは、DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブと、BD-ROMドライブ、BD-REドライブの3種類から選択できる。いずれもSerial ATAインタフェースを採用し、ディスクのレーベル面にレーザーを使ってイメージをプリントできる「Light Scribe」に対応するのが特徴だ。
評価機が搭載しているBD-REドライブは、BD-ROMの6倍速読み出し、BD-Rの4倍速書き込み、BD-REの4.8倍速書き換えに加えて、DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブとしての機能も持つ。ちなみに、DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブとの価格差は、BD-ROMドライブで6300円、BD-REドライブで1万3650円となっている。
通信機能は、マザーボードオンボードの有線LAN機能を利用するが、対応規格は100BASE-TXにとどまる。BTOではIEEE802.11b/g/n(11nはドラフト)対応の無線LANカード(PCI Express x1)を追加可能だ。サウンドはマザーボード標準のHDオーディオ機能で、アナログ8ch出力、光デジタル音声出力(同軸)に対応している。
キーボードとマウスは、PS/2接続タイプとワイヤレスタイプ(5250円)の2種類が用意されている。ワイヤレスタイプの場合、USBポートに小さなレシーバーを装着して使う。また、ワイヤレスリモコンも標準で付属する。そのほか、各種ワイド液晶ディスプレイやダブル地デジチューナーカードも選択できる。
v7860jp/CTのパフォーマンスはどれほどなのか、ベンチマークテストの結果を見てみよう。テストに利用した評価機は、Phenom II X4 925(2.8GHz/3次キャッシュ6Mバイト)、PC2-6400 4Gバイト(2Gバイト×2)、Radeon HD 4350(512Mバイト)、HDD 1Tバイト(Seagate ST31000340AS)、Windows Vista Home Premium(SP1)といった構成である。
まずWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアだが、実に優秀で、CPU、メモリ、HDDで最高スコアの5.9をマークした。PCMark05 1.2.0では、CPUで8401というスコアが出ている。これはCore 2 Quad Q9450(2.66GHz)を搭載した同社の「HP Pavilion Desktop PC m9380jp/CT」に近い数字だ。Phenom II X4の性能は総合的に見て133〜200MHzクロックの低いCore 2 Quadと同等というのが1つの目安としてあるが、この結果もそれに当てはまる。ほかの項目も弱点のないバランスのとれたスコアといえる。
DirectX 9.0c対応ベンチマークテストである3DMark06 1.2.0のスコアからすると、Radeon HD 4350ではDirectX 9以降に対応した本格的なゲームタイトルをプレイするには少々つらいだろう。一方でFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアは優秀で、この世代(DirectX 8.1世代)のゲームならば問題なくプレイできそうだ。
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