キーボードは縦横のキーピッチが17ミリの主要キーと、中央に配置するスティックポインタで構成する。深めに確保した2.5ミリのキーストロークや「け」「む」「め」「ろ」などの端のキーも縮小されず、1段下げられたカーソルキー、ちょうど中央に配置した幅50ミリのスペースキー、4つごとに区切られたファンクションキーを含めてNetbookなどで感じる窮屈さはなく、大きな違和感なく入力できる。スティックポインタは左右のマウスボタンとスクロールボタン備え、スクロールボタン+カーソルでスクロール機能を利用できる。
キーボードの下に基板類はなく、VAIO type Pのようなパームレストのないデザイン(手のひらを、ボディでなく机に置いて使用するスタイル)なので、発熱部品による「熱さをほぼ感じない」のがポイントだ。キーボードが薄いので、ボディとの段差も気にならない。CPUなどが発する熱は、水平方向に熱を伝導する特性を持つカーボングラファイトシートと放熱性がよいマグネシウムボディ全体で放熱する手法を取り入れたという。容積を要するヒートシンクや騒音源となるファンを使用しないため、駆動部品のないSSDとともに駆動音はほぼ無音となる。
タイプVSは、標準のMバッテリーで約4.1時間、オプションのLバッテリーで約8.2時間駆動する。4セルのLバッテリーはボディの後部に約20ミリ出っ張る仕様となり、重量は110グラム増となる。注文時にMバッテリーからLバッテリーへの変更でプラス4600円、Lバッテリーの追加でプラス9200円となるが、無線LANを有効にした実質の動作時間は2時間弱が目安となるので、より長時間の駆動を望むならLバッテリーも注文しておきたいところだ。
このほか、携帯に便利な薄型ACアダプタのオプション(プラス2400円)も用意する。厚さ15.9ミリの薄型ボディにウォールマウントプラグとケーブルを分離できるスタイルで使用できるのがなかなか便利で、携帯時重量で210グラム(ケーブル、ウォールマウントプラグ込み)と、標準のACアダプタ(厚さ28ミリ)より少し軽い仕様となっている。
ともあれ、VersaPro UltraLite タイプVSの基本構成価格は9万9750円(2009年7月27日までのキャンペーン価格。キャンペーン終了後は10万5000円)だ。ビジネスユーザーの業務用PCとして法人での導入はもちろんだが、Netbookでは物足りないと感じている個人のモバイルユーザーも、この軽さと薄さ、仕様と価格に「おっ、意外にどう?」と思う人は多そうだ。
次回はこの極薄軽量のボディを“剥いて”みる予定だ。
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