ASUSがこの説明会で紹介したマザーボードには、「AT3GC-I」「Crosshair III Formula」「M4A785-M EVO」など未発表のモデルが含まれており、そのほかにも、R.O.G.シリーズのマザーボードで利用できる「OC Station」が展示されていた。
「M4A785-M EVO」は、AMDがまだ発表していない「AMD RS785G」(開発コード名)チップセットとSB710の組み合わせを採用したmicro ATXマザーボードだ。Socket AM2+を搭載し、DDR2対応のメモリスロットを4基用意する。ASUSが明らかにしたスペックによるとDDR2 1200MHzまでサポートすることになっている。拡張スロットはPCI Express x16が1基、PCI Express x1が1基、PCIスロットが2基の構成だ。5ポートのSerial ATA以外にeSATAが1ポート設けられるほか、Ultra ATA/133も1基実装する。
RS785Gはグラフィックスコアを組み込んだ統合型チップセットで、ASUSが示した資料によると、グラフィクスコアは「Radeon HD 4200」(開発コード名:RV620)とされていた。DirectX 10.1とUVD 2に対応するほか、ATI Hybrid Graphicsもサポートする。プロセスルールはAMD 780Gと同じ55ナノメートル。PCI Express Gen.2スロットと12ポートのUSB 2.0、6ポートのSerial ATAが利用できる。
また、画像出力インタフェースでは、HDMI、Display Portという最新の規格にも対応するという。ASUSの計画では2009年第3四半期の出荷を予定しており、同時期にはATXフォームファクタのM4A785シリーズを、2009年第4四半期には「AMD 890FX」を搭載した「M4A89FX」シリーズを出荷する予定だ
「AT3GC-I」はデュアルコアのAtom 330を搭載したNettop向けのMini-ITXマザーボードだ。チップセットはIntel 945GC ExpressとICH7の組み合わせを採用する。ASUSが示したスペック表ではFSB533MHzに対応する。メモリスロットは1基搭載しており、DDR2 533MHzを最大 2Gバイト実装できる。拡張スロットにはPCIを1基備える。そのほか、2ポートのSerial ATAと8ポートのUSB 2.0が用意される。
「Crosshair III Formula」は、AMD製チップセットを搭載した初めてのR.O.Gシリーズのマザーボードだ。チップセットはAMD 790FXとSB750を組み合わせている。CPUはAM3対応モデルを搭載する。メモリはDDR3-1600/同1333/同1066をサポートし、最大容量は16Gバイト。このうちメモリクロック1600MHzはオーバークロック設定で対応する。拡張スロットはPCI Express x16が2基、PCI Express x1が3基、PCIが1基の構成だ。そのほか、5ポートのSerial ATAと1ポートのeSATA、Ultra ATA/133を1ポート用意する。
説明会で展示されていたサンプルボードには、従来のR.O.G.シリーズのマザーボードと同様に、目立つデザインの電源ボタンとリセットボタン、そして控えめなCMOSクリアボタンが並び、設定が異なるBIOSを保存して切り替えて起動できる「iROG」などが実装されていた。チップセットの冷却はヒートパイプでAMD 790FXとSB750、電源回路周辺部を連結したヒートシンクのみで、ファンは使われていない。
なお、展示されていたCrosshair III Formulaには、R.O.G.シリーズに対応したチューニングユニットの「OC Station」が接続されていた。OC Stationは、5インチベイ2段分のスペースに収納されるサイズに3型カラー液晶ディスプレイを搭載したもので、動作クロック、駆動電圧、ファン回転速度をリアルタイムで変更できるほか、システムステータスの表示や画像のスライドショー機能も備えるという。
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