6月2日にラインアップを一新したNECの新型Netbook「LaVie Light」。従来の春モデルは、4色のカラーバリエーションをそろえるもハードウェアスペックが共通だった。それに対し夏モデルはカラバリが3色(上位モデルのみ)に減ったものの、ハードウェアやオフィススイートの有無などで4モデルと選択の幅が広がり、全10モデルとバリエーションが豊富になった。
詳細はこちらの記事(SSD+HDDのハイブリッド仕様に生まれ変わった新型Netbook――「LaVie Light」)に譲るが、各モデルの主な仕様を下記にまとめた。簡単に述べると、春モデルのボディや画面解像度(1024×576ドット)はそのままに、ストレージを160GバイトのHDDから16GバイトSSDに変更した「BL100/TA」以外の上位モデルは、1024×600ドットの液晶ディスプレイと丸みを帯びた新デザインのボディを採用する。そのうち、最上位の「BL350」シリーズはCドライブに16GバイトSSD、Dドライブに160GバイトのHDDを搭載したハイブリッド仕様で、バッテリーも大容量の6セルを備えているのが特徴だ。一方、「BL310」と「BL300」シリーズはストレージが160GバイトのHDDのみとなり、バッテリーも3セルになるほか、BL310には「Office Personal 2007 2年間ライセンス版」がプリインストールされるのが主な違いとなる。
ここでは試作機を用いて各モデルを分解し、ラインアップを整理した。実際の製品とは異なる部分があるかもしれないが、製品を理解する一助になれば幸いだ。
新型LaVie Lightの主なスペック | ||||
---|---|---|---|---|
モデル | BL350 | BL310 | BL300 | BL100/TA |
カラバリ | パールブラック/パールレッド/フラットホワイト | フラットホワイト | ||
CPU | Atom N280(1.66GHz) | Atom N270(1.6GHz) | ||
チップセット | Intel 945GSE Express | |||
メモリ | 1GB PC2-4200(1GB DIMM×1) | |||
ストレージ | SSD16GB+HDD160GB | HDD 160GB | SSD16GB | |
グラフィックス | Intel GMA 950(チップセット内蔵) | |||
ディスプレイ | 10.1型ワイド光沢 | |||
解像度 | 1024×600ドット | 1024×576ドット | ||
有線LAN | 100BASE-TX/10BASE-T対応 | |||
無線LAN | IEEE802.11b/g/n | IEEE802.11b/g | ||
Bluetooth | Bluetooth 2.1+EDR | − | ||
バッテリー | 6セル | 3セル | ||
バッテリー駆動時間 | 約7.4時間 | 約4.2時間 | 約3.2時間 | |
ボディサイズ | W285×D205.5×H27.5〜36.9ミリ | W285×D183.5×H27.5〜29.8ミリ | W250×D176.5×H31.3〜36.5ミリ | |
重量 | 約1.32キロ | 約1.14キロ | 約1.07キロ | |
オフィススイート | − | Office 2007(2年間ライセンス版) | − | |
プリインストールOS | Windows XP Home Edition(SP3) | |||
実売価格 | 7万円前後 | 6万円前後 | 5万円前後 | |
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製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。
それでは、最上位モデルのBL350シリーズから中身を見ていこう。
BL350シリーズのバッテリーは6セル(バッテリーL)と大容量タイプだ。まずバッテリーを取り外すと、すぐにHDDが現れる。底面にある2本のネジを回すだけでSerial ATAのHDDが簡単に着脱できるのはうれしい。標準で5400rpmの容量160Gバイトドライブが搭載されており、メーカーの保証対象外となるが換装作業は容易に行える。ちなみに、ACアダプタはサイズが49(幅)×114(奥行き)×29(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの重量が約350グラムと従来モデル(つまりBL100/TAと共通)と同じサイズなのだが、出力電圧やコネクタ形状が異なるため、流用はできない。
キーボードユニットはネジ留めされておらず、液晶ヒンジ部にあるアクセスランプや電源ボタンがセットになったカバーを外すことで取り出せる。キーボードユニットの直下にハーフサイズのMini PCI Express型無線LANモジュール(IEEE802.11b/g/n対応、nはドラフト2.0準拠)があるものの、メモリスロットは見当たらない。後述するが、標準装備の1Gバイト(PC2-4200対応)モジュールは底面部分にあり、多くの分解作業が必要だ。
なお、SSDはCドライブに割り当てられている。容量16Gバイトのうち、隠しパーティションとしてリカバリ領域が約5Gバイト弱も占めており、初期状態で空き容量が約3.22Gバイトしかない(BL350シリーズの場合)。アプリケーションのインストールやデータの保存は極力Dドライブ(HDD)に行おう。
次のページではBL350/BL310/BL300シリーズのマザーボードや、下位モデルとの違いをチェックしよう
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