「Viliv S5」は、韓国Yukyung Technologies製のMID(Mobile Internet Device)。Vilivとは同社のマルチメディア製品ブランドである。Viliv S5はこれまでに韓国、香港、北米で販売され、小型軽量のモバイルマシンを好むユーザーの間で話題となっている製品だ。国内では海外製品を直輸入して販売しているサイトなどで購入できる。
こうしたサイトでは通常、海外版のOSを搭載しているのが難点だが、6月26日にはブルレー(BRULE)が日本語版のWindows XP Home Editionをプリインストールしたモデルの取り扱いを発表した。ブルレーで購入した場合、独自の製品保証とサポートが受けられるのもポイントだ。今後は日本の一般ユーザーでも手が届きやすくなるだろう。
ブルレーでの販売開始は近日中で、予価は6万9800円という。今回はいち早く同社から評価機を入手したので、写真とともに製品概要をお届けしよう。
ひとくちにMIDといってもボディの形状や操作系はさまざまだが、Viliv S5はキーボードを搭載せず、タッチパネル付きの1024×600ドット表示対応4.8型ワイド液晶ディスプレイと画面周囲のボタンを使って操作するスタイルだ。
キーボードがないだけに、本体サイズは154(幅)×84(奥行き)×24.4(高さ)ミリ、重量は約436グラムと小型軽量に仕上がっている。Yukyung Technologiesの製品紹介ページには“Real Pocket PC”のキャッチフレーズが踊り、「VAIO type P」のようにジーンズのバックポケットに本機を収納したイメージ写真も掲載されているが、これでもポケットに入れるには少し大きい。とはいえ、Windows XP搭載PCとしてはかなりコンパクトだ。
基本スペックは、Menlowの開発コード名で知られるインテルのMID(Mobile Internet Device)/UMPC向けプラットフォームを採用。CPUはAtom Z 520(1.33GHz)、チップセットはグラフィックスコアのIntel GMA 500を内蔵したIntel System Controller Hub(SCH) US15Wだ。
メインメモリはDDR2の1Gバイト(増設不可)、データストレージは32GバイトのSSDを搭載する。ブルレーが最初に発売するViliv S5は60GバイトHDD(1.8インチ)を内蔵したモデルだが、SSDモデルも選択可能になる予定だ。SSDを搭載した評価機の重量を計測したところ、389グラムしかなかった。公称値よりかなり軽い数値だ。しかも、Viliv S5はファンレス設計なので、SSDを搭載すると動作音がほとんど無音になる。
通信機能はIEEE802.11b/gの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR、GPS(SiRF StarIII)を標準装備。インタフェースはUSB 2.0×1、データ通信用ミニUSB×1、ビデオ出力(接続ケーブルは別売)、ヘッドフォンを備える。製品には専用のイヤフォンも付属する。バッテリー駆動時間は最大6時間(スタンバイ時は最大200時間)をうたう。
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