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» 2009年07月02日 11時00分 UPDATE

山谷剛史の「アジアン・アイティー」:政府強制フィルタリングソフト、中国人ハッカー軍団に屈する (1/2)

中国政府の「フィルタリングソフト義務化」は実施直前に「無期限延期」となった。その裏には、中国人ハッカー軍団による「解析作業」が影響した可能性もある。

[山谷剛史,ITmedia]

 中国政府推奨のフィルタリングソフト「Green Dam」(緑■・花季護航。■は土へんに覇)については、中国国内から「個人情報が政府に筒抜け、恐い!」「こんなマイナーソフトを政府が推奨して金を落とすとは、どんな裏があるのやら?」とパワーユーザーたちの反感を買い、この連載でも「フィルタリングソフト義務化で中国人民の反応は?──ぶっちゃけ無理だろ」で紹介しているが、その後も、中国の「ヘビーユーザー軍団」は、その総力をあげて同ソフトの解析を水面下で続けていた。そして、解禁予定の7月1日を前にして、ついに「中国インターネットの御法度」を暴くことに成功したのだ。

アンインストールできない「Green Dam」……だったが

 「いやなら、削除してもいいのだよ」と中国政府が譲歩を見せるGreen Damだが、入れたら最後、アンインストールができない!と、中国各地から報告されている。筆者も自分のPCにGreen Damを導入してアンインストールができるか試してみた。

 Green Damのインストーラは中文版のみで、外国語のOSを入れたPCでは文字化けする(中国で大量にある“外資系”企業の「中文OS以外を導入したPC」はどうするのだろう?)。インストールオプションを選択する必要もなく、ひたすら「下一歩」(次へ)ボタンを押していくと、Windowsフォルダの下にファイルをコピーしてインストール作業は終了した。その後、仮パスワードの「112233」が画面に表示されて、再起動するように指示される。

 指示どおりに再起動をしたPC状態で、Green Damをアンインストールできるかチェックする。しかし、Green Dam自体がアンインストールメニューを用意していないばかりか、コントロールパネルの「プログラムの削除」にもリストアップされない。ということは、通常の方法でアンインストールできないことになる。少なくとも中国の一般的なPCユーザーにとっては厳しい。「アンインストールしても構わない」と中国政府は譲歩したように見せかけて、そのアンインストール作業そのものが普通のユーザーにはできない仕掛けになっていたわけだ。

kn_yamayagd_01.jpgkn_yamayagd_02.jpg アンインストールソフトもなければプログラムの削除にも表示されないGreen Dam。一般的な中国人PCユーザーにはアンインストールはとても困難だ

 しかし、「上に法あれば下に対策あり」の中国だ。ヘビーユーザーは、Green Dam対応のアンインストールツールをインターネット上にアップして抵抗している。「グリーンダム アンインストール」、中国語なら、 「緑■ 卸載」(■は土へんに覇)で検索するとアンインストールツールが簡単に見つかるはずだ。

 ちなみに、今回の検証に使ったPCは、この連載でも紹介している、2009年の年始に購入した「どマイナーメーカー」のNetbookだ(そのときのいきさつは「あやしい中華な低価格ノートPCで新春を祝う」に詳しい)。Green Damを実行すると、Netbookのディスプレイの解像度が800×480ドットであるのに対して、Green Damが必要とする解像度はそれ以上に高く、画面の上下で見えない部分がある。最近では、中国でもNetbookと3Gデータカードをセットにして安く売ろうという動きがあるが、このようにして購入したNetbookでGreen Damを動かしたら面倒なことになるだろう。

kn_yamayagd_03.jpg 有志が開発して公開した「Green Dam」アンインストールツール

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