薄くてカッコイイのに低価格──X340 Superの“美しいバランス”を知る(2/2 ページ)

» 2009年07月02日 17時00分 公開
[芝田隆広(撮影:矢野渉),ITmedia]
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ベンチマークテストでCULVタイプCPUの実力を見る

 X340 Superは、X340シリーズの上位モデルになる。そのスペックは、CPUがCore 2 Solo SU3500(動作クロック1.4GHz)で、チップセットはIntel GS45 ExpressとICH9Mを搭載する。CPUもチップセットも、SFFモデルを採用しており、通常タイプのパッケージより実装面積が約半分に削減された。また、Intel GS45 ExpressにはグラフィックスコアとしてHD動画コンテンツのハードウェア支援機能をサポートするIntel GMA 4500MHDを統合している。そのほか、システムメモリはDDR2-667を2Gバイト実装し、データストレージとしては320GバイトのHDD(Serial ATA)と内蔵している。

 まずは総合的な性能を確認するために「PCMark05」を実行した。シングルコアのCore 2 Soloということで、さすがに結果の値は「すごく高い」まではいかない。しかし、Netbookでよく採用されているAtom N270(1.6GHz)、Atom Z530(1.6GHz)で測定される「1500程度」と比べるとだいぶいい。

PCMark05:PCMark 2177
PCMark05:CPU 2424
PCMark05:Memory 3353
PCMark05:Graphics 1049
PCMark05:HDD 5161

 次にグラフィックス性能を測るため、「3DMark05」と「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」を実行してみた。こちらもディスクリートのGPUほどではないが、統合型のグラフィックスコアとしては優秀な部類だ。Atom N270とIntel GMA 950搭載のNetbookと比べると、総合結果を示す3DMarksが4倍程度、FFXIベンチでも高解像度(High)が2倍程度の結果となっている。さほど重くない3Dゲーム程度なら動作する性能といえるだろう。

3DMark05(1366×768ドット):3DMarks 1265
3DMark05(1366×768ドット):CPU 3902
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3:High 1419
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3:Low 2067

 評価で試用したX340 SuperのHDDは、東芝製の「MK3255GSX」が搭載されていた。これは2.5インチサイズのドライブで5400rpm、キャッシュ8Mバイトのモデルだ。ベンチマークテストの結果を見ても、低価格ノートPCでは高い値で、ユーザーもストレスなく使える速さといえる。320Gバイトと大容量で、SSDや160GバイトクラスのHDDを搭載したNetbookよりも大容量のデータ(例えばHD動画ファイルなど)を活用できるだろう。

PCMark05:XP Startup 8.759
PCMark05:Application Loading 5.986
PCMark05:General Usage 5.272
PCMark05:Virus Scan 99.843
PCMark05:File Write 54.603
CrystaDiskMark 2.2(Test Size=100MB):リードシーケンシャル 47.519
CrystaDiskMark 2.2(Test Size=100MB):リードランダム512KB 26.839
CrystaDiskMark 2.2(Test Size=100MB):リードランダム4KB 0.441
CrystaDiskMark 2.2(Test Size=100MB):ライトシーケンシャル 48.539
CrystaDiskMark 2.2(Test Size=100MB):ライトランダム512KB 30.735
CrystaDiskMark 2.2(Test Size=100MB):ライトランダム4KB 1.143

 次いで、Windowsの起動時間と終了時間をチェックしてみた。Windows Vistaの起動については、ログオン画面が表示されるまでと、デスクトップにタスクトレイが表示されるまでの時間をそれぞれ手動で計測した。また、休止とスリープ状態への移行と復帰、Windowsのシャットダウンにかかる時間も同様に計測している。なお、計測時の誤差を考え、5回計測を行ってその平均値を結果として掲載した。

 起動と終了にかかる時間は、HDD搭載のノートPCとしては普通だろう。さすがにSSD搭載ノートPCと比べると時間がかかるのは致し方ないが、取り立てて「遅い」とか「待たされる」といった印象はなかった。

Windows Vistaの起動と終了時間
起動(ようこそ画面まで) 51.1秒
起動(タスクトレイ表示まで) 55.2秒
休止状態への移行 16.8秒
休止状態からの復帰 34.3秒
スリープへ移行 6.2秒
スリープからの復帰 1.9秒
シャットダウン 14.5秒

バッテリー駆動時間をチェック

 バッテリーは4セルパックが標準で付属する。本体を薄くするため、バッテリーも薄型のリチウムポリマーを採用した。MSIが示す公称スペックでは、約3.5時間のバッテリー駆動が可能ということになっている。

 実際にどの程度バッテリーが持つのか、「BBench 1.01」(海人氏作)を使って検証してみた。検証時の条件は、10秒おきにキーボード押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11g)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定にした。また、ディスプレイの輝度は最高レベル、音量は最大値の半分、Bluetoothはオン、Vistaの電源プランは「高パフォーマンス」に設定している。

 BBench 1.01の結果は2時間46分3秒だった。公称スペックには及ばないが、電源プランを「バランス」や「省電力」に設定したり、ディスプレイの輝度を落とせばもっと長持ちするはずだ。通常の使用ならバッテリー駆動でも3時間前後は使えると思われる。

「Netbookは物足りない」ユーザーは使って欲しい

 ここまで見てきたとおり「X340 Super」は、とにかくスリムで見栄えのするノートPCだ。パフォーマンスもNetbookと比べてパワフルで、通常のオフィス用途などは快適にこなせる。また13型ワイドで1366×768ドット表示の液晶ディスプレイも広々としている。メインマシンとしても快適に使えるはずだ。

 X340 Superの性能と価格は、ちょうどNetbookと通常タイプのモバイルノートPCの中間になる。「気軽に持ち運べるノートPCが1台欲しい」と考えているけれど、「Netbookは遅くて画面も狭い」「通常タイプのノートPCは価格が高いし、大画面モデルは重くて持ち歩けない」と悩んでいるユーザーにはちょうどいい1台といえるだろう。

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