「Eee PC 1008HA」の“貝殻ボディ”をパカッと開けてみたSeashellと旧機種を比較(3/3 ページ)

» 2009年07月03日 11時30分 公開
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スリムボディに多彩な機能を凝縮

 このように1008HAは、貝殻型のボディデザインと基板サイズの縮小により、2.5インチ/9.5ミリ厚のHDDを採用していながら、従来のSSD搭載機に匹敵するスリムボディを実現している。その一方で、バッテリーパックは本体に内蔵され、メインメモリやHDDには簡単にアクセスできない構造となった。この点は、特にパワーユーザーにとって気になる部分だろう。

 そこで、実際に薄く小さくなったボディにバッテリーやメモリ、HDDがどのように内蔵されているのか、分解して内部構造を調べてみた。

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注意

製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。


 まずはF1、F6、F10、Insertの各キーの上にある4つのツメを押し上げてキーボードユニットを取り外す。その下にあるネジ7本とボディ底面のネジ4本を外すことで、パームレストごとトップカバーをはがすことが可能だ。

4つのツメでロックされたキーボードを取り外したところ(写真=左)。取り外したキーボードユニット(写真=中央)。底面にあるネジ4本も外す(写真=右)

 トップカバーを開くと、マザーボードとゴムカバーに包まれたHDD、バッテリーパックが露出する。狭いスペースにすき間なくパーツが敷き詰められており、小型化への注力がうかがえる。チップセットのGMCHとCPUはヒートシンクで覆われており、上部の小型CPUファンで放熱する仕組みだ。

 発熱しやすいチップセットやCPUを上部に、それほど高熱にならないリチウムポリマーバッテリーを下部に配置することで、パームレストが熱くならないように工夫している点はS101の内部構造と変わらない。ただし、チップセットやCPUは底面側ではなく、キーボード側に向いているため、キーボード部はS101やS101Hより温まりやすいと予想される。

トップカバーを外した状態(写真=左)。分離したトップカバーの表と裏(写真=中央/右)。裏面にはSDメモリーカード(SDHC対応)/MMC用スロットが装着されており、チップセットのICH7-Mの熱を拡散するように上部に薄い銅のシートが張られている

 マザーボードはS101の半分以下まで小型化されており、Atom N系のCPUとIntel 945GSE Expressチップセットを搭載したNetbookとしては、非常に小さくまとまっている。基板の小型化や内部の複雑なレイアウトは、コストパフォーマンス重視のNetbookとは思えないほど凝っており、今回で4世代目となるEee PCの歴史と進化が感じられる。

 マザーボードの裏面にはSO-DIMMスロットが1基あり、PC2-6400対応の1Gバイトメモリモジュールが装着されていた。ユーザーが自己責任でメインメモリを交換する場合、マザーボードを取り出す必要があるので、作業はかなり面倒だ。

 HDDについては、マザーボードと右側面のインタフェース基板を結ぶオレンジ色のフラットケーブルを外し、HDDを斜めに傾けて引き抜くことで取り出せる。こちらも換装には本体の分解が求められるので、将来的なデータストレージのアップグレードを考慮するならば、底面のカバーを外すだけでHDDにアクセスできる機種を選んだほうが無難だ。

CPUとチップセットがすき間なく配置されたマザーボードの表面(写真=左)。マザーボードの裏面にはSO-DIMMスロットと、ハーフサイズの無線LANモジュールが装着されたMini PCI Expressスロットを用意している(写真=中央)。銅製のプレートと小型のファンを組み合わせたヒートシンク(写真=右)

装着されていた2.5インチ/5ミリ厚HDDは、シーゲイト製のSerial ATAドライブ「Momentus 5400.5 ST9160310AS」だった(写真=左)。回転数5400rpm、キャッシュ8Mバイトの160GバイトHDDだ。周囲をゴムカバーで覆うことで、耐衝撃性を高めている。内蔵されていたリチウムポリマーバッテリーは、容量10.96ボルト 2900mAhだった(写真=右)


 以上、Eee PC 1008HAのボディデザインと内部構造をチェックした。単に外観を一新しただけでなく、内部もイチから設計し直すことで、10型クラスの液晶と2.5インチHDDを搭載したNetbookとしては小型軽量を実現しているのが魅力といえる。PC USERでは、実際の使い勝手やパフォーマンス、バッテリー駆動時間に関するレビューを後日掲載する予定だ。

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