Windows 7も安心な“ちょい上”ノートPC――「VAIO type N[NW]」を試すVAIOスタンダードノートの新顔(1/3 ページ)

» 2009年07月15日 15時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

VAIOのスタンダードノートPCに上位シリーズが登場

「VAIO type N[NW]」の上位モデル「VGN-NW70JB」

 ソニーのスタンダードノートPC「VAIO type N」に新機種のNWシリーズが加わった。VAIO type Nとしては、2009年4月に既存のNSシリーズの夏モデルが発売されているが、NWシリーズはその上位モデルという位置付けだ。

 もっとも、NWシリーズは同じVAIO type Nのラインアップでありながら、新デザインのボディを採用するなど、単なる性能強化にとどまらない意欲的なモデルとなっている。光学ドライブの違いで2モデルが用意されており、今回はBlu-ray Discドライブ採用の上位モデル「VGN-NW70JB」を試用した。ちなみに、下位モデルの「VGN-NW50JB」はDVDスーパーマルチドライブを備えている。

随所に盛り込まれたデザイン面での強いこだわり

 VAIO type NのNWシリーズは「日々の生活をもっと心地よく……」というテーマのもと、デザインと使い勝手にこだわって設計されているのが特徴だ。

 まず目を引くのは、滑らかな曲線で構成されたエレガントなフォルムと天板のテクスチャだ。水面をイメージしたというテクスチャは、さらさらとした独特の触感が印象的で、光沢塗装が主流の国内メーカー製スタンダードノートPCにあって、VAIOらしい新鮮味がある。ホワイトボディと明るいゴールド系のテクスチャ、そしてミラーロゴバッジのとりあわせはなんとも華やかだ。

 液晶ディスプレイのフレームやパームレスト部にも天板と同じテクスチャを施しているが、天板は彫りが深く、液晶フレームやパームレスト部は彫りが浅くと、メリハリが付けられているため、デザインがうるさすぎると感じることはないだろう。パームレスト部は凹凸があることでベタつかない効果もあり、彫りが浅いテクスチャはさらっとした手触りで何とも心地よい。

ボディカラーはホワイトを基調としている。液晶ディスプレイの天板には、波線のようなテクスチャがあり、ミラー加工のVAIOロゴが配置されている(写真=左/中央)。パームレスト面のテクスチャは彫りが浅く、滑らかな手触りだ(写真=右)

 液晶ディスプレイを開いた時に液晶パネルが本体の後ろへ回りこむ「逆ヒンジ」デザインは、アスペクト比16:9の横長ワイド画面をよりワイドに感じさせる効果を狙っている。最近のVAIOノートにおけるトレンドは、シリンダーデザインから、この逆ヒンジデザインへ移行しつつあるようだ。

 また、同社おなじみのアイソレーションキーボードを採用しつつ、パームレスト部よりもキーボード部の背を低く、滑らかな曲線で仕上げることでスリムに見せる「ウェーブボディ」のデザインも採用している。タッチパッドにもざらりとした質感のアクリル板を張るなど、形だけでなく質感、触感まで意識したデザイン面での強いこだわりをさまざまな部分で盛り込んでいるのがNWシリーズのウリだ。

 なお、使い勝手の面では、Windowsを起動させなくてもWebアクセスができる「Quick Web Access」、特にBlu-ray Discドライブ搭載のVGN-NW70JBで威力を発揮するHDMI出力の搭載、音楽鑑賞時などに画面を消灯する「DISPLAY OFF」ボタンの装備など、エンターテインメント機能の強化が図られた。これらの詳細は後述する。

余裕のある基本スペック

据え置きでの利用が中心のモデルなので、ACアダプタは大きめで、バッテリー駆動時間は短めになっている

 ボディサイズは370(幅)×249(奥行き)×29.1〜38.7(高さ)ミリ、重量は約2.7キロだ。15型クラスのワイド液晶ディスプレイを搭載したノートPCとしては、比較的コンパクトで軽めにまとまっている。下位のNSシリーズは本体サイズが360(幅)×270(奥行き)×31.4〜38(高さ)ミリ、重量が約2.9キロとなっており、これと比べても少し軽量化された。

 ただし、バッテリー駆動時間は公称値で約2.5時間と短く、基本的には据え置きでの利用が想定されている。もう少しスタミナが欲しいならば、別売のバッテリーパックLを装着することで、バッテリー駆動時間を公称値で約4.5時間まで延長することが可能だ。

 CPUにはCore 2 Duo P8700(2.53GHz)を採用している。TDPは25ワットと通常より消費電力が低いモデルで、2次キャッシュは3Mバイト内蔵する。チップセットにはグラフィックス機能を統合したIntel GM45 Expressを採用している。グラフィックスコアのIntel GMA 4500MHDは、MPEG-4 AVC/H.264、VC-1、MPEG-2のハードウェアデコードを含めたHD動画の再生支援機能を装備しており、対応ソフトウェアと組み合わせて利用することで、CPU負荷を抑えながらBlu-ray DiscタイトルなどのHDコンテンツを快適に再生できる。

2基のSO-DIMMスロットと2.5インチHDDは底面のカバーを外すだけでアクセスできる

 メインメモリはPC2-6400(DDR2-800) DIMMに対応し、容量は標準で4Gバイトと余裕がある。SO-DIMMスロットは底面のカバー内に2基用意されており、標準装備の2枚の2Gバイトモジュールをそれぞれ4Gバイトモジュールに交換することで、最大8Gバイトまで増設可能だ。データストレージにはSerial ATA対応の2.5インチHDDを採用しており、標準で500Gバイト(回転速度5400rpm)の大容量を搭載する。

 光学ドライブは、1層BD-Rの4倍速書き込み、2層BD-Rの2倍速書き込み、1層/2層BD-REの2倍速書き換えに対応したBlu-ray Discドライブを内蔵している。HDMI出力端子もあるため、テレビと接続してBDプレーヤーとしても活用できるだろう。HDビデオ編集やBlu-ray Discのオーサリングが手軽に行え、しかもセンスよく仕上がる「VAIO Movie Story」や「Click to Disc/Click to Disc Editor」といったアプリケーションも付属する。なお、下位モデルのVGN-NW50JBは光学ドライブがDVDスーパーマルチとなるが、それ以外の仕様は共通だ。

 ネットワーク機能は、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n(11nはドラフト準拠)の無線LANを装備する。端子類は、USB 2.0×3、4ピンのIEEE1394、アナログRGB出力、HDMI出力、サウンド入出力、SDHC対応SDメモリーカードスロット、メモリースティックPRO対応スロット、ExpressCard/34スロットなどを備える。USB 2.0ポートが左右に振り分けられているなど、端子やスロットの配置に使いにくい部分は見られない。

前面にメモリカードスロット、ワイヤレス通信のスイッチを用意(写真=左)。液晶ディスプレイが後方に倒れ込む「逆ヒンジ」デザインを採用している関係で、背面にインタフェースは搭載されていない(写真=右)

左側面にはACアダプタ接続用のDC入力、有線LAN、排気口、アナログRGB出力、HDMI出力、4ピンのIEEE1394、USB 2.0、ExpressCard/34スロットが並ぶ(写真=左)。右側面にヘッドフォン、マイク、2基のUSB 2.0、光学ドライブを配置している(写真=右)

CPU-Z 1.51の情報表示画面(写真=左)。Core 2 Duo P8700は、TDP25ワットのCore 2 Duo Pシリーズ最上位のモデルで、2009年1月に追加された。FSB 1066MHz、動作クロックは2.53GHz、2次キャッシュは3Mバイトを搭載する。「VAIOの設定」では省電力やネットワーク、画面表示などの設定がまとめて行える(写真=右)。HDMI出力時における画面解像度の変更も容易だ

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