ベンチマークテスト | Endeavor Pro7000 (Core i7-950) |
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PCMark05 | PC Mark | 11106 |
CPU | 10634 | |
Memory | 9094 | |
Graphics | 16355 | |
HDD | 6018 | |
3DMark06 (1280×1024ドット) |
3DMarks | 13299 |
SM2.0 | 4878 | |
Windowsエクスペリエンスインデックス | プロセッサ | 5.9 |
メモリ | 5.9 | |
グラフィックス | 5.9 | |
ゲーム用グラフィックス | 5.9 | |
プライマリハードディスク | 5.9 | |
では、気になるパフォーマンスをチェックしてみよう。今回テストに使用した構成は、2009年6月に登場したCPU、Core i7-950(3.06GHz)を軸に、メインメモリを12Gバイト(DDR3-8500 2Gバイト×6)、RAID 0構成の1TバイトHDD(Serial ATA/3Gb 500Gバイト×2)、Radeon HD 4870搭載グラフィックスカードを実装し、搭載OSには64ビット版のWindows Vista Bussiness(SP1)を選んだ。グラフィックスカードやCPUをコストパフォーマンスのよい構成としつつ、12Gバイトの広大なメモリ空間を有効に使いこなせるであろう「64ビットOS時代」の組み合わせとしてある。
まずはベンチマークソフトでそのパフォーマンスを確認しよう。Windows Vistaのエクスペリエンスインデックスは文句なしのオール5.9だ。また、Windows Vistaの起動時間(BIOS表示が終了してデスクトップが表示されるまで)は30秒前後、PCMark05のスコアは11106、3DMark06のスコアは13299となり、日常的な利用においてはまったく文句のないパフォーマンスと言える。ちなみにCPUもグラフィックスカードは実コスト面を考えて“頂点”の構成ではないこともふまえ、Pro7000のパフォーマンスとしてはまだ上が目指せるということも示している。
では、Pro7000の高いパフォーマンスはどのような作業に適するか。もちろんPro7000を選ぶユーザーであれば、それに見合った用途をそれぞれ自身で見つけることだろうが、まず動画エンコードを取り上げてみよう。単体でエンコード時間を示しただけでは分かりにくいため、今回は同じクアッドコア(論理コア数は異なる)で、ほぼ同クロックで動作するCore 2 Quad 9650(3.06GHz)を搭載し、ストレージもRAID 0構成の500GバイトのSerial ATA HDD×2、メインメモリは4Gバイト、OSに32ビット版Windows XP Professinal(SP3)を搭載する構成のPCと比較してみた。
エンコードソフトウェアにはペガシスの「TMPGEnc Express 4.0」、ソースは三洋電機「Xacti」で撮影した、MPEG-4 AVC/H.264のフルHD動画データを用意した。この動画データは、再生するだけでもグラフィックスカードの再生支援機能がないとCore 2 DuoクラスのCPUが必要になる、いわゆる“重い”データだ。これを、DVD-Video用を想定した約9MbpsのMPEG-2(720×480ドット/30fps/インターレース)、同じくBD-Video用を想定した25MbpsのMPEG-2(1920×1080ドット/30fps/インターレース)、MPEG-4 AVC/H.264コーデックでSD解像度/5MbpsのMPEG-4ファイル(720×480ドット/30fps/ノンインターレース/High Profile/CAVLC)、フルHD解像度/12MbpsのMPEG-4ファイル(1920×1080ドット/30fps/ノンインターレース/High Profile/CAVLC)の4パターンでエンコードを行い、1秒あたりのエンコードフレーム数に換算した値で比較している。
結果は上記グラフのとおり。同じ3GHz動作のCPUながら、1.3〜1.5倍ほどもCore i7を搭載したPro7000の方が高速だった。特にMPEG-4 AVC/H.264でのエンコードはCPU使用率が常時90%を越え、8つの論理コアが非常に有効に働いていた。
また、実作業時においても明確な違いを感じる。例えば、今回比較に用いたCore 2 Qaud 9650搭載のPCはフルHD解像度のMPEG-2ファイルのカット編集時に早見・早戻し再生などを行うと、わずかだが停止位置で画面レンダリングに待ち時間が生じたり、カット編集実行時に次の操作が可能になるまでに待ち時間が生じるが、Pro7000ではこの待ち時間をほぼ感じず、まるでSD解像度の“軽い”動画ファイルを編集するときのようにサクサク作業できた。
次に12Gバイトという大容量メモリを徹底活用できるシーンを試そう。マルチコアCPUに対応した仮想PCソフトの1つ「VMware Workstation(試用版)」を利用し、仮想PC上にWindows XPをインストールしてパフォーマンスをチェックする方法だ。よく知られるソフトウェアのWindows Vista対応はおおむね完了しているようではあるが、64ビットOS環境では動作が不安定となったり、正式には非対応であったり、あるいはそもそもWindows Vistaには対応しないソフトウェアを使う人も多くいると思われる。Windows 7のXPモードと同様に、メモリを潤沢に利用できる64ビット版Windows Vistaと仮想PCでWindows XP(32ビット版)を同時に使用する組み合わせも、新旧のソフトウェアを混在して使いたいユーザーに合う環境ではないだろうか。
仮想PCには、Windows XPの動作に必要十分といえる2Gバイトのメモリ容量を割り当てた。クリーンインストール時点での起動時間(起動を指示してからデスクトップが表示されるまで)は約35秒、Webブラウザなどはもちろんサクサク、デスクトップ領域を1360×768ドットに設定した上でYouTubeのHD動画をフルスクリーン再生することさえほぼ問題なく利用できるほど、仮想PCであることを感じさせないパフォーマンスだった。
この仮想PCで、上記と同様にTMPGEnc Xpress 4.0を用いたエンコード処理を行う。結果としては、ホストOSのWindows Vista Bussinessと比較して30〜43%程度のフレームレートでエンコードすることが可能だった。今回使用したVMware Workstationは試用版であり、仮想PCからはCPUを2コアまでの利用制限があるものの、エンコード中のホストOS側のCPU使用率は25〜26%程度にとどまっていた。つまりPro7000では、2つの論理コア分で動作する仮想PCとしての処理能力も悪くないどころか「ほぼ問題ない」とすら言えるくらいだ。
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