M1022Mの性能を、電力管理モードを切り替えて測定してみた。M1022MはWindows XP Home Edition (SP3)がデフォルトで用意している「常にオン」「バッテリの最大利用」などのモードのほかに、ギガバイトが用意したモードとして「GB_Normal」「GB_MaxBattery」「GB_AlwaysOn」「GB_Presentation」が選べる。また、これもギガバイトオリジナルの設定ツールとして用意された「Smart Manager」では、無線LAN、Bluetooth、ワイヤレスWAN(これは、海外モデルのみで日本モデルでは対応しない)のオンとオフを切り替えられるだけでなく、音量と液晶輝度の設定スライダーや、電源管理モードを切り替えるアイコンも用意されている(Fnキーと組み合わせて液晶輝度、音量、無線接続モジュールのオン/オフを切り替える手段ももちろん利用できる)。
PCMark05を使ったベンチマークテストでは、OS側で用意している「常にオン」「バッテリの最大利用」と、ギガバイト側で用意している「GB_AlwaysOn」「GB_Normal」「GB_MaxBattery」で電力管理モードを切り替えて測定し、その結果を並べている。測定条件が同一でないので、グラフとして比較していないが、Atom N280とIntel 945GSE Expressを採用し、2.5インチ160GバイトHDDを採用する「Eee PC 1008HA」のPCMark05測定結果とほぼ同じ値になっている(Eee PC 1008HAで測定したベンチマークテストの詳細な結果は、“「Eee PC 1008HA」の貝殻ボディに秘められた実力を探る”を参照のこと)。
電源管理モード | 常にオン | バッテリの最大利用 | GB_AlwaysOn | GB_Normal | GB_MaxBattery |
---|---|---|---|---|---|
PCMark05:PCMarks | 1601 | 1131 | 1569 | 1576 | 1117 |
PCMark05:CPU | 1551 | 928 | 1552 | 1553 | 927 |
PCMark05:Memory | 2471 | 1826 | 2506 | 2500 | 1824 |
PCMark05:Graphics | 612 | 461 | 568 | 569 | 463 |
PCMark05:HDD | 4779 | 4737 | 4776 | 4761 | 4617 |
長時間駆動を誇るM1022Mの消費電力もYbinfo(Yuryu氏作成 Yuryu's Bettery Information Ver.1.0)を利用して測定した。ちなみに、評価用のM1022Mに搭載されていたバッテリーの容量は設計値57720mWhのところ、56773mWhの状態だった。測定条件では、液晶輝度(10段階中1レベルの低輝度、5レベルの中輝度、10レベルの高輝度)と電力管理モード(GB_AlwaysOn、GB_Normal、GB_MaxBattery)、無線LANのオン/オフを切り替えて行ったほか、中輝度、GB_Normalの条件でPCMark05 Multithreaded Test 3を実行して、重負荷時における消費電力も調べている。
液晶輝度 | 電力管理 &負荷 | 消費電力(ミリワット) |
---|---|---|
高輝度 | GB Allways on & アイドル | 8769 |
高輝度 | GB Normal & アイドル | 8784 |
中輝度 | GB Normal & アイドル | 7933 |
低輝度 | GB Normal & アイドル | 7489 |
中輝度 | GB Max Battery & アイドル | 7940 |
低輝度 | GB Max Battery & アイドル | 7480 |
中輝度 | GB Max Battery&無線LAN ON | 9043 |
中輝度 | GB Normal PCMark05 Multithread3 | 13224 |
YbInfoの測定結果は、液晶輝度が高輝度の条件では、電源管理モードに関係なく8700mWh台を示し、液晶輝度を中輝度にして7900mWh台、低輝度で7400mWh台となった。中輝度、GB_MaxBattery、無線LANをONにすると9000mWh台、マルチスレッド処理を行っている重負荷状態では1万3000mWh台に達している。M1022Mの消費電力が中輝度アイドル時で約8000mWh、無線LAN接続時で9000mWh、重負荷処理時で1万3000mWhと考えた場合、バッテリー駆動時間は6〜7時間、動画などの連続再生時間は4〜5時間あたりになると思われる。
M1022Mは、標準で付属する構成でモバイルノートPC、デスクトップPCに対応できるところが注目を集めているが、そういう目立つアイデアだけでなく、長時間のバッテリー駆動と入力しやすいキーボードの採用、ワンクリックで無線接続モジュールのオン/オフの切り替え、液晶輝度の変更、電源管理モードの設定などが行えるユーティリティの導入など、Netbookとしての基本性能も先行するライバルに負けていない。
従来、九十九電機系のショップに限られていた販売網も、日本全国に展開する大手量販店にも並ぶなど、購入しやすくなっただけでなく、初心者を対象にしたサポートセンターの開設など、ギアバイト側の体制にも安心感がでてきた。
TouchNoteのT1028Mと、今後投入されるだろうS1024、そして、ここで紹介したM1022Mとあわせ、ギガバイトのNetbookは2009年の日本市場で、有力な勢力に成長するだろう。
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