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» 2009年07月29日 11時30分 UPDATE

高速SSD RAIDで突き抜けろ:ソニーの最高峰モバイルノートPC――「VAIO type Z '09年夏モデル」を駆る (1/3)

高性能を凝縮したハイエンドモバイルノートPCとして、2008年の真夏に華々しくデビューした「VAIO type Z」。登場から1年がたち、性能と価格はどうなったのか?

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

高級感あるボディが新色+新柄でさらに魅力アップ

tm_0907typez01.jpg 「VAIO type Z」

 ソニーの「VAIO type Z」は、エグゼクティブなビジネスユーザー向けに“性能、携帯性、デザインのすべてに妥協しないモバイルノートPC”を目指して開発されたハイエンドモバイルノートPCだ。

 2009年夏モデルは、店頭販売モデルこそ2009年春モデルの「VGN-Z71JB」が継続販売されるが、同社直販サイトのソニースタイルで購入できるVAIOオーナーメードモデル「VGN-Z92YS・DS・JS」には新メニューが追加され、より高性能な構成を選べるようになった。今回はハイスペックな構成の「VGN-Z92JS」を入手する機会を得たので、早速レビューしよう。

 アスペクト比16:9の13.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載した横長ボディのサイズは、314(幅)×210(奥行き)×24.5〜33(高さ)ミリ。重量は主に光学ドライブやバッテリーなどの仕様で変わり、最軽量の構成で約1.39キロ、大容量バッテリーパック(L)を搭載した最も重い構成で約1.6キロだ。DVDスーパーマルチドライブ、標準バッテリーパック(S)を搭載した店頭モデルの重量は約1.45キロとなっている。

tm_0907typez02.jpg 2009年夏モデルの新色となるボルドーは、マットな質感で深みのあるレッドだ

 デザインは2008年8月に発売された初代モデルから変わっていない。液晶ディスプレイのヒンジ部に棒状のバッテリーパックや電源ボタン、ACアダプタ接続端子を集中させた「シリンダーフォルム」、キーとキーの間隔を離したキーボードユニットを格子状の本体カバーにはめ込んだ「アイソレーションキーボード」、アルミニウムの1枚板から打ち出した継ぎ目のないヘアライン加工のキーボード/パームレストパネルを採用するなど、シャープで高級感のあるイメージに仕上がっている。

 VAIOオーナーメードモデルでは天板のカラーやデザインが選択できるようになっており、カラーは標準の「ブラック」のほか、「プレミアムカーボン」(カーボン繊維を消さず半クリア塗装を施したもの)、新色の「ボルドー」が用意されている。さらに、従来からの「シャドーボーダー」と「ラインストーム」に、新柄の「ドットマトリックス」と「カレイドスコープ」を加えた合計4種類のプレミアムデザインがあり、全7種類のバリエーションから天板を選べる。

 今回入手したのはボルドーの天板を用いたモデルだが、彩度を抑えた深みのあるメタリックレッドがヒンジのシルバーと相性がよく、シックな仕上がりだ。また、2009年夏モデルでは従来のシルバーのパームレストに加えて、ブラックのパームレストも選択可能になっている(ボルドーモデルの場合はブラックのみ選択可能)。

tm_0907typez03.jpgtm_0907typez04.jpg 新柄のドットマトリックス(写真=左)とカレイドスコープ(写真=右)は、「アーバン・ジオメトリックスタイル」というコンセプトでデザインしたという

スマートなボディに妥協なしのハイスペックを凝縮

tm_0907typez05.jpg Core 2 Duo P9700(2.8GHz)を搭載した評価機におけるCPU-Z 1.51の情報表示画面(写真=左)。VAIOオーナーメードモデルではこのほかに、T9900(3.06GHz)、P8800(2.66GHz)、P8700(2.53GHz)が選択できる

 1.5キロクラスのスリムボディに最高レベルのパフォーマンスを備えるのも大きな特徴だ。店頭モデルのCPUはCore 2 Duo P9600(2.66GHz/2次キャッシュ6Mバイト)だが、VAIOオーナーメードモデルでは、Core 2 Duo P9700(2.8GHz/6Mバイト)、P8800(2.66GHz/3Mバイト)、P8700(2.53GHz/3Mバイト)に加えて、モバイル向けCore 2 Duoの最上位モデルであるCore 2 Duo T9900(3.06GHz/6Mバイト)も選択できるようになった。

 この軽量ボディに通常電圧版の3GHzを超えるCore 2 Duoが内蔵できるのは驚きだ。もっとも、T9900はほかのCore 2 Duoに比べて発熱量が大きい(TDP 35ワット)ので、P9700(TDP 28ワット)くらいが性能と携帯性のバランスという意味ではちょうどいいと考えられる。

 DDR3-1066(PC3-8500)に対応するメインメモリは、店頭モデルでは4Gバイト(2Gバイト×2)を搭載する。VAIOオーナーメードモデルでは最大8Gバイト(4Gバイト×2)を筆頭に、6Gバイト(4Gバイト+2Gバイト)、4Gバイト(2Gバイト×2)、2Gバイト(2Gバイト×1)の構成が選べる。

 チップセットはグラフィックス統合型のIntel GM45 Expressを採用している。グラフィックスコアとしてIntel GMA 4500MHDを内蔵しているが、別途GPUとしてGeForce 9300M GSも実装しており、「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」機能により、起動中でも両者を切り替えて使うことが可能だ。この機能がVAIO type Zの大きな特徴となっている。

 ゲームなどで高いグラフィックスパフォーマンスが欲しいときにはNVIDIA GeForce 9300M GS(SPEEDモード)、バッテリー駆動時間優先で消費電力を抑えたいときにはIntel GMA 4500MHD(STAMINAモード)というような利用法が可能で、キーボード左奥のヒンジ部分にはグラフィックス機能の切り替えスイッチが用意されている。

tm_0907typez06.jpgtm_0907typez07.jpgtm_0907typez08.jpg キーボード左奥にあるスイッチでSPEEDモードとSTAMINAモードを切り替える(写真=左)。2つのモードを切り替えたときに表示されるダイアログ(写真=中央/右)。使用するグラフィックス機能と同時に、電源プランも変更できる

tm_0907typez09.jpgtm_0907typez10.jpg 左がSPEEDモード、右がSTAMINAモードにおけるGPU-Z 0.3.4の情報表示画面。SPEEDモードではNVIDIA GeForce 9300M GS、STAMINAモードではIntel GM45 Express内蔵のIntel GMA 4500MHDを使用する

 店頭モデルのデータストレージは、回転速度7200rpmの2.5インチSerial HDD(容量320Gバイト)を搭載している。VAIOオーナーメードモデルでは、このほか回転速度5400rpmのHDD(500Gバイト/320Gバイト)、そして高速なレスポンスが得られるSSDも選択できる。SSDはすべて2基のドライブによるRAID 0(ストライピング)構成になっており、容量は128Gバイト(64Gバイト×2)、256Gバイト(128Gバイト×2)のほか、2009年夏モデルから512Gバイト(256Gバイト×2)という大容量の構成も選択できるようになっている。

 光学ドライブは、店頭モデルではDVD±R DL対応のDVDスーパマルチドライブを搭載している。VAIOオーナーメードモデルではそれに加えて、2層BD-R/BD-REで1倍速、1層BD-R/BD-REで2倍速の書き込みに対応したBlu-ray Discドライブも選択できる。

 なお、グラフィックス機能のGeForce 9300M GS(SPEEDモード)およびGM45 Express内蔵のGMA 4500MHD(STAMINAモード)ともにHD動画の再生支援機能を搭載しているので、どちらのモードでもCPUに負担をかけずにBlu-ray Discタイトルを快適に楽しむことができる。

MIMO 3×3の無線LAN、ワイヤレスWAN、WiMAXも搭載可能

 通信機能も充実している。店頭モデルでは、1000BASE-T対応の有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0)対応の無線LAN(MIMO 送信1×受信2)、Bluetooth 2.1+EDR、FAXモデムを標準装備する。VAIOオーナーメードモデルでは、1000BASE-T対応の有線LANとBluetooth 2.1+EDR、FAXモデムを標準装備。IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0)対応の無線LAN機能は、送受信に3本のアンテナを利用することで通信速度を最大450Mbpsまで高速化する「MIMO 送信3×受信3」を選べる。

 また、FOMA HI-SPEED対応のワイヤレスWANも搭載可能なことに加えて、7月27日からは新しい高速通信網として期待されているWiMAXも選択できるようになった。ただし、MIMO 3×3の無線LAN、ワイヤレスWAN、WiMAXは排他関係にあり、搭載できるのはどれか1つのみである。

 ボディ側面の端子類は、2基のUSB 2.0、4ピンのIEEE1394a、HDMI出力、アナログRGB出力、さらにメモリースティックPROスロット、SDメモリーカード(SDHC対応)/MMCスロット、ExpressCard/34スロットも備えている。USBポートは2基と少なめだが、カードスロットや通信機能が充実しているので、マウス接続の際にはBluetoothを利用するなど、いろいろと補う手段はあるだろう。

tm_0907typez11.jpgtm_0907typez12.jpg 前面には、メモリースティックPROスロットとSDメモリーカード(SDHC対応)/MMCスロット、ワイヤレス通信用のスイッチを用意(写真=左)。液晶ディスプレイはラッチレス構造だ。背面はバッテリーパックで占有され、シリンダーデザインにより曲線的なフォルムとなっている(写真=右)

tm_0907typez13.jpgtm_0907typez14.jpg 左側面にはプラスチックのキャップで覆われた有線LANとFAXモデムのポート、シャッター式のExpress Card/34スロット、USB 2.0、4ピンのIEEE1394、ヘッドフォン、マイク、ACアダプタ接続端子、通風口が並ぶ(写真=左)。右側面には光学ドライブ、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0、電源ボタンが配置されている(写真=右)。光学ドライブのトレイ右端を削ってHDMI出力端子を詰め込んでいる

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