11.6型WXGA液晶×10.7時間駆動で魅せる貝殻ノート――「Eee PC 1101HA」を駆る元祖Netbookに新展開(2/3 ページ)

» 2009年08月11日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

ボディサイズを生かした十分な拡張性

 端子類の配置は1008HAとほとんど同じではあるが、ボディのサイズに余裕があるぶん、右側面のUSB 2.0ポートは2基に増え(合計3基)、左側面のアナログRGB出力端子も特殊なミニコネクタではない汎用のミニD-Sub 15ピンコネクタとなっている。ヘッドフォン、マイク、SDメモリーカード(SDHC対応)/MMC用スロットなどと合わせて、拡張性はNetbookの標準的な内容を満たすものとなっている。

 また、液晶ディスプレイの上部には130万画素Webカメラ、Webカメラ付近にはアレイマイク、パームレスト前方にはステレオスピーカーも内蔵する。ステレオスピーカーは、5.1チャンネルの疑似サラウンド機能「SRS Premium Sound」にも対応する。

 通信機能にも不満はない。IEEE802.11b/g/n(nはドラフト2.0準拠)対応の無線LAN、100BASE-TX対応の有線LAN、Bluetooth 2.1+EDRと十分な内容だ。

前面(写真=左)と背面(写真=右)には余計なインタフェース類がなく、すっきり仕上がっている

左側面には、ACアダプタ接続用のDC入力、アナログRGB出力、USB 2.0ポート、盗難防止ロック用コネクタ、通風口が並ぶ(写真=左)。右側面には、有線LAN、2基のUSB 2.0ポート、ヘッドフォン、マイク、ダミーカードが装着されたSDメモリーカード(SDHC対応)/MMC用スロットが配置されている(写真=右)

1101HAのデバイスマネージャ画面。今回試用した機材のHDDは、HGSTの「HTS543216L9SA00」だった

11.6型WXGA液晶と大きめのキーボードで使い勝手は良好

1366×768ドット表示の11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載

 液晶ディスプレイのサイズは11.6型ワイドと大きく、画面解像度は1366×768ドット(WXGA)で作業領域が広い。Netbook標準の1024×600ドット(もしくは縦574ドット)に比べて約1.7倍の表示量があり、Webブラウズをするのにも便利だし、表計算ソフトの大きなシートを扱ったり、PDFファイルを閲覧したりするにもスクロールの手間が少なくて済む(オフィススイートを本格的に使うにはパワー不足ではあるが)。画面解像度に対して画面サイズが小さすぎることはなく、細かな文字やアイコンの視認性も不満がない。

 表面は光沢仕上げで表示は明るく鮮やかだが、映り込みは多少気になる。上下方向の視野角は少し狭いものの、液晶ディスプレイの角度は約135度まで開くので、適宜見やすい角度に調整すればいいだろう。

 品質面では、購入した製品の液晶ディスプレイに常時点灯ドットが存在した場合、無料で交換が受けられるZBDサービスに対応しているのがポイントだ。

デスクトップの上部には、独自のランチャーソフト「Eee Docking」が配置されており、音楽や動画を管理する「Eee@Vibe」、データの同期や共有、チャットが行える「Eee Sharing」などのツールへアクセスできる(写真=左/中央)。ランチャーの位置は画面の四方に設定できるほか、常に一番上に表示することも可能だ(写真=右)

キーボードは、ドイツのデザインアワード「red dot design award」を受賞したという

 キーボードにはゆとりがあり、主要キーで約18.1ミリのキーピッチを確保する。実測のキーサイズは約17×16.5ミリだ。左右の一部で少し幅の狭いキー(実測約12.5ミリ)があるものの、無理なく打てる大きさだ。キーストロークはやや浅く、軽めのタッチ感だが、キーボードユニットの固定はしっかりしており、強めにタイプしても、たわみなどはほとんど感じなかった。

 ポインティングデバイスは、2ボタン式のタッチパッドを装備する。パッド部分はパームレストと完全に一体化したデザインとなっており、パッド部分が分かるようにドット状の出っぱりが付けられている。このデザインはEee PC Seashellシリーズのシンプルな外観を演出する工夫の1つになっており、手触りは悪くないが、滑りがよくない点では好みが別れるかもしれない。タッチパッドの左右クリックボタンが一体型パーツになっている点も、見た目がシンプルな半面、押しにくいと感じるユーザーがいるだろう。

 タッチパッドのドライバは、マルチタッチジェスチャー機能に対応したシナプティックスの多機能ドライバ(V7.2)を採用する。パッドの右辺/下辺をなぞることによる上下/左右のスクロールや、パッド上で2本の指を開閉させることで画像やWebページの拡大/縮小を行う「ピンチ」といった機能が標準で有効となっている。

 また、スクロールホイール付きのUSBマウスも標準で添付される。キーボードの左奥にはタッチパッドを無効にするボタンが設けられており、マウス使用時やタイピング時に意図せずパッドに触れてしまうことで誤動作するのを防げる。

マルチタッチジェスチャー機能に対応したシナプティックスの多機能ドライバ(V7.2)。パッドのエッジを用いた上下/左右スクロール、2本指の開閉で拡大/縮小を行う「ピンチ」といった機能などが使える。ユーティリティで設定することで、パッドをはじくようにしてカーソルを移動させる「モーメンタム」などの機能を使うことも可能だ

USB接続のホイール付き光学式マウス(写真=左)や、専用のソフトケース(写真=右)が付属するのは1008HAと同じだ

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