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» 2009年08月21日 14時00分 UPDATE

インテル筑波本社で夏期講習を受けてきた(ただしテストなし) (1/2)

インテルは8月20日に、筑波本社において最新技術を“おさらい”する報道関係者向けのセミナーとラボの見学ツアーを行った。

[長浜和也,ITmedia]

 筑波本社で行われたセミナーでは、2008年に登場したNehalemの解説や、プラットフォームレベルのバリデーションに対する取り組みの紹介、そして、vProで導入されているIntel Active Management Technology(Intel AMT)とIntel Anti-Theft Technology(Intel AT)の解説が行われた。いずれも、インテルが機会あるごとに紹介している内容であるが、ここでは、セミナーの冒頭に行われた半導体業界の動向解説と、日本で紹介されることが少ないプラットフォームバリデーションとIntel ATについて紹介しよう。

これからは「うそっ!」と思っちゃう後工程に注目

 インテル取締役 技術開発・製造技術本部 本部長の阿部剛士氏は、ワールドワイド、特に米国における半導体業界の状況をレクチャーした。2006年から2008年における売り上げで、インテルはトップを確保し、多くの企業でマイナス成長となった2007年から2008年の推移でもプラス成長を維持したこと示したうえで、2009年における生産設備と研究開発への投資は2008年と同程度のレベルを確保すると語った。

 Intelの生産設備については、45ナノメートルプロセスルールに対応したFabが、「D1D」(オレゴン)、「Fab 32」(アリゾナ)、「Fab 28」(イスラエル)、「Fab 11X」(ニューメキシコ)が現在稼働していることを示されたほか、インテルのFabが中国(大連)とベトナムで準備中であることが紹介された(大連のFabは旧世代のプロセスを使ったモデルの生産に使われる)。

kn_tukuba_01.jpgkn_tukuba_03.jpgkn_tukuba_04.jpg 2006年から2008年における主要半導体企業の売り上げ推移(写真=左)。インテルの生産設備投資と研究開発投資の推移(写真=中央)。インテルのFab。イスラエルのFab 28はもう少し早く稼働する予定だったが「ミサイルが10キロ先に落ちてきたら、みんないなくなっちゃって」(阿部氏)稼働が遅れたそうだ(写真=右)

 阿部氏は、プロセスルールの微細化について2010年の32ナノメートル、2012年の22ナノメートル以降のタイムスケジュールを示しながら、「22ナノメートルと16ナノメートルは現在デペロップの段階。11ナノメートルまでは技術的にも財務的にもインテルだけで開発することは可能だろう」という見通しを述べている。

 しかし、同時に、「次の10年間は難しいチャレンジになるだろう」という言葉とともに、これまであまり注目されていなかった“後工程”で、ピンの数が多くなったのに、PCメーカーからはパッケージのサイズをより薄く、より省スペースであることが求められるため、急速に難しくなっていることを明らかにした。「日本にパッケージを開発する部隊がいるが、彼らは、“うそっ!”と思うような、いままでの概念をまったく変える仕事をしている」(阿部氏)

 また、阿部氏は、Atomなどのバリューモデルの開発ではテスト工程におけるコストの圧縮が重要な課題となっていて、「接点式のテスターでは、消耗する接点部分の交換コストが大きな負担となるため、無接点式のテスターを考えている」など、新しいテスト方法の考案も現在進めていることを紹介している。

kn_tukuba_05.jpgkn_tukuba_06.jpgkn_tukuba_07.jpg インテルがこれまで開発を進めてきたプロセスルール。45ナノメートルを採用したP1266では、High-kメタルゲートを導入して45年間における半導体の歴史でも画期的な進化とインテルでは評価している(写真=左)。インテルが進めているプロセスルールのスケジュール。11ナノメートルまではインテルだけで実現可能だという(写真=中央)。インテルが示したこれからの開発における課題。特に後工程において困難が増している(写真=右)

 阿部氏は、開発が順調だった45ナノメートルプロセスルールと同様に、32ナノメートルプロセスルールチップの進捗も順調であることと、32ナノメートルプロセスルールを導入する新しいCPUでは、性能が格段に向上してプロセスルールの進化によるメリットが確実に認識してもらえると述べているが、その一方で、価格の下落傾向は依然として進んでいて、出荷数は増加しているのに売り上げが増えていかないという、半導体業界の問題も示した。

 阿部氏は、米国の経済状況についてもレクチャーしているが、主な指標であるCCI(Consumer Confidence Index、消費者信頼感指数)もISM(Insitute of Supply Management、製造業景気指数)も、史上最低を示しており、2009年になってやや持ち直しているが依然として低い水準であると説明する。ただ、米国政府が史上最大規模の経済対策を行っているほか、インテルとしては、「世界の8割の人はまだインターネットを使っていない」という潜在需要をアジアやアフリカなどで見込んでいる。ただし、これらの地域では、多くの人の所得が低い水準であるため、そのような人たちでも購入できるような価格が必要という考えも阿部氏は示している。

kn_tukuba_08.jpgkn_tukuba_09.jpgkn_tukuba_10.jpg 順調だった45ナノメートルプロセスルールと同じようなカーブを描いている32ナノメートルプロセスルールの開発進捗(写真=左)。32ナノメートルプロセスルールを導入したCPUは、スイッチング速度が従来から22%向上し、アイドル時電力消費は10分の1に減るという(写真=中央)。出荷数は増えているのに売り上げは確保できていない(写真=右)
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