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» 2009年08月27日 15時38分 公開

409グラムで10時間駆動:“Windowsの呪縛”から逃れた超小型マシン――シャープ「NetWalker」に迫る (3/3)

[瓜生聖,ITmedia]
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ubuntu 9.04を採用、利用できるのはARM系のパッケージ

 NetWalkerのOSはシャープカスタマイズ版のubuntu 9.04、つまり現在最も人気のある最新ディストリビューションの1つが採用されている。

 WebブラウザにはFirefox、メールソフトにThunderBirdといったインターネット関連アプリを搭載しているほか、PDFなどのドキュメントビューアとしてEvince、OpenOffice.orgのWriter、Calc、Impressが搭載されており、「出先でメールを受信したものの、添付ファイルが開けない」ということはない。そのほか、メニューには登録されていないがマルチプロトコルメッセンジャーのPidgin、リモートデスクトップサーバのvinoなどもインストール済みだ。

OpenOffice.org Word Processor(Writer)はWordと互換性がある。フォントの問題はあるものの、内容確認程度なら問題ない

Excelと互換性のあるOpenOffice.org Spreadsheet(Calc)。グラフの表現などに差異が見られる

OpenOffice.org Presentasion(Impress)。PowerPointと互換性があるが、図形は崩れやすい

 もちろん、ubuntuのパッケージマネージャー「Synaptic」も利用できる。x86とは互換性がないためARM系のパッケージにはなるが、それでもかなりの数のパッケージが用意されている。

アプリケーションの追加と削除では情報が整理されており、分かりやすい。Adobe Flash Plugin 10は残念ながら未対応だ(画面=左)。Synaptic パッケージ・マネージャの画面。好きなアプリを簡単に導入できるのはうれしい(画面=中央)。メニューに登録されていなくてもインストール済のアプリケーションもあるようだ(画面=右)

 そのほか、CPUに統合されたマルチメディア機能が生きてくるのは動画再生だが、対応動画フォーマットはMPEG4、VC-1、H.264、FLV、音声がMP3、HE-AAC、WMAとなっており、試した限りではMPEG2やWMV、DivXなどは再生できなかった。また、評価機に搭載されていたFLASHプレーヤーは「Flash Player Lite 3.1」と思われ、YouTubeは再生できるがニコニコ動画はバージョンチェックで拒否されてしまった。

 ただし、アプリケーションが対応すれば再生できるようになる可能性はある。幅広いフォーマットに対応するVLCプレーヤーをARM系ubuntuで動作させるための情報サイトも存在するようなので、自己責任のうえでチャレンジするのもいいだろう。

評価機に搭載されていたFLASHプレーヤーのバージョンはAFL 9,1,122,0(画面=左)。YouTubeは再生可能。ただしHDは不可だった(画面=中央)。ニコニコ動画は不可(画面=右)

電子辞書サイズのLinuxマシン

 NetWalkerの話を聞いた当初、フルキーボードを備えた409グラムの超小型ボディということで、ポメラの対抗馬となり得るのではないかと思ったのだが、NetWalkerのキーボードが文書入力向きではないことは明らかだ。むしろ、ポメラが切り捨てたものに特化したマシンという印象を受ける。それでは、VAIO Type Pと比べるとどうか、と考えると、「用途次第では十分」と評価するに十分なポテンシャルを持っていると感じた。

 NetWalkerは、出荷時こそWebブラウザ、メール、ワードプロセッサ、表計算など、実用性の高いアプリケーションだけに絞り込まれているが、そのうえでいくらでもユーザーの好みに応じたカスタマイズを施すことができる。生粋のubuntuであるだけに、メーカーであるシャープだけでなく、ubuntuコミュニティやFreescaleなど、多方面のサポートが期待できるのも大きいだろう。見た目のエレガントさとは裏腹に、ガジェット好きに「いじりがいがありそうだ」と思わせる、ゼロスピンドルの超小型Linuxマシンだ。

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