10月22日に発売されるWindows 7のセッションも盛り上がった。マイクロソフトの森洋孝氏は、同OSの日本語版キャッチコピー「あなたとPCに、シンプルな毎日を。」を発表し、デモを交えながら主な機能をおおまかに解説した。
特にユーザーの関心を集めたのは、OS側がアプリケーションのバグを検出して学習しながら問題を回避する「フォルトトレランスヒープ」だ。デモでは、Windows 7上で意図的にメモリ関連のバグを含めたアプリケーションを起動し、1回目では強制終了されたものの、2回目はバグが回避されて問題なく動作した様子をみせた。
しかし、これは上手くいきすぎだったようで、森氏は「同じアプリケーションで予行演習したら5回目にはじめて起動したのに……。だいたい2〜3回起動を失敗するので、将来なにかエラーに当たった場合は数回試してみてください」と注釈していた。
セッション後、森氏は「Windows 7の解説については、Vistaとは逆のアプローチをとっている」と語っていた。「Vistaは『ここが新しい!』といった部分を前面に出していていましたが、7では信頼性や処理速度の速さなど、これまでユーザーの皆さんがOSに求めていた部分をまずはアピールしていきたいと思っています。ケータイ動画やAVCHD動画もOS標準で再生できるようになるなど、とにかく手間がかからない仕様になっているので、これからどんどん紹介していきたいですね」という。
森氏は、OS発売前後まで一般ユーザーに向けたプレゼンの場に多数参加することが予想される。このため「まだスポットを当てていない機能はいっぱいあります。OS発売まであと8週間しかありませんが、それまでにもいろいろな場で小出しにしていきたいと思います。楽しみにしてください」と話していた。
この間近に控えたWindows 7の登場が、イベントタイトルにかかっている。土居氏は「Windows 7の登場が迫った空気のなかで、今回はちょっと先にイベントをやりたかったんですよ」と、9月12日にアキバでユーザーイベントを予定しているインテルを意識した発言をしていた。「PowerPointで動画再生支援する機能も含めて、AMDはすでにWindows 7 Readyですよとアピールできればと思っています」とのことだ。
こうした7前の動きは、PC関連メーカーに共通している側面がある。協賛メーカーの某社は「Windows 7が起爆材になってくれないと、本当に辛いことになります。我々もOS登場前に何かイベントを打って、7の波に乗ろうと考えています」と話していた。また、AMDも今回だけで済ませない様子。日本AMDのあるキーマンは「10月22日までに、もう一度、競合他社に対抗できるようなキャンペーンを打ちたいです」と漏らしていた。
なお、じゃんけん大会前には「兄貴のCPUロードマップ」も公開された。現在の計画として、メインストリーム向けCPU「Athlon II X3」と同「X4」、TDP 65/45ワット版の新しいラインアップを今年中に出す予定があるという。「TDP 25ワット版の投入は厳しいですが、それ以外は積極的に投入していきます」とのことだ。
そして、今回のじゃんけん大会は、非売品の高性能CPU「TWKR」が手に入るとあって、普段以上に加熱していた。用意したのはAMD本社社長のサイン入りで、土居氏は「TWKRは世界で100個ありますが、おそらく社長のサイン入りはこれだけだと思います」とユーザーの物欲を高めていた。
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