究極の色再現を目指した24.1型ワイド液晶ディスプレイ――「ColorEdge CG243W」に迫るカラマネ対応モデルは新世代へ(4/4 ページ)

» 2009年09月01日 10時00分 公開
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ColorEdge CG243Wの存在理由とは?

 さて、CG243Wほどの調整精度がなぜ必要なのかといえば、他者の手も介在するようなカラーマネジメントシステムに組み込むには、わずかな色のズレでも最終的な出力結果が大きく異なってくるためだ。

 現状のカラーマネジメントシステムとは、いわば伝言ゲームであり、伝達する情報の精度が低く、介在する環境の数が増えるほど精度が維持しにくくなる。特にRGBとCMYKなど、まったく異なる発色特性の色を擦り合わせる場合には、どう頑張っても完全には一致しないため、近似色で代用することになる。このような場合、製作時はわずかな違いであっても、印刷後には大きくかい離してしまうことも少なくない。そこで、カラーマネジメントシステム内のデバイスは、揺らぎのない安定した状態を維持する必要があるのだ。

 そして、しっかりとした精度の表示環境を用意していれば、デジタルデータの恩恵を存分に享受できる。商業印刷の一例を挙げると、クライアントの依頼を受けた出版社は、印刷するデータを作成し、印刷会社にデータを渡す。印刷会社は最終的な印刷前に色校正用の校正紙を出版社に送る。そして、出版社はクライアントに校正紙を送り、修正内容をまとめた校正紙を出版社に送り返し、校正紙を刷り直して修正し直すか、最終的な印刷に進むというワークフローになる。ここで紙やインク、配送料といった金銭的なコストと、印刷処理や配送時間という時間的なコストが生じてしまう。

 だが、印刷所、出版社、クライアントの各所でディスプレイの表示環境をそろえることができれば、リモートプルーフ(遠隔校正)という手段が利用できる。要は同一のデータを同一の色で表示できるように調整したディスプレイを各地に用意し、画面上で校正をするわけだ。このワークフローでは校正紙そのものを削減できるか、校正紙のやりとりをする回数を減らすことができ、かなりのコスト削減が見込める。コスト面だけではなく、作業的にもフローがスッキリとするので、ミスを少なくできる可能性もある。ローコストでかつ作業効率も向上するという理想的な環境が構築できるわけだ。

 とはいえ、現状では各社で同一の表示環境をそろえることは難しい。例えば、色を直接扱う作業をする出版社と印刷所の間でカラーマネジメントが行えても、クライアント側が表示環境を整えていないケースもあるだろう。

 しかし、この場合でもCG243Wならば悲嘆することはない。ColorNavigatorでクライアント側の表示環境をエミュレートすることによって、最低限の整合性を取ることができるのだ。あらかじめ、クライアント側での表示環境が分かれば、「ここの青色は、実際のデータではもう少し彩度が高く、実物の見た目に近い発色になる」などと、色の傾向を正確に伝えやすくなるだろう。

初期設定のAdobe RGBに近い色域でキャリブレーションした表示(写真=左)と、クライアントの表示環境を想定したsRGBに近い色域にキャリブレーションした表示(写真=右)。空や海の青色がかなり違っているが、クライアントの表示環境が分かれば、データ上での校正時に意思の疎通がとりやすいだろう

 こうした多岐にわたる表示環境に対応しなければならない場合でも、ColorNavigator Agentで即座に表示を切り替えられ、作業効率はいや増すというものだ。さらに部署内で複数台のCG243Wを導入すれば、作業者ごとの色味のバラツキが抑えられ、効率や品質の向上が図れる。

 ちなみに、ナナオが無償で提供する色覚シミュレーション用ソフトウェア「UniColor Pro」を使えば、色覚障害を持つ人の「見分けにくい色」をシミュレーションすることも可能だ。色覚が正常な人が代表的な色覚障害であるP型(第1色弱)もしくはD型(第2色弱)を抱える人の見分けにくい色を画面上で確認できるため、誰が見ても視認性が高いカラーユニバーサルデザインを実践するのに役立つ。

オリジナルモード(写真=左)、P型モード(写真=中央)、D型モード(写真=右)の表示例。P型やD型のモードでは、赤系と緑系の色が見分けにくいことが分かる

 商業印刷だと話が大きくなりすぎるという人は、インクジェットプリンタで写真を出力する場合を考えてみてほしい。液晶ディスプレイの画面表示とプリントの色が合わずに、同じ写真データを何度もプリントし直した経験はないだろうか。写真印刷1枚あたりのコストはせいぜい十数円でも、1つの作品を仕上げるためには数倍のコストがかかり、それ以上にトライ&エラーで無駄な時間を要することで、創作意欲がそがれてしまう。

 しかし、CG243WとColorNavigatorを組み合わせれば、プリントする用紙ごとの白色を測定し、常に画面表示とプリントの色味が近い状態に保つことが可能だ。画面上のRGBによる発色と、プリント上のインクによる発色に多少の違いが生じたとしても、液晶ディスプレイの表示傾向が近似色で定まっていれば、どこを補正すればいいのかが把握しやすい。異なる写真用紙やアート紙を使い分ける場合も、用紙ごとにカラーマッチングしておけば、即座に画面表示を切り替えることができ、気持ちよく写真作品を仕上げられるだろう。

用紙の白色を測色している様子(写真=左)。紙はフォトフレームなどを使ってプリントを評価する時と同じ角度に固定すると、正確さが増す。印刷用紙はエプソンの「MAXART K3」シリーズと「EPSON純正用紙」でマッチング精度を検証済みという。紙の白色を測色してキャリブレーションし、画像表示の隣りにプリンタでの出力サンプルを並べた例(写真=右)。ディスプレイの発色とインクの発色は完全に一致はしないものの、実物の色はかなり近くなった


 このようにCG243Wは表示品質や機能など、CG242WやFlexScan SX2462Wにはない魅力を多数備えている。ColorNavigator Agentや3種の入力系統など、利便性に大きな影響を与える機能も装備しており、今までは疎ましかったカラーマネジメント環境の構築もより手軽に行えるようになった。仕様も将来を見据えたものであり、末永く愛用できそうだ。

 昨今は液晶ディスプレイの価格破壊が目立つが、その中にあってもCG243Wの18万8790円という直販価格は決して高い印象を与えない。ナナオが蓄積してきた数々の独自技術に、出荷前の個別チューニングを組み合わせることで実現した確かな表示性能、そして高機能かつ使い勝手のよいハードウェアキャリブレーション環境が一度に得られるからだ。CG243Wは単に高品位な液晶ディスプレイではなく、デジタルワークフロー全体の信頼性と作業効率をワンランク上に引き上げてくれる可能性を秘めている。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年9月30日