“7時代”の新チップセットが光った8月のアキバ5分で分かった気になる、8月のアキバ事情(1/2 ページ)

» 2009年09月04日 12時01分 公開
[古田雄介,ITmedia]

「マイナーチェンジとあなどるなかれ」――初旬に登場したAMD 785Gマザー

ギガバイトは初日から、Socket AM3&DDR3対応の「GA-MA785GT-UD3H」など5モデルを投入していた

 AMD 780Gの後継となる新チップセット「AMD 785G」を搭載したマザーボードが、8月4日から複数登場している。初日に店頭に並んだギガバイトやBIOSTAR、ASRock製品に加え、お盆にかけてASUSTeKやMSIなどのモデルも加わり、AMDマザーコーナーで定番化している。価格は8000円前後から1万3000円前後となっており、Socket AM3/AM2版がそろう。また、Socket AM3版にはDDR3/DDR2対応の2タイプがみられた。

 8月の店頭では目立ったヒットは確認できなかったが、徐々に売れ行きが上向いているという。TSUKUMO eX.は「AMD 780Gマザーから買い換える人は少ないみたいですね。新しくマシンを組むという人に選ばれる傾向にあります。これからWindows 7マシンを組むというAMD派にヒットするのではと思います」と語っていた。

 一方、AMDは8月29日にユーザーイベント「一足早いカウントダウン Get ready with AMD」を開催し、AMD 785Gのグラフィックス性能をアピール。“兄貴”こと日本AMDの土居憲太郎氏は「動画再生支援機能UVD2を搭載したことで、チップセット内蔵グラフィックでもHD動画の扱いやちょっとしたゲームまで十分に楽しめるようになっています」と話していた。

 また、CPUは現行ハイエンドの「Phenom II X4 965 Black Edition」がお盆期間に登場。3.4GHz動作のクアッドコアCPUで、価格は2万6000円前後となる。X4 965の発売にあわせて従来の上位モデルに価格改定が入り、3.2GHz動作の「Phenom II X4 955 Black Edition」が2万1000円前後の価格で再ヒットする現象も起きている。クレバリー1号店は「今はCPUとマザーボードをワンセットで切り替える人が多いので、『新CPUが出たからAMD 785Gを買おう』という動きもあります。ハイエンド構成でも10万円で十分というのがAMDの強みですね。Windows 7はちょっと高価なので、トータルで安くできる構成は歓迎されるでしょう」と話していた。

ASUSTeKから登場したAMD 785Gマザー(写真=左)。AMD「Phenom II X4 965 Black Edition」(写真=中央)。「一足早いカウントダウン Get ready with AMD」で熱弁を振るう土居氏(写真=右)

34ナノSSDを投入しながら、P55の前奏曲を奏でるインテル

インテル「X25-M SSDSA2MH160G2R1/R5」

 インテルの8月の新製品でもっとも注目を集めたのは、29日にリテールボックスで再デビューを果たしたSSD「X25-M」シリーズの新モデルだ。34ナノメートルで製造しており、160Gバイトの「SSDSA2MH080G2R1/R5」と80Gバイトの「SSDSA2MH160G2R1/R5」を投入している。価格は5万円前後と2万6000円前後。7月末にファームウェアの不具合が原因で販売中止となっていた茶箱版も同時期に販売が再開されているが、「リテール版は3.5インチベイ用のマウンターを付属しながら価格もほとんど変わらないので、今後の主力になるでしょう」(T-ZONE.PC DIY SHOP)という。

 そのほかにも、1万円前後で買える2.93GHz動作のデュアルコアCPU「Pentium Dual-Core E6500」をお盆前に投入したり、9月初旬に向けてデュアルコアタイプのCeleronを販売するなど、エントリー向けCPUの新製品も確認されたが、8月にもっとも注目を集めていたのは未発売の「Intel P55 Express」搭載マザーボードだった。Intel P55 Expressは、新しいCore iシリーズに対応するとウワサされるチップセットで、対応マザーボードにはLGA1156ソケットが装備されている。お盆明けから複数のショップでサンプル品が展示されており、関心を集めていた。

 価格や仕様、発売日などの詳細は不明ながら、あるショップは「9月初旬に登場すると思います。同時になるかは分かりませんが、対応CPUも近いうちに投入されるでしょう。現在のCore i7+Intel X58 Expressの組み合わせより安くマシンが構築できる可能性が高いので、現在P45マザーやCore 2シリーズを使っているユーザーを中心にヒットしそうな情勢です」と語る。なお、P55マザー周辺では深夜販売の実施もささやかれており、ツートップ秋葉原本店がP55マザーの脇に「深夜販売かよ…」という意味深なPOPを張り、クレバリーがブログで9月7日深夜からの販売イベントを予告するなど、まもなく大々的に発売される動きが予想されている。

 某PCパーツショップ店長は「7月8月は、例年より売り上げがはっきりと低くなる状況です。これはWindows 7に向けた買い控えと、目玉パーツがあまり登場しなかったことが大きいですね。しかし、P55マザーが登場すれば、Windows 7用にマシンを組むという人が一気に増えると思います。Windows 7は10月22日に発売されますが、購入して即楽しみたいなら、マシンは事前に組んでおくほうが余計なトラブルに見舞われる危険がないので安全ですしね。正直、まともに経営を続けるにはWindows 7にヒットしてもらうしかないです。P55関連も、その前哨戦として大いに注目しています」と期待を込める。

インテル「Pentium Dual-Core E6500」(写真=左)。P55マザーのサンプル品。詳細なPOPはないが、じっくり観察していくユーザーが多いという(写真=中央)。ツートップ秋葉原本店に張られた意味深なPOP(写真=右)

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