心地よく、ちょうどいい──薄く、軽く、さらに美しい「Na02mini-V」に弱点はあるか3万円台で購入できます(2/2 ページ)

» 2009年09月11日 10時00分 公開
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使いやすさに定評あるキーボードは健在

 続いて入出力環境と端子構成を見ていこう。まず入力デバイスの要となるキーボードは、キーピッチ17ミリ、キーストローク2ミリを実現する、従来モデルNa01miniのキーボードユニットを引き続き採用する。キーボード最右列の「¥」「[ 」「 ]」キーと、最下段右端の「/(め)」「\(ろ)」キーは横キーピッチが実測で約13ミリに縮小されるものの、これを除く主要キーにはゆったりと入力しやすい横幅が与えられている。強めにキーを叩いてもキーボードユニットに歪みが生じないため、高速でタイピングする場合も不自由さや、キーの押しにくさを感じることもない。また、BIOSの設定で左側「Ctrl」キーと「Fn」キーの位置を入れ替えられるできる同社独自のギミックは本機でも健在で、好みに応じてキー配列を調整できる。

photophoto 横キーピッチ約17ミリ/キーストローク約2ミリの日本語85キーボードと2ボタン(シーソー型の1ボタン形状)仕様のトラックパッドを備える(左)。中央のトラックパッド部分、クリックボタンの下部にバッテリーや無線LAN、HDDアクセスランプを実装するので、PCの動作状況も把握しやすい(右)

 アプリケーション起動用の独立ワンタッチボタンは搭載しないが、Fnキーとの組み合わせによるショートカット機能を利用できるので、液晶の明るさ調節(全16段階)や無線LAN機能の電源のオン/オフ、スリープ状態へ移行といったよく使う機能を手軽に操作できる。

 ドライバソフトに「Finger-sensing Pad」を採用したタッチパッドは、操作面の右端や下端を使った上下/左右スクロール機能やタッピング機能といった、ジェスチャー操作が行える。ボタンは、一体化された左右クリックボタンを搭載し、デザイン性とともにハードウェアとしても極めてシンプルなつくりとなっている。クリックボタンは奥行きが短く、ストロークも深くはないが、クリック時にははっきりと感触が返ってくることから、操作性は思いのほか良好だ。なお、ノートPCではキーボードから文字入力を行っている最中に親指がタッチパッドに触れ、思わぬ誤動作を引き起こすこともあるが、Na02mini-Vは、タイピング中にタッチパッドを非動作にし、誤動作を防ぐ機能も備わる。Finger-sensig Padドライバの「タイピング認識」機能で設定可能だ。

photo 1024×600ドットの10.1型ワイド液晶ディスプレイ(グレアパネル)を搭載する(右)

 液晶ディスプレイは、従来モデルのノングレアパネルから、表面に光沢処理を施したグレアパネルへと変更されている。グレアパネルは、より鮮やかな発色を得られる反面、強い光源の映り込みによる視認性の低下が懸念されるが、これは使用する環境により長短の分かれるところだろう。なお、ディスプレイの表面に貼ってノングレア化するフィルムは、オプションとして後日登場する予定。屋外での利用を想定するなら導入を検討しておくといいだろう。

 本体をひざの上に乗せて使用した時の視認性は、ディスプレイを本体に対して90度に立てた状態では画面全体の発色が白く変化し、文字が読みづらくなる傾向があるものの、ディスプレイをわずかに奥に倒せば(つまり、一般的に使用するディスプレイの角度にすれば)、画面のほぼ全域で正しい発色を得ることができた。この状態から、ディスプレイを最も寝かせた状態までが視野角の範囲となることから、光源の映り込みが気になる場合もパネル角度の調整で視認性はきちんと確保できる。

 インタフェース類は、電源端子を含む全ての端子が左右の側面に搭載されている。本体サイズがコンパクトなので、奥側にある端子類にも簡単に手が届くことはもちろん、電源コネクタや100BASE-TX対応LAN端子、アナログRGB(D-Sub)出力端子といった、やや太いケーブルを装着する端子や、ケーブルを常時接続する端子を本体の奥側に搭載する構成なので、抜き差し頻度が高い3基のUSB 2.0やメモリカードスロット、ヘッドホン端子などもケーブルに邪魔されることなく利用できるのが好印象だ。なお、底面にはメンテナンス用のポートは一切用意されておらず、メモリスロットや内蔵HDDにアクセスするには上面からキーボードを取り外して行う。ただし、ユーザーの手によるメモリやHDDの交換作業を行った場合には保証の対象外となる点には十二分に注意してほしい。


photophoto 本体左側面にセキュリティロックスロット、アナログRGB(D-Sub)、USB 2.0、排熱口、ヘッドホン出力/マイク入力があり、右側面にメモリカードリーダー(SDHC対応SDメモリーカード、MMC、メモリースティック/メモリースティックPRO)、USB 2.0×2、100BASE-TX対応有線LAN、DC入力、そして電源ボタンをヒンジ部に備える。使用頻度の高いUSBポートは、きちんと左右に分割して配置してある

Netbookクラスでは、満足できるパフォーマンスを発揮

ベンチマークテスト Na02mini-V
PCMark05 PC Mark 1650
CPU 1556
Memory 2495
Graphics 631
HDD 4471
3DMark06
(1024×768ドット)
3DMarks 90
SM2.0 41
HDR/SM3.0 N/A
CPU Score 513
FINAL FANTASY XI
Official Benchmark 3
Low 1533
High 1090

 最後にベンチマークテストの結果から性能を再確認しよう。本機のOSはWindows XP Home Edition(SP3)のみが選択可能となっており、今回のテスト機も市販モデルと同じ環境でテストを行っている。また、全てのテストは外部ディスプレイを接続した状態で計測しており、内蔵ディスプレイとして利用した場合とはパフォーマンスに若干の誤差が生じる可能性があることをお断りしておく。

 PCの総合性能を計測するPCMark05は、CPU性能の強化が奏を功し、従来モデルNa01miniより良好なスコアを残した。仕様がほぼ共通する製品がほとんどであるNetbook全体の中でも見劣りしない結果といえ、パフォーマンスに関しては不満を感じることはないだろう。3DMark06やFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3といったグラフィックス系のテストはグラフィック機能のIntel GMA950の性能が十分でないため、3Dゲームを快適にプレイするには至らないスコアではあるが、こちらもNetbookとしては標準的な結果だ(3Dゲームを存分に楽しみたい人は、構成を自由にカスタマイズ注文できる同社の他モデルをおすすめしたい)。Netbookが想定する用途で利用する限り、本機の総合性能は十分に満足できるレベルにある。


photo 同社のNetbook第一弾「Na01mini」と並べたPCMark05の結果。すべての項目において(わずかだが)値が向上している

photo 31.5Whの標準バッテリーで約3時間駆動する(カタログ値)。2倍の容量を持つ長時間バッテリーも後日発売予定。ACアダプタはプラグケーブルが太くて少々かさばるが、85(幅)×36(奥行き)×26.3(厚さ)ミリ、重量約200グラムと、そこそこ小型。携帯するのも大きな苦にはならないだろう

 バッテリー駆動時間のテストは、海人氏作の「BBench 1.01」を利用した。標準バッテリーは11.25V/2800mAhの3セルリチウムイオンバッテリーで、カタログ値による最大駆動時間は約3時間となっている。テストは電源設定を「ポータブル/ラップトップ」とし、ディスプレイの明るさを最大、10秒ごとにキーボードを押下、60秒ごとにインターネット巡回を行う設定でテストを実行。フル充電状態からバッテリー残量がゼロになるまでの駆動時間は、有線LAN接続で約2時間39分、無線LAN(IEEE802.11n)接続で約2時間23分5秒となった。

 無線LAN接続は、有線LANより駆動時間が短くなるのは仕方ないが、それでも大きな差はなかった。カタログ値3時間駆動の標準バッテリーにおいて、じっくり2時間以上利用できるならば、それは満足の行くバッテリーライフといえる。さらに、液晶の明るさを下げるなど節電に留意すれば、公称値に迫る実駆動時間を得ることも不可能ではなさそうだ。なお、容量2倍/6セルの長時間バッテリー(後日発売予定)も追ってオプションに加わる予定だ。より長時間のバッテリー駆動が必要ならば、こちらを追加購入しておくといいだろう。


軽さと薄さの追求でNetbookの理想像に限りなく近づいた1台

photo  

 Netbookのメリットは、家庭やオフィスの据え置きPCで使い慣れたWindows環境を、手軽に屋外に持ち出して利用できる点にある。

 つまり、軽く持ち運びやすい製品こそがNetbookの優等生なのだ。この点、従来モデルより大幅な軽量化と薄型化を果たし、可搬性を大きく強化しつつ、デザイン性も考慮したNa02mini-Vは、Netbookの理想の姿を目指して正常進化を遂げた1台である。

 屋外において唯一気にかかるグレアパネルの視認性については、オプションのノングレア液晶フィルム(後日発売予定)を導入することで解決できるほか、今後オプションの追加が予定される大容量バッテリーによってさらなるバッテリー駆動時間の延長が図れるとなれば、およそ弱点と呼べる部分は見当たらない。加えて、デザインの一新で“上品さと”いう付加価値も手に入れたことも相当の高い購入検討ポイントだ。Netbookを選ぶ上で必ず購入候補に加えておきたい存在といえる。


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提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年9月30日