2009年からノートPCの新製品を意欲的にリリ−スし、PCメーカーとしてのイメージが日本でも定着してきたエムエスアイ・コンピューター・ジャパン(以下MSI)から、ノートPCの新製品が発表された。「X-Slim X400」(以下X400)は、14型ワイド液晶ディスプレイを搭載した薄型ノートPCだ。同社のX-Slimシリーズには13型ワイド液晶ディスプレイを搭載して本体の厚さが19.8ミリという薄さとスタイリッシュな外見で、世界中のユーザーにインパクトを与えた「X340 Super」があるが、X400はその14型ワイドバージョンになる(X340 Superの詳細は薄くてカッコイイのに低価格──X340 Superの“美しいバランス”を知るを参照のこと)。
X400のスペックもX340 Superの拡大版といえる。CPUにはインテルのCULV版CPUであるCore 2 Solo U3500(動作クロック1.4GHz)を採用し、メモリは初期状態で最大容量の2Gバイトを搭載する。HDDは2.5インチ9.5ミリ厚の320Gバイトのほか、500Gバイトが選択できる。なお、X340シリーズと同様、本体に光学式ドライブは装備していない。
本体サイズは349(幅)×234(奥行き)×24.5(厚さ)ミリで、重さは4セルバッテリー搭載時で約1.5キロ。X340 Superが330(幅)×224(奥行き)×19.8(厚さ)ミリで約1.3キロだったのと比べると、ディスプレイが大きくなっただけ本体もサイズアップしているが、それでも、見た目のわりには十分軽量といえる。スタイリッシュな外観も受け継いでいるが、X400にはキーボード側にブルー(ホワイト・ブルー)やメタリックシルバー(ブラック・シルバー)の縁取りが施されるなど、高級感の中にも遊び心を感じさせるデザインになっている。
インタフェース類は、左側面にアナログRGB出力、有線LAN(ギガビット対応)、HDMI、カードリーダー(SDメモリーカード、SDHCカード、MMC対応)を装備し、右側面にはマイク、ヘッドフォン、USB 2.0×2を用意する。このほか、ディスプレイ上部に有効画素130万画素のWebカメラを内蔵する。無線LANはIEEE802.1b/g/n(nはドラフト2.0準拠)に対応するが、BluetoothはキーボードのF9キーにアイコンの刻印があるものの標準構成では搭載せず、オプションで選択可能となっている。
X400でも本体の薄型化を優先させたため、インタフェースの仕様はX340 Superと同じく必要最低限となっており、14型ワイドディスプレイを搭載するノートPCとしてはやや物足りない。特に、USB 2.0が右側面にしかないというのは使いにくい。できれば左側に1ポート用意してほしかったところだ。ただ、HDMIポートを装備しているのは、テレビをつないでHD動画の再生ディスプレイとして簡単に利用できるなど、ホームユースでは便利だ。
14型ワイドモデルということでキーボード全体がゆったりとした配置になっている。X340 Superで気になったキーボードの剛性感だが、多少改善されているように感じた。X340 Superではとくにキーボードーの右半分のキーを押し込むと、キーがかなりたわむ感じがあったが、X400では、キー押し込むとたわむ感じはするものの、X340 Superよりも沈み込みは少ないように思えた。このあたりは製品版でさらなる改良を期待したい。
ポインティングデバイスはパームレストに実装したタッチパッドを利用する。最近のノートPCでよく見られる、左右ボタンがつながっているタイプだが、パッドの横幅が十分広いこともあって、まずまずの使い勝手になっている。
液晶ディスプレイはすでに触れたとおり14型ワイドで、最大解像度は1366×768ドットとX340 Superと同じだが、画面サイズが大きくなったおかげで、アイコンや文字などの表示は大きく、ゆったりした感覚で使えるようになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.