セイコーエプソンは9月15日、大判インクジェットプリンタ「MAXART」シリーズの新モデルとして、「PX-F10000」と「PX-F8000」を発表した。いずれも10月8日に発売する。PX-F10000はB0プラス対応、PX-F8000はA1プラス対応のモデルだ。それぞれ2007年10月に発売された「PX-9550S」と「PX-7550S」の後継機となる。
価格はPX-F10000が59万8000円、PX-F8000が29万8000円。PX-F8000は、ポスター作成、拡大コピー・長尺印刷、のぼり作成、CADといった用途向けのソフトや消耗品を付属した各種セットモデルも販売する。
PX-F10000とPX-F8000は流通、小売業、サービス業でのPOPやポスター作成、文教市場での校内掲示物、教材作成、CADでの大判印刷などをターゲットにしたプリンタ。エプソン販売 取締役 マーケティングセンター長の中野修義氏は、製品コンセプトとして「速い(生産性)、優しい(簡単)、使える(POPに最適)」の3点を挙げ、「高画質に加えて、高い生産性と使いやすさも追求することで、流通や小売業においてPOPやポスターを内製していただくうえでの課題を解決する。これらの新製品で、不況に伴い低迷する国内大判インクジェットプリンタ市場を活性化させたい」と述べた。
インクは全色PX-P顔料インクを用いており、耐光性50年、耐オゾン性60年をうたう(プロフェッショナルフォトペーパー<厚手光沢>使用時)。インクセットはマットブラック、フォトブラック、ビビッドマゼンタ、シアン、イエローの5色で構成される。マットブラックとフォトブラックは用紙によって自動で切り替える仕組みだ。フォトブラックにより光沢系メディアの印刷品質を高めつつ、ビビッドマゼンタによりPOPやポスターでの利用頻度が高いレッド、オレンジ、ブルーの発色を向上させ、色域を広げた。
プリントエンジンは新開発のMicroPiezoTFヘッドを搭載し、従来機のPX-9550S/PX-7550Sに比べて2倍(360dpi)の高密度化と約2倍の高速化を実現。新ロータリーカッターを装備することで、用紙カットの速度も約4秒に高速化し、耐久性も向上させた。約15秒でドット抜けを自動検知・クリーニングする自動ノズルチェックシステムや、ランニングコストを低減する700ミリリットルの大容量インクカートリッジも採用する。
スピンドルレス用紙フォルダの採用で用紙交換の手間を減らしたほか、液晶モニタをカラーにしつつ、操作ボタンを独立化したコントロールパネルを装備。マイクロソフトのWordやExcelなどで作成した印刷データを大判サイズで印刷するための「ポスターレイアウト」機能も持つ。
また、オプションとしてPostScriptファイルを大判印刷できる専用RIPソフト「CPSソフトリッパーLite2」、テンプレートと素材を備えたPOP/ポスター/掲示物印刷ソフト「かんたん!POPプリント StandardEdition2」、最長15メートルまでの横断幕や垂れ幕などを作成できる「長尺FACTORY」、チラシや小さな写真をコピー感覚で大判ポスターにできる「EPSON COPYFACTORY5」などのソフトも用意する。
なお、エプソンは同日A1プラス対応モデル「PX-7550S」の価格改定も行い、29万8000円から22万8000円に値下げした。垂れ幕や横断幕を作成できるツール、各種テンプレートが付属する文教市場向けセットモデルも販売する。
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