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» 2009年09月16日 18時00分 UPDATE

ThinkPadを思わせるユーティリティとパワフルな構成──レノボ・ジャパン「IdeaPad U350」に満足する (2/2)

[長浜和也(撮影:矢野渉),ITmedia]
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ThinkVantageと同じ使いやすさをIdeaPadで

 IdeaPad U350には、ユーティリティソフト「Lenovo ReadyComm 5」や、「OneKey Recovery」、本体に内蔵するWebカメラを利用する顔認証ソフトの「Lenovo VeriFace 3.5」、Windows Vistaで用意された電力管理機能より細かい制御が可能な「Lenovo Energy Management」などのユーティリティソフトがインストールされる。

 レノボ・ジャパンでは、IdeaPadでもThinkPadに相当する使い勝手を実現すると説明会で述べていたが、例えば、Lenovo ReadyComm 5はThinkPadシリーズに導入された「Access Connections」のように無線接続設定を支援する機能を持ち、ObeKey Recoveryは、ウィザード形式でシステムのバックアップやリカバリーを実行するなど、その目的は、ThinkPadの「Rescue and Recovery」に近い。

 Lenovo ReadyComm 5から無線接続コントローラの電源オンオフができないことや、Lenovo Energy Managementに無線LAN、サウンドコントローラ、Bluetooth、有線LANの各コントローラで電源オンオフが設定できる機能がありながら、「スーパー省エネルギー」モードでしか使えないなど、ユーザーが自由に設定ができる構成になっていてほしい部分もあるが、コストパフォーマンスを重視したIdeaPadのラインアップでもThinkPadのようにユーザー支援を意識していることは、高く評価したい。

kn_ipu350_09.jpgkn_ipu350_10.jpgkn_ipu350_11.jpg 「Lenovo ReadyComm 5」では、無線接続の設定とプロファイル管理を行う(写真=左)。「Lenovoワイヤレス・デバイス設定」は、ThinkPadシリーズと同じくF5キーで呼び出される(写真=中央)。OneKet Recovery 6.0でバックアップイメージを作成する。3段階のステップで作業が完了するようにデザインされている(写真=右)

kn_ipu350_12.jpgkn_ipu350_13.jpg 「Lenovo Energy Management」の電源プランには「Energy Star」「高パフォーマンス」「バランスモード」「電力セーブ」「スーパー省エネルギー」が用意されている。それぞれのプランではディスプレイ(写真=左)とシステム(写真=右)でAC電源時とバッテリー動作時における挙動が設定できる

kn_ipu350_14.jpgkn_ipu350_15.jpgkn_ipu350_16.jpg スーパー省エネルギープランでは、ディスプレイ設定(写真=左)とシステム設定(写真=中央)のほかに、詳細設定として、サウンドチップやBluetooth、無線LANに有線LANの電源オンオフが設定できる。なお、このタブはスーパー省エネルギープランでのみ登場する

デュアルコアCULVの性能に満足。バッテリーもガシガシ使って4時間いける

電力管理モード 高パフォーマンス 省電力
PCMark05:PCMark 3237 2234
PCMark05:CPU 3674.0 1974.0
PCMark05:Memory 3510.0 1921.0
PCMark05:Graphics 1306.0 1029.0
PCMark05:HDD 5124.0 4993.0
PCMark05:HDD - XP Startup 8.4 8.0
PCMark05:Physics and 3D 60.3 35.4
PCMark05:File Decryption 41.5 21.6
PCMark05:Audio Compression 943.2 614.4
PCMark05:Video Encoding 327.4 172.0
PCMark05:Image Decompression 19.0 10.8
PCMark05:File Compression 4.0 1.6
PCMark05:HDD - Virus Scan 19.0 57.3
3DMark06:3DMarks 705 577
3DMark06:CPU 1215 733
CineBench10:Single Rendering 1646 867
CineBench10:Multiple Rendering 2885 1637
FinalFantasy XI Official Benchmark 3:Low 2320 1410
FinalFantasy XI Official Benchmark 3:High 1583 1005

 今回評価に用いたIdeaPad U350は、冒頭で紹介したように、CPUにデュアルコアのCore 2 Duo SU9400を搭載する。そのほかにも、メモリが4Gバイト、HDDもSerial ATA接続の500Gバイトを搭載するなど(評価機にはWesten Digitalの「WD5000BEVT-22ZAT0」が組み込まれていた)、そのスペックは実売価格が8〜9万円というモバイルノートPCとしては高い。そのIdeaPad U350の能力をベンチマークテストの「PCMark05」、「3DMark06」(3DMarksとCPU)、「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」、「Cinebench 10」で検証した。

 奇しくも、今週(2009年9月第3週)のPC USERでCULVを搭載したノートPCのレビューが連続して掲載されているが、MSIのX-Slim X400(ディスプレイとキーボードを改善して7万円を切った!──MSI「X-Slim X400」で遊ぶ)はCore 2 Solo SU3500を搭載し、ASUSのUX50V(大画面×スリムボディが新鮮なCULVノート――「UX50V」に迫る)は、IdeaPad S350と同じCore 2 Duo SU9400を採用する。UX50VはNVIDIAのGPU「GeForce G105M」を搭載してグラフィックス性能が有利であったり、X-Slim X400に搭載されたCore 2 Solo SU3500はシングルコアながら動作クロックはCore 2 Duo SU9400と同じ1.4GHzであるものの、評価機に導入されていたOSが英語版だっりと、プラットフォームごとに構成条件が同一でないので、横並びの評価は難しいところだが、それでも、CPUとメモリ、HDDの性能比較において、IdeaPad U350で測定したベンチマークテストの結果は、UX50Vと互角と考えていい。

液晶輝度、電力管理、システム負荷 消費電力(ミリワット)
高輝度、高パフォーマンス 9206
中輝度(5/11レベル)※手動設定、バランス 6453
低輝度(1/11レベル)※手動で設定、省電力 5772
中輝度、省電力、PCMark05 Multithreaded Test3 14534
中輝度、高パフォーマンス、PCMark05 Multithreaded Test3 18441

 IdeaPad U350のバッテリー駆動時間はレノボ・ジャパン公称値で約5時間とされている(JEITA測定法1.0)。ノートPCの消費電力を測定するユーティリティの「Ybinfo」(Yuryu氏作成 Yuryu's Bettery Information Ver.1.0)で調べたところ、評価用のIdeaPad U350に搭載されていたバッテリーの設計容量は61331ミリWhであった。このYbInfoを使って、電力プランと液晶輝度を変更したそれぞれの状態でシステムの消費電力を測定したところ、高輝度、高パフォーマンスプランでは約9000ミリワット、最低輝度、省電力プランで約6000ミリワットという結果になった。

 また、CPUでマルチスレッドを処理するPCMark05のMultithreaded Test 3テストを中輝度、省電力プランで実行したところ、消費電力は1万4534ミリアンペアに達した。これらの結果から、パッテリーが設計値どおりの容量である場合、IdeaPad U350は重い負荷を連続して実行しても4時間半程度は余裕で動作してくれると思われる。

 キーボードとパームレストにおける温度分布も測定してみた。評価中にキーボードとパームレストに手を置いていると、熱くて汗をかくというほどではなかったものの、左手が右手に比べて温かく感じた。しかし、実際に温度を測定したところ、パームレスト左側とキーボード左側がともに約31度、パームレスト右側とキーボード右側がともに29度とその差は少ない。また、左側の温度そのものの特に高熱というほどでもなかったことも測定結果からいえるだろう。


 Atomを搭載した低価格モバイルノートPCの多くは実売価格で5万円を切るモデルが当たり前になっている。多くのユーザーが、「モバイルノートPCは5万円から」という認識を持ってしまうまでにNetbookは普及したが、最近になって「Atomマシンのもっさり感がどうもね」と声が少なからず聞こえているのも事実だ。

 CULVの登場によって、Netbookとは格段に異なる快適なパフォーマンスが10万円を切るノートPCでも可能になった。IdeaPad U350のように、デュアルコアCPUとIntel GS45 Expressなどの最新チップセットに統合されるIntel GMA 4500MHDの組み合わせで、HDコンテンツの再生も問題なく対応できる。さらに、IdeaPad U350なら、標準で導入されるユーティリティソフトによってThinkPadシリーズを思わせる使い勝手も享受できる。

 「メールとWebブラウザだけじゃないんだよね」と思うようになってきた脱初心者ノートPCユーザーだけなく、最初のモバイルノートPCを探しているユーザーや、軽くてパワフルなモバイルノートPCを求めるベテランなど、幅広いユーザーに、IdeaPad U350は有力な候補となるだろう。

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