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» 2009年09月30日 11時11分 UPDATE

Intel Developer Forum 2009:WestmereでPCはこう変わる (1/2)

IDF直前にLynnfieldが発表され、IDFでClarksfieldが発表された。IDFが終わったら、いよいよ“32ナノ”のWestmereだ。そのメカニズムと機能をチェックしよう。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

NehalemとIntel Turbo Boostの関係

kn_idf04_01.jpg 米Intel PCクライアント部門ジェネラルマネージャー 兼 バイスプレジデントのムーリー・エデン氏

 IDFでは、米Intel PCクライアント部門(PCCG)ジェネラルマネージャー 兼 バイスプレジデントのムーリー・エデン氏がIDF期間に発表されたモバイル向けCPU「Clarksfiled」(開発コード名)の説明を行った。Clarksfieldのライブデモのほか、32ナノメートルプロセスルールを採用するWestmereの仕組みやメカニズム、そして、Westmereの次に控える「Sandybridge」(開発コード名)世代に関するヒントもいくつか提供された。ここでは、別に行われたNehalem、ならびにClarkdaleのアーキテクチャに関する技術セッションで得られた情報も交えて紹介する。

 Nehalemでは、それ以前のアーキテクチャから主に3項目の機能変更が行われている。1つがIntel Turbo Boostの採用、2つ目がPentium 4世代で導入されていたハイパースレッディング・テクノロジーの復活、3つ目が最大8Mバイトの3次キャッシュ、メモリコントローラの統合とDDR3サポートといった、メモリアーキテクチャに関する変更だ。

 この中で処理能力に最も貢献しているのが、Nehalemに実装される機能として最後まで明らかにされなかったIntel Turbo Boostの採用だ。モバイル向け“Penryn”コアCPUで初めて採用されたこの技術は、システム全体でTDPの上限を守りつつ、シングルスレッド動作時には、ほかのコアが休止してできる熱設計上限のマージンを利用して、特定のコアをクロックアップすることで、シングルスレッド時の処理能力を向上させる。

 いまでは、マルチコアやマルチスレッド処理が広く認知されるようになったが、シングルスレッド処理のアプリケーションやプロセスは依然として多い。そのような条件において、Intel Turbo Boostは高い処理能力を望むユーザーを満足させてくれる。

 この機能は、Clarksfieldこと「Core i7 モバイルプロセッサー」(以下、Core i7 M)でも導入される。「Core i7-920XM」「Core i7-820QM」「Core i7-720QM」の3モデルが、Core i7 Mのラインアップとして登場したが、これらはすべて、Intel Turbo Boostが利用できるほか、ハイパースレッディング・テクノロジーに対応しているので、最大8スレッドでの処理に対応できる。Clarksfieldに対応するプラットフォームは、Intel PM55 Expressチップセットになる。

 Intel Turbo Boostによる効果では、標準4コア状態で2.26GHzだった動作クロックが、2コア時で3.06GHz、1コア時で3.20GHzまで加速する。省電力とパフォーマンスは二律背反の関係にあるが、ノートPCでもパワーを求めるユーザーにとって、必要なときに高いパフォーマンスを発揮できるCPUは心強い。

kn_idf04_02.jpgkn_idf04_03.jpg Nehalemで導入された、Intel Turbo Boost、ハイパースレッディング・テクノロジー、メモリ構成の変更といった特徴は、すべてCore i7 Mでも採用される(写真=左)。Intel Turbo Boostの動作メカニズム。休止中のコアが増えるほど動いているコアの動作クロックが上がる。ただし、コアのクロックが上昇するのは一時的なものだ(写真=右)

Westmere世代で変わるもの

kn_idf04_04.jpg Westmere世代のClarkdaleとArrandaleで導入される2チップソリューションでは、グラフィックスコアがCPU側に統合されたことで、チップセット側の機能はさらに限定される

 Intelによれば、32ナノメートルプロセスルールを導入した最初のWestmere世代CPUが、2009年第4四半期にも市場に投入される。コンプリートPCにも、早ければ2010年の冬モデル、遅くても2010年の春モデルにWestmereが搭載されるだろう。ハイエンドモデルから投入されたNehalemとは異なり、Westmereではローエンドやミッドレンジなど、普及価格帯のセグメントから製品が投入される。

 2010年前半におけるインテルCPUのラインアップは、ミッドレンジからハイエンド向けはNehalem世代の「」「Bloomfield」「Lynnfield」「Clarksfield」が占め、バリューセグメント向けはWestmere世代の「Clarkdale」「Arrandale」というすみ分けになる。Westmere世代のハイエンドデスクトップPC向けモデルは「Gulftown」が投入されるが、それまで、2つの世代がセグメントによって混在することになる。

 Westmere世代で登場するClarkdaleとArrandaleの最大の特徴は、CPUパッケージにグラフィックスコアが統合されることと、3チップ構成だったプラットフォームがCPUとチップセットの2チップ構成になることだ。この変更がもたらすメリットは2つある。1つはCPUにグラフィックスコアを統合することで、グラフィックス関連のパフォーマンスが向上すること。2つ目はチップの数が少なくなることで、システム全体のコスト削減につながることだ。

 ClarkdaleとArrandaleは、従来までチップセット(ノースブリッジ)にあったメモリコントローラとグラフィックスコアの両方をCPUに移行する。チップセットには、それまでサウスブリッジにあったI/Oコントローラが残ることになる。なお、ディスクリートのグラフィックチップを増設する場合は、PCI Expressインタフェースを持つCPU側に接続することになる。ただ、ディスプレイのインタフェースはチップセット側に残るため、グラフィックスコアでレンダリングした画像情報をCPUからチップセットに送るためにFDI(Flexible Display Interface)と呼ばれる専用のインタフェースが用意される。

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