Atomベースのプラットフォームでは、小型端末への採用を想定したMenlowの後継として2010年にMoorestownが登場し、アイドル時の消費電力がMenlowと比べて50分の1に抑えられるようになる。スウィヌン氏は、Moorestownの次に登場して32ナノメートルプロセスルールを採用する予定のMedfiledでは、アイドル時消費電力や基板サイズがMoorestownからさらに減少すると説明している。
また、新しい電力管理技術としてMoorestownに導入される「パワー・ゲーティング」についてもスウィヌン氏は紹介した。Nehalemで導入されたこの電力管理機能は、アイドル時の電力供給をゼロに近いレベルまで抑制することが可能で、長時間のバッテリー駆動の実現に貢献することがデータとともに示された。
スウィヌン氏は、Moorestownを構成するCPUのLincroftとチップセットのLangwellの概要も説明した。45ナノメートルプロセスルールを採用するLincroftでは、CPUコアのほかにグラフィックスコアや、ビデオアクセラレーションエンジン、メモリコントローラ、ディスプレイコントローラが同じパッケージに統合されたSoCが採用される。
その一方で、多くの機能がCPUに統合されて、外部インタフェースを制御する機能が残されたLangwellには、WiMAX、WiFi、Bluetooth、そしてGPSのモジュールを実装した無線接続モジュールのEVANS PEAKや3Gモジュールが接続できるようになる。また、2チップ構成のMoorestownから、Medfieldではワンチップ構成を採用することも紹介された。
無線接続によるネットワーク利用では、日本のUQコミュニケーションズをはじめとして、世界各国でサービスを開始しているWiMAXが取り上げられた。キーノートスピーチにゲストとして登場したUQコミュニケーションズ CTOの渡辺文夫氏は、「利用できるユーザーからは、高速で通信できるWiMAXは高く評価されている。自分もWiMAXを利用しているが、自宅に戻っても、WiMAXで接続するので、WiFiを利用する機会が少なくなった」と、WiMAXの利便性と高いデータ通信速度をアピールした。
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