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655グラム/13.9ミリ厚の11.1型WXGA液晶搭載モバイルノート――「VAIO X」2009年PC秋冬モデル

» 2009年10月08日 12時00分 公開
[ITmedia]

薄型・軽量・スタミナを追求した新モバイルノートPC

「VAIO X」

 ソニーは10月8日、11.1型ワイド液晶ディスプレイ搭載モバイルノートPC「VAIO X」を発表した。店頭販売向けの標準仕様モデルと、購入時に仕様が選べるソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルを10月22日に同時発売する。

 標準仕様モデルのラインアップは、オフィススイートが付属しない「VPCX118KJ/B」と、Office Personal 2007を備えた「VPCX119KJ/B」の2モデルを用意。価格はオープンで、実売価格はVPCX118KJ/Bが11万円前後、VPCX119KJ/Bが13万円前後と予想される。VAIOオーナーメードモデルの直販価格は8万9800円からだ。


 VAIO Xは薄さ、軽さ、長時間駆動を重視したモバイルノートPC。性能は控えめだが、省電力で実装面積が小さく、低コストという特徴があるAtom ZのCPUを、低価格ミニノートPC用に使うのではなく、あえてハイグレードなモバイルノートPC用に使うことで、どれだけ薄型・軽量・スタミナで突出した“持ち歩いている感覚がゼロに近い”モバイルノートPCを実現できるかというコンセプトで作られている。

 CPUの選択以外にも、新設計の片面実装マザーボードや、液晶ディスプレイの薄型軽量化・低消費電力化、ボディ材質の工夫などにより、11.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載したノートPCながら、標準仕様モデルの場合で約765グラムの重量、最厚部でも13.9ミリの薄さ、標準で約10時間のバッテリー駆動時間を実現した。

 本体サイズは278(幅)×185(奥行き)×13.9(高さ)ミリで、前面から背面まで同じ厚さのフルフラットボディに仕上がっている。

液晶部は約3.85ミリ、ボトム部は約9.6ミリと非常に薄い(写真=左)。液晶とパームレストの縁を凹形状に削り落としたRigid Arc Designを採用し、見た目の薄さと液晶ディスプレイの開けやすさ、強度を確保している(写真=中央)。「VAIO」ロゴはプレミアム感を演出する光沢ゴールド仕様だ(写真=右)

VAIO Xの内部構造(写真=左)。キーボードの下にマザーボードとSSD、パームレストの下にリチウムポリマーバッテリーとメモリカードスロットを配置している。マザーボードは片面実装で、ユーザーが使用時にボディの発熱で不快にならないように冷却ファンを装備(写真=右)。片面実装マザーボードで懸念される基板の反り返りを抑えるため、設計段階から綿密なシミュレーションを行ったという

 さらにVAIOオーナーメードモデルでは、駆動時間が約4〜5時間になるSバッテリーを選択するなどした最軽量構成時で、約655グラムまで軽くなる。約655グラムという重量は、10型以上の液晶ディスプレイを搭載したノートPCでは世界最軽量としている(2009年10月8日時点、ソニー調べ)。

 加えて、約17.5〜20.5時間もの長時間駆動をうたうXバッテリーが用意されるのもポイントだ。Xバッテリーは本体底面に装着する大容量バッテリーで、ボディ底面とバッテリーの間に通気用の空間ができるように作られている。

 VAIOオーナーメードモデルにおけるSバッテリー装着時の重量は約655〜690グラム、Lバッテリー(標準仕様モデルと同等)装着時の重量は約745〜780グラム、Xバッテリー装着時の重量は約1045〜1080グラム。Xバッテリーを装着すると、本体後部の厚さは31.7ミリに増す。

2セルタイプのSバッテリーは、4セルタイプのLバッテリーと同じ外観だ(写真=左)。底面全体を覆う8セルタイプのXバッテリー(写真=中央)。Xバッテリーを装着した状態(写真=右)

 ボディの天板には、4層カーボンレイヤーの中央にプラスチックフィルムをサンドイッチ状に挟むことで、強度を維持したまま軽量化を実現したハイブリッドカーボンを新たに採用する。パームレストにアルミ、底面にはカーボン混入プラスチックを用いて、強度と薄型軽量を両立している。

 堅牢性については、150キロfの平面加圧振動試験をクリアしたほか、パームレストの端を持った状態でボディを揺らす片持ち振動試験や、液晶を開いた状態で底面の角から落下させる角衝撃試験などを実施した。

堅牢性試験の様子。左から、平面加圧振動試験、片持ち振動試験、角衝撃試験

 液晶ディスプレイは同社が「VAIOディスプレイプレミアム」と呼ぶ最上位グレードのものを採用。画面サイズは1366×768ドット表示(アスペクト比16:9)の11.1型ワイドで、RGB各8ビット表示、NTSC比100%の色域(u'v'色度図)に対応する。表面処理は発色のよさと映り込み低減の両立を図ったハーフグレアタイプだ。

 キーボードはキー間隔を離したアイソレーションキーボードを装備し、キーピッチは約17ミリ、キーストロークは約1.2ミリを確保する。2ボタン式のタッチパッドはマルチタッチジェスチャー機能に対応し、2本指を使ったズームやフリップなどの動作が行える。

1366×768ドット表示の11.1型ワイド液晶ディスプレイはハーフグレア処理で映り込みが低減されている(写真=左)。アイソレーションキーボードと2ボタン式のタッチパッドを採用(写真=中央)。タッチパッドは2本指によるジェスチャー機能に対応する(写真=右)

ストレージはSSDを全面採用、直販ではWiMAXも選択可

 基本スペックは、標準仕様モデルがCPUにAtom Z540(1.86GHz)、チップセットにIntel SCH US15W、メインメモリに2GバイトのDDR2 SDRAM、ストレージに64GバイトのUltra ATA SSD、プリインストールOSに32ビット版Windows 7 Home Premiumを採用。SSDは基板むき出しの小型モジュールとなっている。ボディカラーはブラックだ。

 通信機能は、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/nの無線LAN(11nはドラフト準拠、最大受信/最大送信速度150Mbps)、FOMA HIGH-SPEED対応の無線WAN、Bluetooth 2.1+EDRを装備する。有効画素数31万画素のWebカメラ、アナログRGB出力、SDメモリーカード(SDHC対応)スロット、メモリースティックデュオ(PRO-HG対応)スロット、USB 2.0×2、ヘッドフォン出力といったインタフェースも備える。

 VAIOオーナーメードモデルでは、Atom Z550(2.0GHz)/Z530(1.6GHz)のCPU、128Gバイト/256GバイトのSerial ATA SSD(チップセットとはUltra ATA変換アダプタ経由で接続)、モバイルWiMAX(無線WANと排他)、IEEE802.11a/b/g/nの無線LAN(11nはドラフト準拠、最大受信速度300Mbps/最大送信速度150Mbps)、32ビット版Windows 7 Professional、英字キーボード、直販専用カラー2色(プレミアムカーボン、ゴールド)などを選択できる。


ボディカラーは標準仕様モデルがブラック(写真=左)。VAIOオーナーメードモデルでは、ゴールド(写真=中央)、プレミアムカーボン(写真=右)の2つの限定カラーが選べる

オプションで用意される本革製キャリングケース「VGP-CKX1」は9980円(写真=左)。ヘリンボーン生地のキャリングケース「VGP-CKX2」は4980円(写真=中央/右)

VAIO X店頭モデルの概要(その1)
シリーズ名 モデル名 タイプ 従来比較 CPU メモリ HDD OS 実売
VAIO X VPCX119KJ/B 1スピンドル 新シリーズ Atom Z540(1.86GHz) 2048MB(DDR2) 64GB SSD 32ビット版7 Home Premium 13万円前後
VPCX118KJ/B 1スピンドル 新シリーズ Atom Z540(1.86GHz) 2048MB(DDR2) 64GB SSD 32ビット版7 Home Premium 11万円前後
VAIO X店頭モデルの概要(その2)
シリーズ名 モデル名 液晶 解像度 チップセット 光学ドライブ GPU TV機能 重量
VAIO X VPCX119KJ/B 11.1型ワイド 1366×768 Intel SCH US15W チップセット内蔵 約765グラム
VPCX118KJ/B 11.1型ワイド 1366×768 Intel SCH US15W チップセット内蔵 約765グラム
※VPCX119KJ/BはOffice Personal 2007を搭載

Sony Style(ソニースタイル)

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