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Core 2 Duo×15.6型ワイド液晶×GeForce×Office 2007で10万円切り――「K50IN」を試す“安い”と“使える”は両立するか?(2/3 ページ)

» 2009年10月20日 17時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

視認性の高い液晶ディスプレイとこだわりのサウンドシステム

 15.6型ワイド液晶ディスプレイの画面解像度は1366×768ドットと、16:9のアスペクト比になっている。LEDバックライトを搭載しており、十分な明るさがあるうえ、視野角もノートPCの液晶ディスプレイとしては広いほうで、視認性はとてもよい。表面は光沢仕上げのため、画面への映り込みはしやすいものの、輝度の高さと視野角の広さから気になる場面は少ない。液晶ディスプレイの角度は約140度とかなり開くので、設置場所に応じて最適な角度に調整することは容易だ。ASUSのグラフィックスカードでおなじみの動画高画質化機能「Splendid Video Enhancement Technology」も搭載している。

 ボディ底面の手前側にはAltec Lansing Technologies製のステレオスピーカーも内蔵している。ノートPC内蔵のスピーカーとしては品質がよく、大音量にしても音割れなどなくサウンドを楽しめる。さらにサラウンドサウンド技術の「SRS Premium Sound」に対応しており、このPremium Soundを有効にすると、サウンドにグッと立体感が出る。ムービーやドラマなどでは俳優のセリフが明瞭(めいりょう)に、車や電車の音なども臨場感豊かに再現される。

1366×768ドット/16:9表示の15.6型ワイド液晶ディスプレイは映像コンテンツとの相性がいい(写真=左)。「Splendid Video Enhancement Technology」では、色合いを鮮やかにしたり、シーンに応じて暗部のダイナミックレンジを拡大するなど、動画コンテンツを高画質化して表示できる(写真=中央)。高画質化効果のバリエーションは4種類用意されており、色味のカスタマイズも可能だ。「SRS Premium Sound」を有効にするとサウンドに奥行きが出て、段違いの臨場感でコンテンツが楽しめる(写真=右)。ユーティリティでは出力デバイスとコンテンツの種類が選択できる

テンキー付きのキーボードとマルチタッチ対応タッチパッドを装備

 キーボードは、テンキー付きの日本語107キー構成を採用する。主要キーは実測で約19ミリのキーピッチを確保するゆとりのある大きさだ。カーソルキーの位置がテンキーにまたがっていて少し分かりにくいほか、Enterキーとテンキーの間隔が約5ミリとやや狭い点が少し気になる程度で、配列は比較的素直といえる。タッチ感は柔らかくフカフカとしたもので、強めにタイプすると少したわむ。特にテンキー側ではよりはっきりと感じるので、入力中に少々気になった。

 ポインティングデバイスは2ボタン式のタッチパッドを装備している。光沢仕上げの広いパームレストと一体化したデザインで、パッド部分はディンプル加工で表現されている。手触りは悪くないものの、くぼみの部分が滑りにくくブレーキがかかるので、滑りのよいパッドを好むユーザーにはしっくりこないかもしれない。

 タッチパッドにはElantechの多機能ドライバが導入されており、2本指でパッドを縦/横になぞることによる上下/左右のスクロールが標準で有効となっている。なお、USB接続のホイール付き光学マウスも標準で付属するので、タッチパッドの操作になじめないユーザーはこちらを使うとよいだろう。

 キーボードの周辺は、特にワンタッチボタンやキーボードライトなどはないシンプルな仕様となっている。ボリュームや輝度の調整、ワイヤレス通信機能のオン/オフなどはFnキーとファンクションキーとの同時押しによって行うが、そういう操作をした際に状態がオンスクリーンで表示されるのは好印象だ(安いノートPCでは、オンスクリーン表示がないものも見られる)。

テンキー付きのキーボードは、キートップがフラットな形状にカットされており、デザインにも配慮している(写真=左)。2ボタン式のタッチパッドには、ドット状の突起がある(写真=中央)。USB接続のホイール付き光学マウスも付属する(写真=右)

タッチパッドにはElantechの多機能ドライバを導入済みだ。2本指でパッドを縦/横になぞることによる上下/左右のスクロール、3本指でのタッピングによる右クリックメニュー展開などの機能が標準で有効化されている

バランスのよい高パフォーマンスを実証

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 それでは、PC USER恒例のベンチマークテストで性能を見てみよう。K50INは電力設定機能にASUS独自の「Power4Gear Hybrid」を採用しており、4種類のプリセットが用意されている。ここではデフォルトの「Entertainment」で測定している。ACアダプタ接続時の設定は、アイドル状態が続いた場合に少しCPUを休めるが、負荷時はほぼフルパワーで動作するという内容だ。

 Windows Vista標準のWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右の通りで、低価格ノートPCでは低いことが多いグラフィックス関連のスコアも十分なものがあり、バランスのよいシステムであることがうかがえる。PCMark05のCPUスコアは6401、総合(PCMarks)は5364と実に優秀で、モバイル向けの薄型軽量ノートPCとは一線を画す高性能を実証している。動画や音楽などのコンテンツを快適に楽しめるパフォーマンスを持っているのは間違いない。

 一方、3DMark06のスコアは1612と振るわず、本格的な3Dゲームのプレイは難しいことが分かる。ただし、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3ではHighの設定でも5048と高いスコアをマークしているように、古い世代のゲームやオンラインゲームなどならチップセット内蔵グラフィックスコアを用いたノートPCよりも大幅に快適に遊べるだろう。

左から、PCMark05、3DMark06、FF XIベンチ3のテスト結果

K50INは電力設定機能にASUS独自の「Power4Gear Hybrid」を利用しており、Windowsの電源プランもPower4Gear Hybridの各モードごとに用意されている。各モードのおおまかな設定は、独自ユーティリティでも確認やカスタマイズが行える。今回のテストはデフォルトの「Entertainment」の標準設定で測定した

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