10月31日から11月1日にかけて、ベルサール秋葉原でDIY PC Expo実行委員会主催のユーザーイベント「DIY PC Expo 2009」が開催されている。1階と地下1階の2フロアに複数のパーツメーカーがブースを設けており、取材した31日にはPC自作市場の今後に注目する大勢のユーザーが終日両フロアにあふれていた。
活況の様子に、あるメーカーのスタッフは「ウチも含めて、9月までは売れ行きが確実に昨年を下回るであろうペースでしたが、Windows 7の登場で一気に盛り返しています。このままいけば前年割れどころか大逆転ですね。PCパーツの街の面目躍如ですよ。お客さんやパーツショップのみなさんにとっても、新OSの登場は相当なカンフル剤になっていると思います」とうれしそうに語る。
各社のブースは1階に多く、ASUSTeKやMSI、サーマルテイク、Sapphireなどが肩を並べていた。OSZは「電源ユニットやメモリにも注力していきますが、Windows 7のブートドライブ用にSSDのニーズが高まっているので、こちらも伸ばしていきたいです」と語り、まもなく発売予定のPCI Express接続SSD「Z-Drive m」をアピールした。
また、2Gバイトのメモリセットや水冷キットなどを展示していたコルセアは、今後のメモリの価格動向をこう予想していた。「年明けくらいまではDDR2とDDR3ともに値上がりする傾向にありますね。DDR2はレガシー化していくため、その傾向は来年以降も続くでしょう。DDR3は旧正月前ごろにいったん値動きが落ち着くのではと踏んでいます」とのこと。そうした動きがあったうえで、容量単位でみると1枚2Gバイトのモジュールが当面は主流になり続ける可能性が高いという。「エンタープライズ向けに1枚4Gバイトの製品も多少は増えると思いますが、まだ部品が高いのと生産量が確保できない問題がありますからね。64ビットOSに移行していく流れは見えているのですが、すぐにというわけにはいかないようです」。
クーラーマスターが「電源ユニットに注力していきたい」と語っていたのも、今後を占ったうえでのことだ。「電源ユニットは80 PLUSが流行したり、グラフィックスカードの発熱量が増えたりといった動きのおかげで、高価な製品でもよく売れるメーカーにとっては“おいしい”ジャンルとなっています。PCケースとCPUクーラーのメーカーとして弊社をみられている方は多いですが、今後はここに電源ユニットを加えて3本柱にしていきたいですね」と語る。
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