10月22日、新OS「Windows 7」の一般販売がスタートした。アキバでは急遽参加を決めたショップを含め、15店舗以上が深夜販売を行い、1000人を超えるユーザーを集めた。深夜販売はパーツとのセット購入が前提のDSP版のみだったが、同日の朝からはパッケージ版の販売も始まっている。
大きな反響は深夜販売以降も続き、PCパーツショップの多くがDSP版のUltimate(64ビット)や、パッケージ版のUltimateの在庫切れを経験している。その後も潤沢になるまでには時間がかかり、64ビット版のProfessionalまで売り切る店舗が複数あった。
この供給ペースに関して、ある店長は「ショップ側と代理店の予想を超えるペースで売れたためです。OSは基本的にデータとライセンスのみで構成しているので、パーツのように工場の生産が追いつかないということはないんですよ。予約受付の時点である程度の反響は想像していましたが、正直これほどとは思いませんでした」と語る。
Windows 7の盛り上がりは、電気街に風景にも変化をもたらした。22日以降のアキバは、平日でも連休時のように混雑し、各ショップも「売り上げをみると、普段の日曜日並かそれ以上のペースで伸びています。給料日が集中する25日前からこの状態ですね」(ソフマップ秋葉原本館)と驚きを隠さない。訪れる客層の幅も広がっており、「週末には家族連れや女性の割合が明らかに増えましたね」(ドスパラ秋葉原本店)とのコメントも聞いた。
24日と25日にベルサール秋葉原で開かれたマイクロソフト主催イベント「Windows 7 博覧会(セブン博)」でも、これまであまりPCに強い関心を持っていなかった層が多数訪れた模様だ。Windows 7の解説スタッフは「Windows XP以来初めて秋葉原に来たという方が多いのに驚きました。かなり高度な解説を想定していましたが、起動時間の短さや新しいタスクバーの使い方など、割と基本的な内容をお伝えすることが多いですね。これはいい傾向だと思います」と話していた。
主要パーツでは、AMDの新GPU「RADEON HD 5000」ファミリーを搭載したグラフィックスカードが特に注目を集めていた。9月末に登場したRADEON HD 5870カードを皮切りに、10月初旬にRADEON HD 5850、中旬にRADEON HD 5770/5750が登場した。平均的な価格は、順に5万円弱、3万5000円前後、2万円強、1万7000円前後となる。
RADEON HD 5000ファミリーはDirectX 11に対応し、アイドル時の消費電力が低く設計されているのが特徴だ。RADEON HD 5770/5750はWindows 7でDirectX 11を使いたいユーザーを中心に売れているという。フェイス秋葉原本店は「予想以上に潤沢に出回っているので、普通にヒットしていますね。前モデルのHD 4770がいつまで経っても在庫不足だったのと対照的です」と語る。
一方、ゲーマーに支持されているRADEON HD 5870/5850は11月初旬の現在でも、在庫はごく少数の状態だ。T-ZONE.PC DIY SHOPは「潤沢になる見通しが立っていませんね。入荷したら即売り切れという状態が続いています。2枚買いする人が今もいますから」という。
対するNVIDIA陣営は、10月中旬にエントリー向けの新GPU「GeForce GT220/210」を搭載したカードを一斉に発売している。価格はGT220カードが9000円以下で、210カードは5000円前後。DirectX 10.1に対応しており、ピーク時の消費電力はGT220が58ワット、210が30.5ワットと低い。あるベテラン店員氏は「発売から2週間経ってみてみると、RADEON HD 5700シリーズは好調ですが、GeForce GT220/210の人気はいまひとつといったところです。DirectXの対応バージョンもそうですが、やはりパフォーマンスでRADEONが優位に立っている印象ですね。ハイエンドとミドルレンジではRADEONの注目度が圧倒的です」と話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.