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» 2009年11月12日 20時24分 UPDATE

vProもWestmereで強くなる

インテルは、2010年に登場が予定されている“次世代のvPro”で実装される新機能の紹介と、インテルのIT部門におけるWindows 7の導入に関する説明会を行った。

[長浜和也,ITmedia]

WestmereとWindows 7で高まる“PCリプレース需要”

 米Intel アーキテクチャー事業本部副社長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム事業部長のリック・エチャベリア氏は、vProの技術がエンドユーザーにはパフォーマンスの向上を、企業のIT管理者には強力なセキュリティと効率的な管理機能を提供するなど、vProには幅広いユーザーに対してメリットがあると主張する。

 エチャベリア氏の説明によると、日本でもvPro導入する企業が増え、ソフトウェアベンダーからもvProに最適化されたラインアップが提供されるようになったが、彼らはリモート管理機能の活用や、高いエネルギー効率、強力なセキュリティー機能などの特徴から、vProを高く評価するという。

 これまでの厳しい経済状況によって、企業がPCのリプレースを控えてきたおかげで、デスクトップPCでは5年間、ノートPCでも4年間という長い期間にわたって同じ製品を利用しているケースが多い。しかし、使用開始から3年以上たつPCでは、セキュリティで問題を起こす確率が高くなるなど、PCのリプレースが遅れることによるリスク上昇の危険性が企業でも問題として認識されている。

 エチャベリア氏は、このような企業におけるPCリプレースの動機が景気回復をきっかけとして高まっていることや、Windows Vistaが理由でPCのリプレースを控えた企業が、Windows 7の登場をきっかけにPCのリプレースに取り掛かろうとするなど、企業におけるシステム更新の動きは高まりつつあると語る。

kn_vpro_01.jpgkn_vpro_02.jpg 依然として、セキュリティーリスクは急激に上昇し、運用管理コストも確実に上がっている(写真=左)。PCリプレースの遅延は、これらのマイナス要因を押し上げてしまうが、景気回復の兆し、Windows 7の登場など、企業側にもPCをリプレースする動きがようやく見えてきた(写真=右)

 このように、企業でPCのリプレース需要が高まっているタイミングで、インテルは新しいプラットフォームに対応する次世代のvProを2010年に投入する予定だ。新しいvProは、2010年にインテルが発表する予定のWestmereがベースになる。32ナノメートルとプロセスルールが微細化することで、パフォーマンスの向上とシステムの消費電力削減が実現するほか、CPUにグラフィックス機能を統合することで従来の3チップ構成から2チップ構成になるため、システム価格も抑制できるなど、Westmereコアのメリットを説明したエチャベリア氏は、次世代vProで実装される新機能から特に、「Keyboard-Video-Mouseリモート管理」(KVMリモート管理)と、「プロセッサー・エンクリプション命令」(AES-NI)のサポートを取り上げた。

 KVMリモート管理機能は、ユーザーからも要望する声が多く、非常に安全なアクセスが実現するだけでなく、500ドルほどのKVM切り替え専用ユニットに相当する機能をvProの実装で実現するなど、コスト抑制のメリットもあるとエチャベリア氏は説明する。「運用管理機能にとって大きな革新だ」(エチャベリア氏)

 セキュリティ面では、Westmereコアを採用する「Clarkdale」「Arrandale」で導入される新しい命令セット「プロセッサー・エンクリプション命令」(AES-NI)をvProで利用できることで、暗号の復号処理などで25%の性能向上が実現する。また、すでにvProで採用されているインテル アンチセフト・テクノロジーでも機能が強化されるほか、リモート・エンクリプション管理をサポートすることで、クライアントPCに組み込まれたHDDの管理がリモートで実行できるようになる。この機能によって「企業のIT部門はこの業務における投資額を抑制できる」とエチャベリア氏は主張する。

kn_vpro_03.jpgkn_vpro_04.jpg インテルは2010年に投入する予定の新しいプラットフォームでvProを強化する(写真=左)。その、新しいプラットフォームで登場する、32ナノメートルプロセスルール採用の「Westmere」コアCPUでは、新しい命令セットとして暗号処理技術に対応する「AES-NI」が導入される(写真=右)

kn_vpro_05.jpgkn_vpro_06.jpg KVMリモート管理機能では、BIOS起動フェースやブルスクリーン状態など、OSが動作できない状態でもリモートPCを制御できる(写真=左)。WestmereでCPUに命令セットとして実装されるAES-NIによって、暗号化処理が高速化するほか、HDDのデータ領域だけを利用不能にするなど機能が強化されるインテル ANTなど、Westmereの登場によってvProの機能は強化される(写真=右)

インテルにおけるvPro導入100%達成は数年先

 米Intel インテルIT本部CTO 兼 チーフ・アーキテクトのグレッグ・ワイアント氏は、インテルのIT部門が同社のシステムで進めているvPro導入活動の進捗について紹介した。インテルでは、1993年から「長期統合化IT戦略」を進めている。この活動は5段階のフェーズに分かれていて、現在は最終フェーズとなる「PC群の自動化と管理」と呼ばれる第5段階に入っている。

 2009年6月までの実績で、インテルでは社内で使っている9万4000台のクライアントPCのうち、4万9000台にvProを導入しており、数年以内には100%の導入を実現する予定だ。vProを利用するシーンとして、KVMリモート管理機能やリモート診断、リモート修理機能を用いて、問題のあるクライアントPCを直接コントロールする例がワークフローとともに紹介された。想定されるワークフローでは、問題のあるPCにリモートでアクセスし、そこで症状の診断、リソース情報をリアルタイムで把握した上で破損したファイルの交換、ネットワークから隔離したのちに暗号化という流れで対応する。

 ワイアント氏は、インテルで現在進めているWindows 7の導入計画についても紹介した。インテルでは早期ユーザープログラムを利用してWindows 7の社内評価を行っており、新しいOSの導入によって、生産性や安定性、電力効率の向上、セキュリティーの改善、TCOの削減などの成果が期待できるとインテルは評価したという。この結果をふまえて、インテルではWindows 7の導入を全社で積極的に進めていくとワイアント氏は述べている。

kn_vpro_07.jpgkn_vpro_08.jpg インテルで進めているvPro導入計画。100%の導入は数年先になるという(写真=左)。インテルでは早期ユーザープログラムを利用してWindows 7の評価を進めてきた。その成果を踏まえ、積極的に導入することを決めたという(写真=右)

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