Eee PCの衝撃再び!?――ASUSが放つ“5万円台”CULVノート「UL20A」に迫るライバル機との比較も(3/4 ページ)

» 2009年11月16日 17時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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Windows 7をストレスなく利用できる基本性能

 UL20AはASUS独自の電力管理機能「Power4Gear Hybrid」を採用している。用途に特化した4種類のプリセットが用意され、OS標準の電源プランもそれに基づきカスタマイズされている。今回は、デフォルトの「Entertainment」の設定でテストした。ただ、標準ではバッテリー駆動時の液晶輝度が80%と比較的高く設定されていたので、バッテリーのテストに関しては、これを40%に下げている。

ASUS独自の電力管理機能「Power4Gear Hybrid」を導入している。「High Performance」「Entertainment」「Quiet Office」「Battery Saving」の4つのモードが用意されており、各設定はカスタマイズできる。今回はEntertainmentの設定を利用した

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右に示した通りだ。Intel GS45 Expressチップセット内蔵のグラフィックス機能(Intel GMA4500MHD)だけに、ゲーム用グラフィックスのサブスコアが3.3と低いが、Windows 7 Home Premiumの機能を一通り楽しむには問題ないスコアだろう。

 まずはパフォーマンステストの結果から見てみよう。PCMark05は一部のテストが64ビットに対応していない(64ビット版のWindows 7には、32ビット版のWindows Media Encoder 9がインストールできない)ため、総合スコアが出ていないが、個別の項目では同等ハードウェアのPCと互角以上のスコアを出している。CPUスコアは3096で、一般的なNetbookの2倍弱の値だ。

 一方、DirectX 9.0世代の3D描画性能を見る3DMark06は低調なスコアだ。本格的なゲームタイトルのプレイは難しいだろう。DirectX 8.1世代のゲームタイトルをベースにしたFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアもプレイできるギリギリのレベルとはいえ、本質的にゲームには向いていない。

左からPCMark05、3DMark06、FF XIベンチのテスト結果

PCMark Vantageのテスト結果

 PCMark Vantageは64ビットネイティブ(x64)と32ビットネイティブ(x86)両方のテストが用意されているので両方を実行してみた。結果はほぼ互角のものと少し64ビットが有利なものとがあり、総合スコアでは約5%、最も差の大きかったProductivity Suites(テキスト編集や検索インデックス作成などを行う内容)では約14%ほど64ビットネイティブのほうがスコアがよかった。UL20Aのメモリ容量は2Gバイトのため、CPUの汎用レジスタ拡張の恩恵によるところが大きいと思われる。

 このテスト内容はWindows Vista/Windows 7環境でのHDコンテンツの取り扱いを前提として、日常作業をシミュレートするものとなっている。3D描画性能が影響するGaming(ゲーム)やエンコード性能などを求められるMemories(コンテンツのデジタル保存)で足を引っ張られているが、Windows 7搭載PCとして実用的十分な水準にあるといえる。

静音性、発熱の処理も優秀

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench1.01(海人氏・作)で行った。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」だ。インターネットには無線LANで常時接続し、電源プランは前述したように「Power4Gear Entertainment」(ディスプレイ輝度設定を40%に変更)とした。

 結果は332分(5時間32分)と、公称値の約7.4時間には及ばないまでも十分な結果といえるだろう。この設定ではバッテリー駆動時に最大CPU速度が80%とされているため、バッテリー駆動状態でPCMark05のCPU Test Suitesを実行してみたところ、スコアは3067とわずかに落ちる程度だった。

 騒音や発熱の処理も優秀だ。騒音は暗騒音32デシベル/室温24度の環境で本体前面から5センチと近い距離で測定したが、アイドル時、低負荷時ともに35デシベルと静粛で、高負荷時でも最高で40デシベルだった。ファンの音が低いだけに、静かな環境ではたまに動作するHDDのチリチリとしたアクセス音が少し気になるが、会社やある程度の生活騒音がある家庭内ではまったく気にならない。ファンの回転の変化は負荷時でも比較的細かく変化しているようだが、モーターの品質がよいのか煩わしい印象は受けなかった。

 室温24度の環境で測定したPCMark05/3DMark06終了後の温度は、左側面の排気口部分のみピンポイントで40度を超えたが、底面で最大38度、キーボードも最大33度と表面にはあまり熱が伝わってこないようになっている。パームレストの温度も最大32度と低く、「ASUS Ice Cool Design」と名前まで付けて、高負荷時でも熱くなりにくいというとアピールするだけのことはある。

左が騒音テスト、右が発熱テストの結果

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