UL20Aの価格は5万9800円となっており、オンラインショップなどでは5万円台前半で売られている場合もある。これは国内ベンダーのNetbookに近い価格帯で、日本エイサーの「Aspire Timeline AS1410」と直接競合する。台湾メーカーの中では高級かつ少し割高なイメージがあったASUSの製品だけにインパクトは強烈だ。
実際の仕上がりも目立ったコストダウンの形跡は見られず、スペック面のバランスも実に魅力的だ。デュアルコアCULV版Celeron SU2300の採用によってWindows 7搭載PCとして十分な基本性能があり、高解像度の液晶ディスプレイを装備し、長めのバッテリー駆動が可能で、静音性や発熱の処理も優れている。さらに小型軽量のACアダプタが付属するなど、価格を抜きにしてもモバイルPCとしての完成度は高い。
同社比で見れば若干簡素化されているとはいえ、高級感のあるデザインも競争力を高める付加価値として見逃せないところだ。現時点では、CULVノートPCの本命といっても差し支えないだけの実力を備えた1台であることは間違いない。
最後に余談だが、ライバル機種としてUL20Aと同時に検討している人も多いと思われるAspire Timeline AS1410とざっと比較してみよう。
重量ではAS1410が180グラムほど軽く、フットプリントも小さいが、付属ACアダプタの携帯性はUL20Aのほうが優れている。基本スペックはHDD容量でUL20Aが少し上回り、バッテリーの容量はほぼ互角だ。機能面では液晶ディスプレイのサイズでUL20Aが勝るが(解像度は同じ)、AS1410は有線LANが1000BASE-Tに対応し、HDMI出力も装備する。見た目の印象は高級感があるUL20Aに対し、カジュアルなAS1410といったところだろうか。
総じて、携帯性やインタフェースの充実度ではAS1410、画面サイズや入力環境などノートPCとしての全体的な使い勝手のバランスではUL20Aに分があるように思える。どちらも甲乙付けがたい強力なCULVノートPCで、これが5万円台で買えてしまうのだから、すごい時代になったものだ。
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