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» 2009年11月20日 11時00分 UPDATE

ここまでデキて5万円前後:高速IPS液晶と超解像が光る23型フルHD液晶――三菱「RDT231WM-X(BK)」を攻略する (1/3)

「Diamondcrysta WIDE RDT231WM-X(BK)」は、IPSパネルを搭載した23型フルHD液晶ディスプレイ。超解像やオーバードライブ調整など、独自の高画質化技術が目立つ1台だ。

[林利明(撮影:矢野渉),ITmedia]

三菱の“超解像”ワイド液晶ディスプレイにIPSモデルが登場

tm_0911rdt231wm-x01.jpg 三菱電機「RDT231WM-X(BK)」は、本日(2009年11月20日)発売された23型ワイド液晶ディスプレイの新モデルだ

 個人向けのワイド液晶ディスプレイで魅力的な製品を次々と投入し、多くのユーザーから高い評価を受けている三菱電機が、またまた注目すべき新モデルを発売した。画面解像度1920×1080ドットのフルHDに対応した23型ワイドモデル「Diamondcrysta WIDE RDT231WM-X(BK)」だ。

 RDT231WM-X(BK)の大きな特徴は3つある。それは、IPS液晶パネルを採用したこと、応答速度の切り替え機能を装備したこと、超解像技術を含む独自の画像処理LSI「ギガクリア・エンジン」を搭載したことだ。製品ラインアップとしては、他社に先行して超解像技術を液晶ディスプレイに採用したことで話題を集めた「RDT231WM」シリーズ(2009年4月発売)の上位機に位置付けられ、動画の表示性能や画質により注力した製品となる。

 同社は10月28日に超解像技術を搭載したゲーム向け24.1型ワイドモデル「VISEO MDT243WGII」も発売しており、いち早く超解像対応ディスプレイのラインアップを拡充することで、ライバル機種との差異化を図っている。


IPS方式の23型フルHDパネルを採用

 まずはIPS液晶パネルからチェックしていこう。現状でPC向けディスプレイに使われる液晶パネルはTN/VA/IPSの3種類の方式に大別され、画質面ではIPS方式が有利といわれている。一般にIPS方式は、TNやVAの方式に比べて輝度/コントラスト比/応答速度を高めにくく、コスト面でも不利だが、視野角特性が非常に高い。画面を斜めから見ても発色がほとんど変わらないため、主に静止画表示用途の上位機種を中心に採用が進んできた経緯がある。

 しかし、昨今は製造技術の進歩などで上記の弱点も改善されてきており、求めやすい価格帯でもIPS液晶パネルを採用した液晶ディスプレイが増えつつある。今回取り上げたRDT231WM-X(BK)は、まさにこうした新世代のIPSパネル搭載ディスプレイといえる。

 実際に表示品質を確認してみたが、やはり視野角の広さはTN液晶パネルを用いた従来のRDT231WMシリーズとは段違いだ。画面を上下/左右から斜めに見ても、カラーバランスの変化が抑えられている。複数人で画面を囲んで映像を観賞したり、ゲームをする際にこの視野角の広さは威力を発揮するはずだ。

 中間階調の発色に厚みがあるのもポイントだ。10ビットの内部ガンマ補正を備えることもあって、シャドウからハイライトまで階調が滑らかに表現されている。明るいグレーや白を広い面積で表示すると、表面が少々ザラついて感じるのはこの種のIPS液晶パネルに共通して見られる傾向だが、不自然なギラギラ感やコントラスト感はなく、柔らかみがあるので不満はない。

tm_0911rdt231wm-x02.jpgtm_0911rdt231wm-x03.jpg sRGBモードでモノクロとカラーのグラデーションを表示した例。10ビットの内部ガンマ補正を備えることもあり、階調がかなり滑らかに表示されている

tm_0911rdt231wm-x04.jpgtm_0911rdt231wm-x05.jpg ここまで角度を付けて画面を見てもカラーバランスが保たれているのは、IPS液晶パネルならではだ

「動画に強いIPS」を実現する新しいオーバードライブ機能

 前述した通り、IPS方式は応答速度を高めにくいため、動画向けではないというイメージを持っているユーザーも少なくないだろうが、TN方式と比較して、階調全域で応答速度のバラツキが小さいというメリットがある。昨今の液晶ディスプレイは中間階調の応答速度を高速化するオーバードライブ回路を備えている製品も多いが、同回路を搭載した場合で比較しても、IPS方式はTN方式より階調全域で応答速度の均一性が高い。

 つまり、最近の比較的応答速度が速いIPS液晶パネルにオーバードライブ回路を組み合わせれば、動画の表示性能をぐんと向上できるというわけだ。IPS方式の液晶テレビが数多く販売されている事実からも、IPS液晶パネルの動画適応力の高さは明らかだろう。

 もっとも、オーバードライブ回路とて万能ではない。強度を高めるほど、中間階調の応答速度は高速になる半面、オーバーシュートやアンダーシュートといった弊害により輪郭に偽色などが発生しやすくなる。単純に強いオーバードライブをかければ、動画が見やすくなるということでもないのだ。

tm_0911rdt231wm-x06.jpg オーバードライブの強度は3段階で調整できる

 そこでRDT231WM-X(BK)は、独自の応答速度調整機能「オーバードライブチェンジャー」を新たに搭載し、用途や表示する内容、好みに応じて、ユーザーがオーバードライブの強度を切り替えられるようにした。具体的には、中間階調(グレーからグレー)の応答速度を設定「1」(5.8ms)、設定「2」(3.8ms)、オフの3段階から選択できる。ちなみに、3.8msという値は、IPS方式のPC用液晶ディスプレイ(スタンドアロンタイプ)で国内最速だそうだ(2009年11月20日現在、三菱電機調べ)。確かに、IPSで中間階調間3.8msという応答速度には驚かされる。

 それぞれの強度でいろいろな映像やゲームを表示してみたところ、オーバードライブ設定オフとオンの違いは比較的分かりやすかった。当然、オーバードライブがオンのほうが画面表示はシャープだ。設定「1」と「2」の違いは少なく、特に実写系の映像だとほとんど差は見られない。アニメ系の映像では3.8msの「2」のほうがクッキリ感が出やすいようだが、前述の弊害も考慮すると、画質と応答性のバランスは5.8msの「1」が最もよい印象だ。動きの激しい映像やゲームなどで動画ブレが気になる場合は「2」に変更してみるとよいだろう。

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