いろいろあってハイエンドグラボが激レア状態に古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)

» 2009年11月24日 11時55分 公開
[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]

「デュアルGPUのなかで極めて高い評価を得ています」――Radeon HD 5970カードが登場

T-ZONE.PC DIY SHOPのグラフィックスカード価格表。先週末はRadeon HD 5870/5850搭載カードが軒並み売り切れていた

 先週はグラフィックスカードの新モデルが多数登場した。11月後半時点で同市場は「ハイエンドとミドルレンジはRadeonが圧倒的に強い状況が続いています。エントリークラスになるとGeForce 9800シリーズも好調ですが、Radeon勢も負けていない状況。この構図は少なくとも年末まで続くと思いますね」(フェイス秋葉原本店)という。

 ミドルレンジではRadeon HD 5770/5750搭載カードが潤沢に出回っており、各ショップで好調な売れ行きを見せているとのコメントが多数集まっている。ただし、ハイエンドクラスのRadeon HD 58705850カードは品薄傾向が続いており、「入荷したらメーカーを問わずすぐに売り切れるという状態です。2枚構成でCrossFireを構築するユーザーも少なくないですが、2枚ともメーカーを合わせて作るというのは難しいでしょうね」(T-ZONE.PC DIY SHOP)とのことだ。

 そんな状況の中、Radeon HD 5000ファミリーの最上位モデル「Radeon HD 5970」を搭載したグラフィックスカードが登場した。Radeon HD 5970は「HD 5870相当のGPUを2基搭載した構成」(T-ZONE.PC DIY SHOP)のチップで、リファレンスデザインのカードは大型クーラーにより、ブラケットを2段占有する厚みがある。長さも30センチを超えており、PCケースによっては装着できない場合がある。また、メモリはGDDR5を2Gバイト搭載している(→Radeon HD 5970搭載グラフィックスカードが各ベンダーから発表)。

 先週末の時点で入荷が確認できたのはSapphireの「HD5970 2G GDDR5」と、玄人志向の「RH5970-E2GHW/DP」。HD5970 2G GDDR5の価格は8万5000円前後で、RH5970-E2GHW/DPは6万8000円前後から8万5000円前後と開きがあった。ただし、両モデルともに売り切れており、再入荷を予定しているショップもなかった。

 あるショップは「過去の最上位GPUの生産ペースから考えて、順調に入荷できるのは早くて来年の2月ごろじゃないでしょうかね。それまではポツポツ入荷しては、一瞬で売り切れるという状況が続くと思います。おそらくHD 5870/5850の生産ペースも急激には上がらないでしょうから、冬のボーナスでハイエンドマシンを組もうと思っている人は、その予算を年明けまで持ち続けてチャンスをうかがうのが賢明かもしれません。いきなりアキバに来てそろえようと思ってもうまくいかないでしょう」と話していた。

 ハイエンドのグラフィックスカードが登場直後に入手困難となる例は多いが、特にRadeon HD 5970は評価が高いことから、需要を満たしきる量が出回るのは相当先になるとの見方が多勢だ。

 TSUKUMO eX.は「デュアルGPUカードは発熱量が高くなる傾向があり、それに見合った性能の得られるモデルが少なかったのが現実です。HD 5970もピーク時は294ワットと結構高いですが、アイドル時は42ワット。少し前のミドルレンジ程度に抑えられているうえ、性能も文句なしに高いと評判です。ヘビーゲーマーやベンチマーカーに本気で狙っている方が多くいらっしゃると思います。また、『HD 5970がないならHD 5870カードを2枚買おう』『じゃあ、同じデュアルGPUのGeForce GTX 295カードを買おう』というのも難しい状況ですから」と話していた。

玄人志向「RH5970-E2GHW/DP」(写真=左)。Sapphire「HD5970 2G GDDR5」(写真=右)

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